アキ・カウリスマキ監督、2006年の作品。「浮き雲」「過去のない男」に続く“敗者三部作”の最終章。
まぁ、先の2作は雰囲気は憶えていますが、
細かなところまで憶えていないので、
ちょっとはっきりとした比較はできないんですけど、
なんとなく一番トホホーと思わせられる作品にしあがったと思います。
まさに監督のねらい通りの出来でしょう。
舞台はフィンランドのヘルシンキ。
このたびのダメ男は、警備会 . . . 本文を読む
コーエン兄弟、2007年の作品。原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」。
舞台は80年代、テキサス。偶然に、銃撃戦が行われ死体が転がる麻薬取引現場を見つけたベトナム帰還兵モスは、200万ドルの入ったトランクを見つけ、危ないと知りつつも、それを持ち帰ってしまう。しかし彼は一つミスを犯し、正体がばれてしまう。彼はすぐに妻を実家に戻らせ、自分も金を持って逃走するものの、警官殺しの非情 . . . 本文を読む
「マグノリア」のポール・トーマス・アンダーソン監督が、2007年の作品。裸一貫で石油を掘り当て大金持ちとなったダニエル・プレインビューの過剰なる欲に突き動かされた人生を描く。主人公を演じるのはダニエル・デイ=ルイス。彼はこの役でアカデミー賞主演男優賞を受賞した。
いろいろな部分で、興味深い作品である。
まずやたら不安感をあおる効果音。
欲望とエゴの果てに何があるのか、テーマが石油だけに、
しょ . . . 本文を読む
女性ジャーナリスト・古居みずえ撮影・監督作品。2005年の作品。ガザ地区の難民キャンプで生まれ育った一人のパレスチナ人女性ガーダを被写体に、土地を追われ、戦火に生きるいのちの姿を描く。
1947年、イスラエル軍に土地や建物を破壊され、
ガーダの祖母らは自分たちの故郷を捨てた。
難民キャンプで生まれたガーダは故郷を知らない。
監督が初めてガーダと会ったのは1993年、ガーダは23歳だった。
被 . . . 本文を読む
ウディ・アレン監督、2003年の作品。日本での公開は前後ごちゃごちゃになったみたいだけど「メリンダとメリンダ」の1本前の作品になる。主演は「アメリカン・パイ」のジェイソン・ビッグスと「バッファロー'66」のクリスティーナ・リッチ。
マンハッタンに住む21歳の新進コメディ作家ジェリーは優しい性格だった。
作家になるくらいだから、きっちりアピールしたい個性や主張もある──。
でも優しい。
なぜか? . . . 本文を読む
04年に話題となった舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人』を原作に、「下妻物語」の中島哲也監督がCGを駆使して映画化したファンタジックコメディ。2008年の作品。
内容はクリスマスキャロル同様、
在るワガママな老人がある事件をきっかけに改心し、
ちょっといいことを成し遂げるというもの。
この作品の主人公・大貫は、事故で両親を失い、
自身も一日しか記憶ができない体になっ . . . 本文を読む
若杉公徳の同名ギャグマンガを映画化したもの。2008年の作品。
ストーリーは、おしゃれでポップなミュージシャンを目指し、九州から上京してた青年が、運命のいたずらにもデスメタル・バンド「デトロイト・メタル・シティ(DMC)」のカリスマ・ギターボーカルであるヨハネ・クラウザーII世として成功し支持されてしまうというもの。
「ホントはこんなことやりたくないのに~」と思いつつも、
内気な性格であるた . . . 本文を読む
インディアナ・ジョーンズ、19年ぶりの続編。この第4弾にて、主役のハリソン・フォードは御年66歳。2008年の作品。
米ソ冷戦下の1950年代が舞台。
今回彼らは、宇宙の神秘を解き明かす力を
秘めているという“クリスタル・スカル”をもって、
失われた黄金の都エルドラドーを目指す。
まぁ、もう二番煎じ、三番煎じといったところでしょうか。
ストーリーもイマイチ盛り上がりに欠け
(きっとアクション . . . 本文を読む
「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が、日本アニメ「マッハGoGoGo」を実写映画化した、2008年の作品。
ストーリーは天才レーサー、その名もスピード・レーサーが、
父の設計した「マッハ5」を駆り、
八百長や反則で株価を上げるために常勝しているチームのオーナーを、
知恵とパワーとテクニック、そして家族のチームワークでやりこめるというもの。
ストーリーや表現手法は、完全に子供向き。
イメー . . . 本文を読む
キャメロン・ディアスとアシュトン・カッチャーの共演のラブコメディ。原題は「WHAT HAPPENS IN VEGAS」。2007年の作品。
婚約を破棄されたキャリアウーマンの女性と、
父親の会社を解雇されたルーズな男。
そんな傷心し、うさをはらそうとベガスにやってきた男女が、
酒に酔いつぶれ、そのままの勢いで結婚してしまった。
翌日に酔いが覚め、事の重大さに気づいた二人は
結婚破棄ということで . . . 本文を読む
「萌の朱雀」「沙羅双樹」の河瀬直美監督、2007年の作品。舞台は奈良の田舎街、茶畑の近くに建つ農村家屋を使った認知症の老人介護施設。子供を亡くした女性介護士と、妻を亡くした認知症の男性の心の交流を描く。同年のカンヌ国際映画祭では審査員特別大賞を受賞した。
殯(もがり)とは、その語源が“喪(も)上がり”とされ、日本の古代に行なわれていた葬儀儀礼。敬う人の死を惜しみ偲ぶ時間、またその場所のこと。
. . . 本文を読む
ファッション・フォトグラファーとして活躍するショーン・エリスの長編初監督作品。2006年の作品。
原題は「CASHBACK」。
失恋の痛手から不眠症に陥った画家志望の青年、ベン。
結果的に1日の時間が8時間増えた彼は、もてあました時間をスーパーマーケットの夜間バイトに費やすことに。
「人々が寝ている時間に余った時間を売る──キャッシュバック(換金)だ」
2週間も眠れず、ボーッとする彼の時間は . . . 本文を読む
家族になめられ、自分たちもこのままでは少しヤバイと感じ始めている中年の同級生4人組が、チーム「WILD HOGS」(野生のイノシシ)をくんで、ハーレーでアメリカ横断する、ロードムービング・コメディ。2007年の作品。
いわゆる「ドタバタ」といった感じで、
好きあればドタバタネタを詰め込み、
その力技につい吹きだしてしまうような、そんな映画でしょうか。
(わざとらしく感動させるシーンを織り込むの . . . 本文を読む
ダーク・ファンタジー「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」(2004年)の続編。
前のおさらいをせずして見たので、
はじめちょっととまどいました。
人間の中に特殊な能力をもつ「異種」として目覚めるものがいて、
今まで彼らは光と闇のどちら側かに属することを自ら選び、対立してきた。
しかし、力が拮抗している分、その抗争の代償は大きく、
1000年前に休戦協定が結ばれる。
以来、それぞれ . . . 本文を読む
「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」のホイチョイ・プロダクションズが8年ぶりに手がけたSFコメディ。彼らの第1・2弾である前掲2作がちょうどバブル期。なんとなくこの事実に悲哀を感じるのは気のせいだろうか。
主演は広末涼子と阿部寛。
広末演じる真弓の母は日立の技術研究者であったが、
偶然に17年前に行けるタイムマシンを作ってしまう。
そして、日本経済崩壊の危機が迫る中、
財務省の . . . 本文を読む