おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 玉版論要篇 第十五
第二節
脈短氣絶死。病温虚甚死。
色見上下左右、各在其要。上爲逆、下爲從。
女子、右爲逆、左爲從。男子、左爲逆、右爲從。
易重陽死、重陰死。
陰陽反作、治在權衡相奪、奇恆事也。揆度事也。
搏脈痹躄、寒熱之交。
脈孤爲消氣、虚泄爲奪血。
孤爲逆、虚爲從。
行奇恆之法、以太陰始。
行所不勝曰逆。逆則死。行所勝曰從。從則活。
八風四時之勝、終而復始。逆行一過、不復可數。
論要畢矣。
訳
短脈で真気の竭するものは死に至ります。急性熱病にかかり虚の甚だしいものも死に至ります。
五色が上下左右に現われ、各々其の道理があります。顔色が上の方に行くものは逆と為り、下に行くものを従となります。
女子は右が逆で左が従でありまして、男子は左が逆で右が従となります。
もしこの変化が、女子の場合に右に現れた場合には重陰となり、男子の場合に左に現れた場合には重陽となり、何れの場合でも死に至ります。
陰陽反作といいまして、陰と陽が本来の性質とは反する働きを示すような場合の治療は、釣り合いが失われたということにありまして、これは奇恒のことであり、揆度(診断)のことであります。
脈はよく搏って居るのでありますが(鍼灸医学大系訳)、痹躄(ひへき)ともうしまして、足が不遂となり疼痛するようになり、このような症状は寒熱の気の交合によって起るもので、邪気の侵襲による虚実の関係から起るものではありません。
脈が表面だけにあって裏になく、裏にあって表にない脈のを孤脈と申しますが、それは陽気が消散したもので、脈が虚で泄下する、すなわち不消化便を下痢し、脈は微弱であり、血液を失うことになるのでございます。
脈が孤となるのは、後々悪くなり逆といい、虚脈となるのは、虚衰しては居りますが良くなることもありまして、これを従といたします。
奇恒の方法を行うには、先ず太陰の脈から候うのであります。
五行の相尅の関係で、勝たないところに行くのを逆(例として、
春〔木・酸〕に
秋〔金・辛〕の脈が現われたりする)となりまして、後々悪くなり死ぬのでございます。勝つところに行くのを従(例として、春〔木・酸〕に
長夏〔土・甘〕の脈が現われたりする)となりまして、予後は良くなり活きるのであります。
八風(東・西・南・北・東南・南西・西北・北東の風邪で、疾病を起こす病因となる)四時(春夏秋冬)の勝つ時との関係(人の生理的機能と周囲の環境との関係・鍼灸医学大系)は、終ってから復始まります。一たびその規律に過失があれば逆行してしまい、もう一度始めからやりなおすことは出来ないのでございます。
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