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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

トラウマ恋愛映画入門

2020-03-07 18:55:34 | 読んだ本

町山智浩 2016年 集英社文庫版
最近買って読んだ、町山さんの映画解説の本。
これ、たしか私が町山さん読み始めた初期のころ、『トラウマ映画館』と並んで書店にあったの見たと思うんだけど、そのとき食指が動かなかったのは、目次サッとみたら観たことある映画がほとんど無かったからだと思う。
ただでさえ恋愛映画っていわれると興味ないに等しいようなものなのに、知らない話ばかりではって思うし、観てみようという気にはならないことも想像つくし。
22のタイトルが並んでんのに、観たこと(もちろん劇場ではない)あるの2つだけだったかな、つい最近これ読んだあとに『日の名残り』観たので3つになったか。(あれはなかなかよかった。)
タイトルに「トラウマ」なんてあるように、感動の傑作!とか、恋がしたくなる!とか、そういう方向ではない。
結論は、巻末の「おわりに」で著者が書いているように、
>ダメな男たちの品評会みたいな本になりました。(略)
>偉大な映画を作ってきた天才や巨匠ですら、愛についてはどうもわかっていない。
ということに行き着くので、なんかしょうもない。
文庫のカバーの表紙は『ブルーバレンタイン』という映画のシーンだが、この最初は愛し合ってたはずなのに、社会の中で生きたい女性に比べて、そんな相手のこと理解できなかった男、別れちゃう二人の話について、本書では、
>ライアン・ゴズリングはインタビューで「これで終わりじゃない。あの花火は始まりを意味しているのかもしれない」と答えており、男性には同じような希望的観方が多い。しかし女性の場合は逆で、たとえば作家の中村うさぎさんは「いちどこの男は嫌、と思ったら女は二度と触られるのも嫌になるのよ」と言っている。やはり男は甘い。(p.252)
と書かれてるが、たぶん、きっとそうなんだろうというのはわかる気がする。
男は甘い、甘々、それはロマンチストとかなんとかキレイそうな言葉で表されるものぢゃなくて、単に自分勝手でバカだからなんだろう。
コンテンツは以下のとおり。
1 オクテのオタク男はサセ子の過去を許せるか? 『チェイシング・エイミー』
2 ウディ・アレンは自分を愛しすぎて愛を失った 『アニー・ホール』
3 忘却装置で辛い恋を忘れたら幸福か? 『エターナル・サンシャイン』
4 愛を隠して世界を救いそこなった執事 『日の名残り』
5 女たらしは愛を知らない点で童貞と同じである 『アルフィー』
6 恋するグレアム・グリーンは神をも畏れぬ 『ことの終わり』
7 ヒッチコックはなぜ金髪美女を殺すのか? 『めまい』
8 愛は本当に美醜を超えるか? 『パッション・ダモーレ』
9 嫉妬は恋から生まれ、愛を殺す 『ジェラシー』
10 トリュフォーも恋愛のアマチュアだった 『隣の女』
11 不倫とは過ぎ去る青春にしがみつくことである 『リトル・チルドレン』
12 セックスとは二人以外の世界を忘れることである 『ラストタンゴ・イン・パリ』
13 完璧な恋人は、NOと言わない男である 『愛のコリーダ』
14 愛は勝ってはいけない諜報戦である 『ラスト、コーション』
15 幸福とは現実から目をそらし続けることである 『幸福(しあわせ)』
16 最大のホラーは男と女の間にある 『赤い影』
17 キューブリック最期の言葉はFUCKである 『アイズ ワイド シャット』
18 結婚は愛のゴールでなく始まりである 『ブルーバレンタイン』
19 恋におちるのはいつも不意打ちである 『逢びき』
20 フェリーニのジュリエッタ三部作は夫婦漫才である 『道』
21 認知症の妻に捧げる不実な夫の自己犠牲 『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』
22 苦痛のない愛はないが愛のない人生は無である 『永遠に生きて』

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