「イカとクジラ」のノア・バームバック監督、2012年の作品。舞台はニューヨーク、ダンサーとしての成功を夢見て生き、女友達のソフィと過ごす時間が大好きな女子フランシス、27歳の物語。
タイトルを見て
なんとなくパリにやってきた外国人の女の子2人の話かなー、
なぞと完全に勘違いしておったのですが、
いつまでたっても舞台はニューヨーク。
タイトルは「フランス、ハァ!?」っていう意味ではなく、
フラ . . . 本文を読む
「Les Doigts croches」のケン・スコット監督、2011年の作品。かつて20代のときに精子提供をしたことがある主人公のダヴィッド、ある日、弁護士からそのときの提供で533人の子供ができ、その多数が父親に会いたいと裁判を起こそうとしているという報告を受ける。
ちなみにタイトルの「スターバック」とは人工授精により20万頭もの仔牛を残したカナダの種牛の名前から来ている。
フランスでは . . . 本文を読む
「ザ・セル」のターセム監督、2006年の作品。
時は1915年、
撮影中の事故で下半身不随になったスタントマンのロイが自らの死を望み、
オレンジの収穫中に木から落ちて腕を骨折して入院していた少女に、
山賊とその仲間たちの創作話を聞かせ興味を引き、
話の続きを聞きたければ、自分の頼みを聞いて欲しいと
医務室から睡眠薬をもってこさせようと試みる。。。
おとぎ話の世界を演出するのに、
世界24ヵ国 . . . 本文を読む
「ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラ監督、2010年の作品。
前作の「マリーアントワネット」からもう4年経つんですねー。
ほんと待ってました。待望の作品です。
ソフィア・コッポラは各作品でとても印象に残るシーンを必ず残してくれる。
「ロスト・イン・トランスレーション」なら
渋谷の交差点の巨大スクリーンに映し出される恐竜――。
今回の作品もそういえば、「ロスト・イン・トラン . . . 本文を読む
「パビリオン山椒魚」の冨永昌敬監督、2009年の作品。太宰治の同名小説を映画化したもの。
「やっとるか?」「やっとるぞ」
「がんばれよ」「よーしきた」
結核患者の療養所“健康道場”での合い言葉。
この耳に残るフレーズが耳に新鮮だということは、
おそらく僕は太宰のこの作品を読んではいないのだろう。
この作品のもつ空気はいい。
「新しい男」たるべくつとめる
主人公の“ひばり”青年の悲劇と滑 . . . 本文を読む
「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ監督、2008年の作品。
元ジャンキーのキムが施設を出て家族の元に帰ってきた。
出迎えは父と義理の母。
家に帰るとたくさんの人。
姉のレイチェルが結婚するため、その友人達が集まり大忙しだった。
結婚式は寿ぎの席だ。
しかしこの家族には悲しい思い出があった。
今はもういない弟のイーサン。
彼はラリッっているキムと一緒に遊んでいたとき、彼女の運転ミスで亡くなっ . . . 本文を読む
チェコのイジー・メンツェル監督、1985年の作品。
片田舎の小さな村に暮らす、のっぽで頭の弱い青年オチクと、仕事の相棒で父親代わりになっている太っちょのパヴェクを中心に、暖かくおだやかな日常、そして時々起こる村人達にとって珍事件、難事件をコミカルに描く。
まぁ、この作品ほど、観たあとに幸せな気分にさせられる作品はそうそうないのでしょうか。
チェコスロバキアはいまはチェコ共和国とスロバキア共 . . . 本文を読む
「二十才の微熱」「ハッシュ!」の橋口亮輔監督、2008年の作品。
「ハッシュ!」もかなり良かったけど、人に勧めるならこっちかなと久々の「オススメできる映画」にカテゴライズしました。
この監督はまじめで才能がありますねー。
原作・脚本・編集もされてるけど、90年代の象徴する事件群をスクロールさせつつ、10年間の一組の夫婦と家族の再生を描くというこの世界観は、なかなかもって90年代に大学生をしてい . . . 本文を読む
コマーシャル・フィルムの監督として活躍するクレイグ・ギレスピーの、事実上の映画監督デビュー作品。(雪待ちで撮影に時間がかかり、後発で撮ったビリー・ボブ・ソーントン主演の「Mr.ウッドコック -史上最悪の体育教師-」が先に公開されてしまった。まぁ、、、日本のこのサブタイトルが付いた状態だと、あまりデビュー作としたくないイメージですね。。。)
小さな田舎町。ある日、等身大のリアルドールが配達されてき . . . 本文を読む
ヴィム・ヴェンダース監督、1973年の作品。「まわり道」「さすらい」と続くロードムービー三部作の第1弾。主人公ドイツ人作家フィリップを演じるのはリュディガー・フォグラー。
ニューヨークを中心に仕事をしていた主人公フィリップは、アメリカを引き揚げドイツに帰ることになった。そして空港のチケット手配のさい、居合わせたドイツ人母子に親切にしたところ、母は伝言を残して消え、彼は少女アリスをアムステルダム . . . 本文を読む
ファッション・フォトグラファーとして活躍するショーン・エリスの長編初監督作品。2006年の作品。
原題は「CASHBACK」。
失恋の痛手から不眠症に陥った画家志望の青年、ベン。
結果的に1日の時間が8時間増えた彼は、もてあました時間をスーパーマーケットの夜間バイトに費やすことに。
「人々が寝ている時間に余った時間を売る──キャッシュバック(換金)だ」
2週間も眠れず、ボーッとする彼の時間は . . . 本文を読む
オーストリアのドキュメンタリー作家、ニコラウス・ゲイハルター監督、2007年の作品。英語のタイトルは「
OUR DAILY BREAD」。
僕らが口にしている食物……、
肉や魚、野菜、果物、調味料といろいろあるけれど、
いったいどういった過程で「作られている」のだろうか?
加工食品ならなんとなく切って炒めて煮て、、、なんてイメージがわく。
でも、魚や肉がスーパーのパッケージに詰められるまでには、 . . . 本文を読む
廣木隆一監督、2005年の作品。原作は、芥川賞作家・絲山秋子のデビュー作『イッツ・オンリー・トーク』。
主人公は、両親の死、友人の死をきっかけに
躁鬱病になってしまった35歳、独り身の女性・優子。
サイトで知り合った、「合意」痴漢の男と
蒲田で落ち合ったのときっかけに、
彼女曰く「粋のない下町」と形容するこの町が気に入り、
引っ越して住むようになった。
銭湯となりのアパート二階。
風呂なし(ホ . . . 本文を読む
『ガープの世界』『サイダーハウス・ルール』などの原作で知られるジョン・アーヴィングの小説『未亡人の一年』の前半部分を原作に映画化した作品。監督は新鋭トッド・ウィリアムズ。2004年の製作。
いいですね。あたかも評価はちょうど
『サイダーハウス・ルール』といったところでしょうか。
ほろ苦く切なくも、愛にあふれる佳作です。
2人の息子を事故で失った、
児童文学作家の夫とその妻の悲しみは深く、
事故 . . . 本文を読む