『恋人たち』(2015)
監督・脚本:橋口亮輔/出演:篠原篤、成嶋瞳子、池田良
2015年/日本/140分/ビスタ/5.1ch/配給:松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ
【作品概要】
不条理に満ちたこの世界を、それでも慈しみ肯定する―
今を生きるすべての人に贈る絶望と再生の物語。
通り魔殺人事件によって妻を失った男。退屈な日常に突如現れた男に心が揺れ動く主婦。同性愛者で、完璧主義のエリート弁護士。不器用だがひたむきに日々を生きる3人の“恋人たち”が、もがき苦しみながらも、人と人とのつながりをとおして、ありふれた日常のかけがえのなさに気づいていく姿を、『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』で知られる稀代の才能・橋口亮輔が、時折笑いをまじえながら繊細に丁寧に描きだす。(ユーロスペースHPより)
【感想レビュー】@theater
昨年、話題になっていたので気になっていた作品です
不条理に満ちた世界を描いているというだけあって、なかなかに抑圧された空気感…。じわじわと苦しくなっていきます。。
やり場のない怒りは、一体どこへ向かうのだろう。
妻を無差別殺人事件で亡くし、先の見えないやり場のない怒りに、打ちのめされている男性。
また、一見するとごく普通の家庭を築いているかのように見える夫婦の、ある種の不自由さ。姑と同居する嫁の蓄積していく不満。化粧っ気のない女性の渇いた日常と生々しい性。
また、身体と心の性が一致しておらず、自身がそうだと気付いた時から生じたある種の生きにくさを、エリートの仮面を被ることで抑圧してきた男性。(話し方がアンガールズの田中さんにちょっと似ていてツボだった…)
メインの3人だけでも、かなりお腹いっぱいの内容です
あぁ…だからこういう心の機微に目を向ける映画は苦手なのだ…そこに幸せはないのだから…と思いつつもスクリーンからは目が離せない。
何でしょうかね。。
なんか、セットといい、役者さんのあえてのだらしない身体つきといい、生々しい生活臭がしてきそうな描写といい、リアルな力強さがありました
音や声も生っぽくて、臨場感がありました。無名な俳優陣の存在感も光る。
お笑いで、いがちな人物を誇張して模倣するネタがありますが、そのさらに模倣のような演技があって、他がリアルだから、妙に浮くそのシーンの間はなんともいたたまれない。。浮いた存在にしたかったのかもしれないから、狙っているのかもしれない…
シュールで笑えるところがちょこちょこあるのだけど、劇場で笑っている人がいないので、なんとなく堪えるのが大変でした…
かなり現代社会を抉る内容でした。たくさんの登場人物の吹き溜まりのような日常が、ラストは少しずつ流れ始める。それはちょっと急な展開な気もしたけど、映画を終らせないとならないので、仕方ないのかな…と思いつつ。
みんながかなり吹き溜まっていたので、そこは、みんなしてきっと星のめぐりが悪かったのだな…と思うことにして…。
でも、首都高の下の川を船で行くくだりは、スムーズな流れを感じさせるもので、希望のあるラストで良かったと思いました
あ、それから光石さんと女性が鶏を原っぱで追うシーンはすっごい良かったです…‼あのシーンは展開も含め、音楽も、何もかもが震えるほど良かったです
監督・脚本:橋口亮輔/出演:篠原篤、成嶋瞳子、池田良
2015年/日本/140分/ビスタ/5.1ch/配給:松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ
【作品概要】
不条理に満ちたこの世界を、それでも慈しみ肯定する―
今を生きるすべての人に贈る絶望と再生の物語。
通り魔殺人事件によって妻を失った男。退屈な日常に突如現れた男に心が揺れ動く主婦。同性愛者で、完璧主義のエリート弁護士。不器用だがひたむきに日々を生きる3人の“恋人たち”が、もがき苦しみながらも、人と人とのつながりをとおして、ありふれた日常のかけがえのなさに気づいていく姿を、『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』で知られる稀代の才能・橋口亮輔が、時折笑いをまじえながら繊細に丁寧に描きだす。(ユーロスペースHPより)
【感想レビュー】@theater
昨年、話題になっていたので気になっていた作品です
不条理に満ちた世界を描いているというだけあって、なかなかに抑圧された空気感…。じわじわと苦しくなっていきます。。
やり場のない怒りは、一体どこへ向かうのだろう。
妻を無差別殺人事件で亡くし、先の見えないやり場のない怒りに、打ちのめされている男性。
また、一見するとごく普通の家庭を築いているかのように見える夫婦の、ある種の不自由さ。姑と同居する嫁の蓄積していく不満。化粧っ気のない女性の渇いた日常と生々しい性。
また、身体と心の性が一致しておらず、自身がそうだと気付いた時から生じたある種の生きにくさを、エリートの仮面を被ることで抑圧してきた男性。(話し方がアンガールズの田中さんにちょっと似ていてツボだった…)
メインの3人だけでも、かなりお腹いっぱいの内容です
あぁ…だからこういう心の機微に目を向ける映画は苦手なのだ…そこに幸せはないのだから…と思いつつもスクリーンからは目が離せない。
何でしょうかね。。
なんか、セットといい、役者さんのあえてのだらしない身体つきといい、生々しい生活臭がしてきそうな描写といい、リアルな力強さがありました
音や声も生っぽくて、臨場感がありました。無名な俳優陣の存在感も光る。
お笑いで、いがちな人物を誇張して模倣するネタがありますが、そのさらに模倣のような演技があって、他がリアルだから、妙に浮くそのシーンの間はなんともいたたまれない。。浮いた存在にしたかったのかもしれないから、狙っているのかもしれない…
シュールで笑えるところがちょこちょこあるのだけど、劇場で笑っている人がいないので、なんとなく堪えるのが大変でした…
かなり現代社会を抉る内容でした。たくさんの登場人物の吹き溜まりのような日常が、ラストは少しずつ流れ始める。それはちょっと急な展開な気もしたけど、映画を終らせないとならないので、仕方ないのかな…と思いつつ。
みんながかなり吹き溜まっていたので、そこは、みんなしてきっと星のめぐりが悪かったのだな…と思うことにして…。
でも、首都高の下の川を船で行くくだりは、スムーズな流れを感じさせるもので、希望のあるラストで良かったと思いました
あ、それから光石さんと女性が鶏を原っぱで追うシーンはすっごい良かったです…‼あのシーンは展開も含め、音楽も、何もかもが震えるほど良かったです