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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

浴室の窓から彼女は

2011-01-24 17:18:37 | 小林恭二
小林恭二 1992年 角川書店
ちかごろ、また順に読み返してみようと思ってる、小林恭二。
タイトルは「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」って歌からとられたらしいけど、私は知らない。ビートルズ?
帯の背に「著者初の恋愛小説」ってあるけど、まあたしかにそれまでの小説とはちょっと感じが違うとは言える。
まわりが驚くくらい、お互い似ている僕と彼女の話で、そうやって互いにそっくり同士のカップルが集まるパーティーに出たり、夏に「世界でいちばん殺風景な海辺」を探し求めて三週間もドライブを続けたり、冬に「コー・イ・ヌール」という架空の世界をつくったり。
妄想を現実化するということをめぐって、恋人同士が語り合うんだけど、作中のセリフにいわく、ひとは妄想を軸にして三つのタイプに分かれるとされている。
妄想は最小限にとどめて、できるだけ目に見える現実の中で生きてゆこうとするタイプ。
現実との接触を最小限にして、できるだけ自分の妄想の中で生きてゆこうとするタイプ。
妄想と現実の間をいったりきたりする人。
三つ目のタイプが、おカネが儲かるタイプだってのが、思考で遊んでるふりして、また妙に現実に引きつけた議論だったりするとことか面白い。

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