景気動向と亀田病院(350年を経てなお成長し続ける驚異の病院)

2009-08-14 23:38:42 | Weblog
景気動向と亀田病院

平成21年8月14日 金曜日
JGC&TIA事務局・岡村寛三郎

甘い水を飲んでいる業界ないしは企業・個人は極めて数少ないのが実情です。
しかし、そこを探してお付き合いをしていかなければなりません。
通常の考えや行動では経済的生存が難しい状況下では、最低限において個人や家族の生命健康や衣食住を保証する絶対的な業種・企業・個人をお付き合いの相手として探すべきことになります。
その点、医療業界は最近とみに厳しさが増していますが、それでも他業種に比べれば遥かにましでしょう。但し、その安全なはずの医療業界内でも、時代の流れの影響を受けやすい他の波乱含みの業界に同じく、二極化が激しく進んでいることは注目しなければなりません。
先日、東京都心からは遠く離れた千葉県鴨川市の亀田病院を訪ね、その訪問記録を公表しましたが、亀田病院の隆々たる勢いを見ていると、正に目が眩むほどの思いがしました。
それに比して、倒産する病院も全国で増えてきているというのは、一部の病院経営において人件費や設備投資に見合うだけの収入が得られない厳しい世間情勢が押し寄せてきているということでしょう。
それだけに、都心から遠く離れた房総半島の奥深い太平洋岸に位置しながら、毎日2,000人以上もの外来患者を受け付ける31の診療科と約1,000ものベッド数を数える総合病院の吸引力や魅力について、徹底的に研究する必要があります。
「ローマは一日にして成らず」ですから、亀田病院とて長い歴史を経てきて、漸く今日の繁栄があることは確かでしょう・・・何と!!! 350年の歴史を持つそうです。→→下記資料
現代においても100年を超える企業生命を維持している事業体は、恐らく1,000社の中でも片手で数えられるほどのごく僅かな数でしょう。それが、350年に亘る企業生命を維持してきた病院施設というのは、全世界を通じても恐らく稀有な存在でしょう。
350年も前の1650年代といえば、徳川家の基盤を確固たるものにした三代目将軍家光の治世が漸く四代目将軍に継承された頃となります。
もうこうなると、亀田病院の強さの秘密を探ることは、ローマ史を研究するような大部で複雑なものに匹敵するかもしれませんから、片手間で出来るものでは決してありません。
しかし、(NPO)日本通訳案内士連合=J.G.C.と「東京通訳アカデミー」では、その亀田病院さんと繋がりができました。そこで、私たちは、全国の病院関係者からすらも驚きの目で見られています。その繋がりを造った「とりもち」は、「東京通訳アカデミー」の医療通訳士育成の講座に他なりません。
亀田病院ほどになりますと、本体の病院の他にも、本体に連結された衛星的な位置づけの病院や教育諸施設など多種多様な施設を擁した大集団を形成していますので、それらは、あたかも銀河系の星雲集団のごとき様相を呈しています。
勿論、医療の国際化という点でも大きな進歩のあとを示しています。年々発行される病院全体のすべてを詳細に物語る大部の冊子を見れば、その国際化に賭ける歴代の病院幹部の熱意の大きさを容易に読み取れます。
欧米からの外国人医師を抱えていることは言うまでもなく、自ら積極的に医学の国際会議に多数回参加され、そのお陰でしょうか・・・世界中の国々からの病院関係者や政府の要人たちの見学の人波は絶えず、丸で一国の数々の外交儀礼のパレードの面影を見るかのごとくです。
「欧米の医療や病院施設の水準に追いつき追い越せ!」の一貫した目標と志で運営されてきたそうですが、その具体的な成果の大きさやレベルの高さは、我々のような素人・一般人は言うに及ばず、専門家の目から見ても正に驚異的なのだそうです。
私は、とりわけ、この病院が救急医療にも日々大きな貢献をしておられることに大きな感動を受けました。病院前には、大きなヘリポートが設けられていて、通常は1機の使用だそうですが災害時などイザとなれば3機も駐機できる規模を有しているのです。
そこで、私は、JGC副理事長がJALの出身者でもあることから、彼と相談して、この程、森ビルさんが、都心の六本木ヒルズと成田空港とを結ぶヘリコプターの定期便を開始されるとのニュースに接していますので、その航路を延長していただいて亀田病院まで行き来していただけるようなラインの新設を森ビルさんなどに依頼する構想を進めています。
そうすれば、都心部と亀田病院との間の(列車やバスで)2時間の所用時間が、一気に30分程度に短縮されます。救急医療向けには、その時間短縮の有利さや便利さなどは計り知れないものがあるでしょう。
それにしても、亀田病院さんでは、増大し続ける医療各分野の需要に応えるために、看護師などの医療のアシスタントやサポーター・スタッフの数を大幅に増加させたいご意向をお持ちのことは明白ですから、私たち医療通訳士や医療クラークの養成を目指す「東京通訳アカデミー」の任務と責任の大きさを痛感するばかりのこの頃です。
どうか、このような大きな需要の存在をご理解いただき、一人でも多くの方々に「東京通訳アカデミー」で医療通訳士等の勉強に取り組んでいただき、日本の医療の一層の国際化にご協力いただけますように宜しくお願いします。
それは、一人亀田病院さんだけの願いではありません。全国津々浦々の病院さんが望んでおられる熱い夢です・希望です。
とりわけ、東京大学名誉教授・医療国際大学大学院長の開原成允先生が、医療の国際化の喫緊の必要性を説かれて、経産省の支援の下に、がんセンターや東大・慶應義塾大学などの付属病院など都内の約10の病院がコンソーシアムを組んで、今秋に「国際医療サービス支援センター」設立を公表しておられる7月31日の日本経済新聞記事を見ていただければ
明らかです。
ここにおいて、医療通訳士への需要の高まりや大きさを皆さん方に声を大にして訴えたいと思います。


参考資料
亀田病院ご紹介

亀田総合病院は、亀田メディカルセンターの中核として機能する施設です。350年の歴史を持ち、千葉県南部の基幹病院として、優れた人材、高精度機器を導入・ 駆使し、急性期医療を担っており、集中治療部門(ICU、CCU、ECU、 NCU、NICU)を整備し急性期高度医療の提供に力を注いでいます。
また、診療部門も含めた医療サービス全般にわたるISO9001の認証や病院機能評価機構(一般病院種別B)の認定も受け、医療の質の向上に全力で取り組んでいます。
1995年より世界に先駆けて電子カルテシステムの本格運用を開始した実績を持ち中でも医療における徹底した情報活用を推進する国内でも希有の存在として知られています。
診療科目
31科
内科、心療内科、精神科、神経内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口くう外科
病床数
一般 865 床 (うち開放病床 30 床)/精神 60 床
救命救急センター併設(千葉県第3次救急指定)