ブレス

2008-12-12 21:30:08 | ホラー&スリラー&サスペンス
「春夏秋冬そして春」「絶対の愛」のキム・ギドク監督、2007年の作品。台湾出身のチャン・チェンを主役の死刑囚に迎え、チア演じる夫に浮気をされ情緒不安定になっている主婦との、刑務所での不思議な逢瀬を描く。

妻子を殺し死刑囚となったその男は、刑務所内で何度か自殺未遂を繰り返していた。
その報道ニュースを見た、夫が浮気している主婦は、何かを感じたのか、その死刑囚に会いに行く。
そして過去の恋人だと身分を偽り、面会を果たすのだが、、、。

この突飛な設定は、きっと彼らの面会を許す刑務所の上官(監視カメラのモニターにうっすらと影のみ写る)がキム・ギドク監督本人であることからして、普通ありえなくても映画だからアリなのだという、監督の映画に対する考え方が象徴されているように感じる。

彼女は外に出られない男のために四季を届けようと、四季おりおりの壁紙と服、小物を用意し、歌を歌う。
その様子がなかなかエキセントリックで楽しい。
とくにしょっぱなの春の歌はいきなりポチッとミュージックスタートすると「ボン、ボン、ボン~♪」と大声で歌い出し、かなり体当たり的な演技です。

しかしながら、最後のオチはちょっと僕的には「?」な感じで、あと男を慕う別の囚人の存在の意味も「?」な感じで、もっとストーリー的にも完成度の高い映画にもできたろうに、なぜという意外さとあっけなさもある。

もしかすると監督にとって、映画とは自由で、自分が遊んで楽しんでなんぼ、ってところがあるのかな。

ちなみにほんとはカテゴライズするなら、「ヒューマンドラマ」とか「ラブストーリー」とかって感じになるんだろうけど、なんとなくハラハラして怖いイメージだったので、「サスペンス」にカテゴライズしてみました。


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