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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

暗黒神話 完全版

2017-05-07 18:33:16 | 諸星大二郎
諸星大二郎 2017年3月 集英社
きょう、(なんせヒマだし、ブログに書くこともないし)何か目新しいものでもないかと、近くの書店へ行ったら、コミック新刊が並んでるとこに、「暗黒神話」が積まれてた。
びっくり。

そうかー、ウワサには聞いてたが、なんか豪華装丁の新しい版が出たっていうのはこれのことかあ。
と思って、値段見たら、またびっくり、3200円+税? 高っ!
うーん。さすがにちょっと躊躇した。
私は愛読者のつもりだが、コレクターではないので、持ってないからって何でも買うわけではない。
探してる古本だったら、その場でつかんで勢いで買うんだが。
まだ数も多くあるから、ちょっと様子見でもいいだろと思い、いったんウチ帰って、情報集める。
そうすると、外装変えただけぢゃなくて、どうやらなかみは、大幅に加筆された「完全版」ということらしい。
うん、買おう。
ふたたび出かけてって、さっさとレジへ。マンガ一冊で三千円超えは初めてだなあ、いままで一番高かったのって何だろ、とかボンヤリ思う。
>黒と銀、2色のインクが描き出すのは、現実と心象世界が交差するひと函の小宇宙。さらなる加筆と新釈、印刷技術の粋を集めた豪華装丁によって、不朽の名作がここに甦る。
って外に貼ってあるのの、印刷技術のなにがどうなのかは私にはわからん。凝ってることは確かのようだけど。

さ、読むか、って箱から取り出す前に、つい手を洗ってしまったよ。
表紙めくったとこに、“羅睺”の画が描かれた紙が挟み込まれていたのは、うれしい遊び心だ。
読んでくと、最初のほうはそれほどでもないけど、中盤から一挙に加筆が増えてて驚かされた、これはハンパぢゃない描き加えようだ。
天台宗からは、慈空上人だけではなく、慈海和尚なんて新しい登場人物が出てくるし。
飛鳥から京へかけてのエピソードがふくらんでいて、ここらへんはまったくの新展開、うれしい。
以前は「そして 飛鳥 奈良 京都で 腰に みいっつ…」だけで終わってたとこだ。
スサノオ像の登場も新しいかたちを見せてくれてるし。
ケータイのない時代だから、追っかける菊池一族に連絡をとりあうための無線機なんか持たせてるのは、ちょいと苦しい感じするがご愛嬌か。
最後は聖徳太子までアートマンの系譜に巻き込むことができて、ジグソーパズルのピースがまた増えて、物語世界の複雑さが深まったのは長年のファンとしても満足。
さあ、せっかくだから本棚しまう前に、みんなそろっての記念写真でも撮るか。

…しかし、どこにしまうかな。ガラス付きの新しい本棚でも買うかな…

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