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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

偽証するおうむ

2016-01-20 20:46:14 | 読んだ本
E・S・ガードナー/宇野利泰訳 昭和33年 ハヤカワ・ポケット・ミステリ版
ミステリつながり、これも新幹線のなかで読めた、ペリイ・メイスンのシリーズ、原題「THE CASE OF THE PERJURED PARROT」。
引退した億万長者フレモント・セイビンが所有する山荘で殺害されたが、現場には飼っていた鸚鵡が残されていた。
メイスンの依頼人は被害者の息子チャールズで、真相解明と、自身の遺産相続の権利を父の後妻であるヘレン・ワトキンズ・セイビンから守ってほしいというのだが、現場に残っていたおうむは父の飼っていたものではない別の鳥だと意外な情報をもたらす。
警察も知らないその事実を重要視したメイスンは、誰が何のためにおうむの替え玉を用意したのかその謎解きに力を入れる。
で、小鳥屋でおうむの餌を買った人物を尋ねてったところから、ヘレン・モンティスという図書館員の女性のとこに、本物のおうむがいることを突きとめる。
驚いたことに、この女性は、姓名をジョージ・ウォルマンと何故か偽っていた被害者と、最近結婚したばかりだという。
そうなると、遺産相続の処理にあたっては、前の妻との離婚が成立していたのか、この女性との結婚が合法だったのか、という点が大きく関わってくることになる。
ところがさらに驚いたことには、この女性のとこにいた、被害者が飼ってた本物のおうむが、「ピストルヲステロ、ヘレン、ウツナ、チクショウ、オレヲウッタナ」なんて人の言葉をしゃべる。
ヘレン・モンティスは殺人容疑で逮捕されてしまい、検屍審って場でメイスンは彼女を弁護することになるんだが、はたしておうむの言葉は証言として採用されるのかどうか。
事件はあたりまえだけど主人公の勝利で解決するんだが、最後にちょっとこのシリーズにしては意外な(と私が思うだけだけど)どんでん返しが用意されていて、オッ!とうなってしまった。
コメント
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