友人と横浜でランチ。
イタリアンレストラン、隣の席に小学生の男の子を連れたお母さんが坐った。
メニューを手荒く取り、彼はふんぞり返るように椅子に座った。
「みっともないわよ、ちゃんと坐って」
彼は答えない。
「お母さんにも見せて」答えはない。
「何であなたとはちゃんと話せないの、もういいわよ」
お母さんはテーブルに顔を伏せた。
気になりながらも私の方は、お互いの近況を語り合う。
男の子はサッカーのユニフォーム姿、おおきなバッグを足元に転がしていた。
不機嫌なのは、試合の勝敗か?
そんなベタな判りやすい理由ではないことは見て取れた。
しばらくして親子の前に2皿のスパゲティが。
彼はナポリタン、お母さんはキノコのバターしょうゆ風味の和風味。
二人は無言でフォークを運ぶ。
「これおいしいよ、ちょっとたべる?」
お母さんが彼の顔をのぞき込む。
彼は目をむいて、体を大きく乗り出しフォークを差し出す。
「うめー!」
「交換しようか?」
お母さんは答えも待たずお皿を入れ変えた。
2口3口、彼はむさぼるようにスパゲティを食べたい。
そのスパゲティが半分ぐらいになった時、彼はその皿を母に戻した。
お母さんは微笑んでいた。
彼は相変らずだらしない姿勢で、でも顔をぐしゃっとして、笑った。
食っていいなー、すごいなー。
キットお腹がすきすぎていたのねー。
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