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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

仮面のディスコテーク

2014-09-03 21:15:23 | 読んだ本
ウォーレン・マーフィー/田村義進訳 昭和61年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
ひさしぶりに読み返した、トレーシーシリーズの第3弾。
例によって、帯によれば「おしゃれな会話」(私に言わせれば掛け合い漫才)を中心にして、話はすすんでくんだけどね。
今回の事件は、コネティカット州で、学生が射殺された死体が見つかる。
よしゃあいいのに、ややこしいことに、被害者はリチャード・ニクソン元大統領のマスクをかぶった状態で発見される。
保険調査員である、主人公トレースは、いやいやながら、現地に調査に赴くんだけど、被害者の父親はニューヨークの有名なナイトクラブの経営者。
いやな予感どおりに、マフィアがからんでるっぽいんで、あまり掻きまわしたくはないんだけど、真相解明のために、深みにはまっていかざるをえない。
ところで、本作の原題は「WHEN ELEPHANTS FORGET」で、象が忘れるときって何だ、って思ったんだけど。
作中に登場人物が、あのひとは象のように執念深い、とかなんとか言うところがあって、どうもそのへんからきてるらしい。
と思ってたら、つい最近になって、アガサ・クリスティに「象は忘れない」というポワロ・シリーズのひとつがあることを知った。
象の記憶力ってよくある表現なのかな、英語文化圏のことはよくわからない私。
そういえば、村上春樹の初期作品にも何かそんなの出てきたっけ?(←私は記憶力が減退してる。)
それはそうと、このシリーズの主人公は、私立探偵ぢゃなくて正確には保険調査員ということになっている。
ところが、その父はリタイアした元警察官だったんだけど、本作ではとうとう私立探偵を開業してる。
そんなこんなで、主人公トレースは本作中で、探偵の資質について語っているとこがあるんだけど、
>いまは昔とちがう。探偵として名前を売るためには、たとえば、料理好きのグルメにならなきゃならない。チョチョイのチョイで、うまいものがつくれなきゃならない。
なんて言っている。また、その直後に、ナイキのジョギング・シューズを手にして、
>探偵になったら、走らなきゃならない。現代の探偵は走りまくる
とか言ってることもあって、これってもしかしてスペンサーを意識してる?と私なんかは勘ぐってしまう。

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