☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ヤンヤン 夏の想い出 』(2000)

2016年02月03日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ヤンヤン 夏の想い出 』(2000)

監督:楊徳昌(エドワード・ヤン)
呉念真(ウー・ニエンチェン)
金燕玲(エレイン・ジン)
張洋洋(ジョナサン・チャン)
李凱莉(ケリー・リー)
イッセー尾形

【作品概要】
少年ヤンヤンとその姉、母、父のそれぞれの苦悩を描いていく。生と死、愛を描いた作品。少年ヤンヤンとその姉、母、父のそれぞれの苦悩を描いていく。2000年の第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。

【感想レビュー】
173分…およそ3時間もある作品なのに、しかもDVDだから飽きたら止めてしまいそうなのに、一気に観ました

大きい事件という事件もない(隣家ではある…)家族の話。一緒に住む母方の祖母の自宅療養を機に、家族一人一人が自分と向き合い始める。向き合い過ぎることでかえって家族の歯車が崩れるって、家族あるあるな気が…

私自身、昨年の父方の祖母の死をきっかけに色々と思考がぐらぐらして、嫁の立場である母とちょっとした諍いをしてギクシャクしたり…大なり小なり、冠婚葬祭って親戚も含めて感情的になりがちで、ちょっとバランスが崩れるのかもしれない…

…なもので、なんだかスゥーッと引き込まれて観ました。淡々としているようで、映画の構造が複雑で、面白かったです。父の昔の恋が、娘や息子ヤンヤンの現在の恋と重なっていくくだりなんて、ものすごくシビれました


『真実の半分だけ知ることができる?』

ヤンヤンの父への質問。

ドキってする質問です
これが色々なエピソードに効いてくるのだけど。

ちょっと仏教の半眼の考え方を思い出しました。
驕り、はないだろうか。多くを望み過ぎてはいないだろうか…と、観た後にあれこれ考えさせられる映画で、沁みています

イッセー尾形さんの存在に抜け感があって、映画全体が息苦しくないのも素敵でした