SESの選択…日常生活で役に立つ英会話力か、学問・調査研究に役立つ英語力か?

2013-01-16 20:52:22 | Weblog
SESの選択…日常生活で役に立つ英会話力か、学問・調査研究に役立つ英語力か?

ところで、日本語において、特に上記のような区別や違いがあるのかどうか疑問に思う方もあるでしょう。
しかし、「話し言葉」と「書き言葉」との間には明白な違いがあると言った方が良いでしょう。
なぜなら、日常会話の中心は、とにかく簡単な表現で話者の意図を聞き手に迅速・率直に伝えることに尽きますが、論争や学問・調査研究のレポートやエッセーで使用される表現には、英語であれ日本語であれ、著者がその記述内容に真実性や説得力を感じさせる必要から、前提と結論との間に十分な論理性・一貫性をもたせなければなりません。

 そこで、日常の会話は、少数の基礎的・パターン的表現をしっかりと身につければ、後は言葉尻に多少の変化を持たせるだけで、かなり多くの種類の表現が可能であり、現に「76個の(中学英語レベルでの)基本フレーズを覚えれば、英会話の9割をカバーできますよ。」と親切な言葉を掛けてくださっている有名なネイティヴ英会話研究家[デイビッド・セイン氏]がおられます。(書名:mini版「英会話の9割は、中学英語で通用する」アスコム出版)

 他方、論説文や論争場面で使用される表現法は、関係者間の公平や正義を実現する必要から、曖昧な事実や言葉を避け、確実な事実であることや意味が一義的に特定されることなどが要求されるとともに、主張において一貫性や論理性も十分でなければなりません。

 というわけで、「英語で理数科と異文化」を教える学習塾“Science in English School”=SESで志向する英語力とは、日常会話力ではなく、むしろ将来におけるハイレベルな米国理工系大学や医学部進学を予定して、論理的思考力・表現力・文章力を養うこと、すなわち、「科学的思考力」養成を目標にしています。

 この教育目標を達成するために、SESの受講生には、正に英語で先進的な欧米の科学を幾多も学びつつ、科学の論理性をしっかりと体感し、将来の厳しい国際競争の舞台上で活躍できる基礎力を身に着けて戴きたいと願っています。

平成25年1月16日 水曜日
岡村寛三郎(医療通訳士の学校「東京通訳アカデミー」理事長)
岡村ゼミナール(株) 代表取締役 会長