かけっこ倶楽部

ランニングを楽しむ仲間のぶろぐ

ホノルルマラソン楽走記 (TH)

2007-12-17 23:59:59 | サブ3倶楽部

 楽しかったホノルルマラソンから、早くも1週間が経とうとしています。これから、参加者それぞれの視点、それぞれの想いからレポートがあると思いますので、まずは私が先陣を切り、題して「ホノルルマラソン楽走記」です。

 【スタート前】午前2時起床、外は真っ暗で、遠くに見える道路はかなり濡れているのが判る。朝食はKappaさん特製の「あんころ餅」を腹いっぱい食べる。これで、昨日の夕食の大盛スパゲッティと併せて、カーボローディングは万全。午前3時半、宿舎を出てカピオラニ公園のバス乗り場へ。このころから、雨が激しく降り出し、アラモアナ公園に着いても雨足は衰えない。4人とも、100円ショップで買った雨合羽や金曜日のルアウで貰ったポンチョなどで完全武装。雨具を持たないランナーは、スタート待ちの間に相当体力を奪われたはずだから、今後もホノルルに雨具は必須だね。

 【最初の5マイル】午前5時、豪雨の中スタートの号砲、続いて打ち上げられるたくさんの花火、本来なら一番盛り上がる時だが豪雨と寒さでそれどころではない。なぜか、<2 – 3 Hours>と書かれたゾーンに並んでしまったので、1分もかからずスタートラインを越えた。まず、待ち切れないように、Kappaさんが飛び出す。昨夜、あんなに「前半は抑えて!」と言っておいたのを忘れたのだろうか?続いて、TMさんも軽やかにあとを追う。メタシンさんと私は、キロ6分半ペースでしばらく並走。この区間は、ホノルルダウンタウンからワイキキの街中を走る。時節柄、クリスマス・イルミネーションがきれいなので、この区間は余り急がず、景色を楽しみながらゆっくりペースを整えるのが良い。カラカウア大通りに入ると、まだ暗いのに応援がものすごい。もちろんそのほとんどが日本人。5マイル通過が約52分、ぴったりキロ6分半のペース。雨も小降りになってきた。

 【2つ目の5マイル】喧騒のワイキキを離れ、大きくカピオラニ公園を迂回すると、7マイル地点からダイアモンドヘッドの登り坂に入る。さっきまで並走していたメタシンさんとは、このあたりで逸れてしまった。かなり、息が荒かったので心配だが、健闘を祈るのみ。さすがにまだ歩いている人はほとんどいないが、この1キロほどの登り坂でスピードはぐっと落ちる。天気の良い日だと、頂上地点でそろそろ日の出の兆候があるのだが、この日は真っ暗、期待していた海も見えない。少しペースを上げながら、カラニアナオレ・ハイウェイ入り口に向かう。この5マイルは約50分を要したが、長い上り坂を考慮すれば、かなり良いペースではある。

 【3つ目の5マイル】空も少しずつ明るくなってきた。10マイル地点を少し過ぎたあたりの住宅街にエイドステーションがあり、ここで給水とトイレ休憩、数分ロスしたが誤差のうちだ。11マイル地点からは、約4マイルにわたり、単調なカラニアナオレ・ハイウェイを走る。すでにトップランナー集団は折り返し点を過ぎ、対向車線を猛スピードでゴールへ帰って行く。日本人と思われる女性ランナーとすれ違うと、つい大声で応援してしまう。途中、中間点の13.1マイルを約2時間13分で通過、キロ平均6分20秒、ほぼ想定どおりのタイムだ。そして予定通り、ここからキロ5分30秒にペースアップする。そろそろ歩いている人も多く、面白いようにたくさんのランナーを追い抜ける。この5マイルは、ほぼ47分半で通過。雨もほとんど気にならない。

 【4つ目の5マイル」15マイル地点を左折し、ハワイカイの閑静な住宅街に入る。そこで、遥か前方にあのTMさんらしき後姿を発見、嬉しかったね!しばらく走って、ゆっくり追い越しざま声をかけると、「もうだめだ、先に行ってよー」と言う、かなり疲れている様子だから「5時間はかかるかな?」と判断、「お先にー」と、そこから更にペースアップ、一気に引き離しにかかる。気の毒だが、勝負の世界は厳しいのだ!そして2マイルほど快調に走って、17マイル地点の給水所で立ち止まると、なんとあの脱落したはずのTMさんがニコニコしながらすぐ後ろに付いて来ているのだから、本当に吃驚した。「10月の走りこみ大会で、600キロを走破したのは、このためだったんだな」と妙に感心しながら、そこからしばらく並走。この5マイルは、44分ちょっとで走りきったが、正直かなり疲れた。

 【5つ目の5マイル】20マイル地点は、カラニアナオレ・ハイウェイのほぼ中間点、おそらくこのあたりで「とぼとぼ歩いている、傷心のKappaさん」を追い抜いたはずだが、TMさんとの激しい駆け引きに忙しく全く気付かず、実に惜しいことをした。そうこうしているうちに、徐々にTMさんの気配もなくなり、やっと引き離したかと一安心。22マイル地点でハイウェイを降り、カハラの高級住宅街へ入る。このあたりに、大音響を響かせるバンド演奏があり、うるさいけどそれなりに元気付けられた。また、ここでは、道路上に張り出したクレーンに乗ったカメラマンが数人、上の方からわれわれの勇姿を撮ってくれている。精一杯の笑顔で応えよう。雨は完全に上がり、少し日差しが出てきた。この区間の後半、カハラからダイアモンドヘッドまでのだらだらとした上り坂では、全くスピードが上がらない。突然、前を走っていたランナーの足がもつれてバッタと倒れ動けない様子。心配だったが、近くにいた警官に声をかけ、ゴールへ急ぐ。数分後、救急車のサイレンが鳴り、ひたすらあのランナーの無事を祈った。コース最終盤にあるこの坂は、いつ走ってもきつい。25マイル地点は、ダイアモンドヘッドの上り坂を登りきった直後にある。あとは、一気にゴールを目指すのみ。この5マイルは、結局47分ほどかかった。

 【残りの1.2マイル】あと1マイルでゴールと思うと、なんとなく急いで走るのが勿体ない気分になる。カピオラニ公園に入ってからは、ぐっとスピードを落とし、観衆に笑顔を振りまき、時々後を振り返ってTMさんに抜かれないように気をつけながら、ゆっくりとゴールに向かう。そして、フィニッシュラインの時計は4時間12分40秒を示していた、と思う。恥ずかしながら、フィニッシュラインでストップウォッチを押し忘れたのだ。おそらくネットで4時間12分を少し切ったところ、とすれば、実に正確にキロ6分で走りきったことになる。 以下は、ご参考までに「5マイルごとのラップタイム」、ほぼ想定どおりのペース配分となった。

  1.  0- 5マイル   51分53秒
  2.  5-10マイル    50分01秒
  3. 10-15マイル    47分33秒
  4. 15-20マイル    44分15秒
  5. 20-25マイル    47分08秒
  6. 25-26.2マイル   11分10秒

 【フィニッシュのあと】しばらく待っていたら、10分ほど遅れてTMさんが元気でフィニッシュ。大変な、驚くべき粘りだ。2人で完走Tシャツを貰い、先にフィニッシュしたはずのKappaさんを探すが見つからない。そのころKappaさんが必死でカハラの住宅街を歩いていたとも知らずに「Kappaさんも、冷たい人だねー。われわれを待っててくれないなんてねー」と本気でぼやく。そして、日差しの強くなったカラカウア大通りのぬくもりを楽しみながら、ゆっくり歩いて、冷えたビールの待っている宿舎へ向かう。今が、一番心の休まるときだ。