いや~、生まれて初めて「フライングゲット」なるものをやってしまいました(笑)。
昨日のブログで、「無口なライオン」MVの監督は、岩井俊二氏ではないだろうか?、と書いたため、9枚目「夏のFree&Easy」が気になって、気になって。
発売日の前日に、CDショップの店頭に並ぶという噂を聞いたことがあって(笑)、昼過ぎ、少し時間が出来たので駅前の「新星堂」へ行ってみました。
ところが、アイドルコーナーにAKB48の「ラブラドール・レトリバー」は並んでいいるものの、「夏のFree&Easy」は影も形もない。
ん~、やはり明日にならないと出てこないんだ、まあ、当たり前か、と帰ろうとしたんですが、隣町の百貨店みたいなスーパー最上階にもっと大きな「新星堂」があったのを思い出した。
車ならさほど時間は掛からないので、ダメ元で見るだけ見て行こうと、そのまま向かってみたんですね。
その店も、やはりアイドルコーナーはAKB48が主流で、乃木坂は「Birthday Live」のDVDが「2ND YEAR」と「1ST YEAR」しか置いてないように見えた。
店員に訊ねれば早いんですが、最初の店も、ここも、昼日中に、いい年のおじさんが「あの、ですね、乃木坂46の、な、なつのですね・・・」と言い出すのは、なかなか気が進まない(笑)。
新曲のフライングゲットは、どこか都心部にある、ごく一部の店での話で、普通は、乃木坂のCDそのものがあまり置かれてないんだと、やや寂しい気分で店を出て、ふと振り返ってみた。
するとなんと、店の入り口に「ニューリリース」の棚があり、なーちゃんがヘビメタライブのファンみたいに御神輿されている、例のジャケット写真が引き伸ばされて置かれている。
何でしょう、外国で久しぶりに日本人に会ったような、この感動は(笑)。
おお~、あるじゃないかと、喜んだのも束の間、写真の横、CDが陳列されているべき場所は空っぽで、何も置かれていない。
そのまま立ち尽くしながら、すぐ左にあるレジへ向かって、チラチラと目線を送るんだけど、カウンターにいる二人の店員は、一人の客が延々と繰り出す音楽談義をどう終わらせるかに集中していて(笑)、全然、気づいてくれない。
さすがに、ここで帰るわけにいかないので、「ニューリリース」コーナーを指しながら、意を決して「あの~、これなんですが」と、話しかけてみたら、人の良さそうな男性店員がやって来た。
「乃木坂の新譜って、明日にならないと並ばないんでしょうか?」と訊ねると、何か重大な問題の核心にいきなり触れられたかのように、一瞬「おおーー」という表情をして、やや慌て気味で、
「ちょっ、ちょっと、お待ち下さい」。
ひょっとして、シングルの前日発売って、ハリーポッター並にヤバいことで、「フライングゲット」って闇取引きなのか?と思いたくなる風情で(笑)、レジ脇の段ボールをごそごそ探し始めた。
覗いてみると、何とあるじゃないですか、「夏のFree&Easy」が何枚も。
これはラッキー、ここまで来た甲斐があったと思ったら、店員から、衝撃の一言が。
「あの~、タイプBがですね、予約のお客様分しかなくて」
「えーーーーー!、Bがない?」
こちらの激しいリアクションに驚いたのか、
「はっ、はい、すいません、大変に人気のあるグループでございまして、予約の方が・・・」
もっ、もちろん知ってますよ、前作は店頭で11万8千枚売っていて、オリコン初動は45万8千枚ですよ、まあ、握手効果ってやつが入っているので、楽曲のヒットと言えるかどうかは、また別の議論になっちゃうんだけど、
という文章が頭に出てきたけど、さすがに口には出さずに、ヘラヘラ笑いながら、「そうですか~、ないんだ~」と返しただけっす(笑)。
でも、見たところAとCはそれぞれ十枚近く段ボールに入っているのに、Bだけないなんて、「無口なライオン」、めちゃめちゃ人気なんじゃないのかと、残念な中にも、嬉しさがこみ上げてきて、結局、AとCの初回限定盤と通常盤を、ガチの定価で買ってしまいました。
しかし、タイプBを手に入れないと、「無口なライオン」MVの監督が確認出来ないという無念さが募ってきて、お金を払いながら、「別の新星堂に行けば、Bがあったりしますかね?」と思わず言葉が出てしまいました。
すると、あなたの熱いお気持ち、しっかりと受け止めましたよ、ってな決然たる眼差しでこちらを見つめながら、「もちろん可能性はございます、近くにも店はございますし、吉祥寺店まで行けば多分」。
吉祥寺は二駅も離れていて、そんな車の停めにくい大都会にタイプBだけを買いにいくのも、時間もあれだし、と迷っていると、
「こいつは確実に行くな、ジョージに」
と思われたのか、
「お客様、もし宜しければ、私が電話して予約をおとり致しますが。何と言っても人気のある方々で、その方が間違いないですよ」。
乃木坂を人気グループと言われると、こんなに嬉しいものだとは思わなかった。
何だか顔がほころんで「そうですか~、予約ね~」なんて表情になってたんでしょう、「予約、予約」としきりに勧めてくる。
さすがに、そこまでは良いですよ、僕は通りすがりのライトファンなんで、といった気持ちで、何とか店員の「予約」攻撃をかわして店を出たんですが、ひょっとして、新星堂では、予約客を見つけると、何かマージンでも入るんでしょうか(笑)。
車に戻ってスーパーの駐車場を出て、「さあ戻らないと、時間が」と運転していたけど、本来、横切るべき井の頭通りで、勝手に腕がハンドルを回して、右折で入っちゃった(笑)。
あの店員に見透かされたように、「これは行くしかないな、吉祥寺」という気分で、「オレはライトファンではなく、かなり重症なコアファンかもしれない」と真剣に悩みつつ、結局、吉祥寺駅近く、五日市街道沿いの駐車場にピットインです(笑)。
最初、ごく近所の店に行くだけのつもりだったので、ジャケットなどは羽織らず、ごくラフな格好で、つまり全然イケテナイ出で立ちで、住んでみたい街ランキングで常に上位に入る、おしゃれなジョージをとぼとぼ歩くはめに。
吉祥寺は、本当に歩いている人みんなオシャレなので、私の生活圏のように、ぶらぶら歩いていると、知らず知らずの間に、東京と埼玉の県境を何度も横切っているカジュアルな街とは違った、ワンランク上のファッション的気合いが必要なんですね(笑)。
大学生活のため上京した直後、見事に穴の空いたジーパンで吉祥寺を歩いて、生まれて初めて「少し、着るものは気をつけた方がいいな」と思った時以来の、何だか恥ずかしい気分で、タイプBを求めて、その当時「ロンロン」と呼んでいた「アトレ」の新星堂へ。
実は、大学時代、吉祥寺が乗り換え駅だったので、この新星堂はよく行ったことがあって、JR改札すぐの場所から、奥に移転してたけど、同じフロアにあって、すぐに分かりました。
先ほどの妙に熱いやり取りの余韻が残っていて、店に入るなり、近くにいた若い女性店員に、「乃木坂46の新譜って、置いてますか?」と勢い込んで訊ねたら、ジロっとこちらを一瞥する感じで、
「これです」。
何と、我々の立っているすぐ横に、乃木坂コーナーが設置してあって、AとCが、縦置きで8枚くらいずつ並んでいる。
ああ、忙しいのに申し訳ないっす、すぐ目の前にあたったのねと、ビジネスライクな応対にやや凹みながらも、Bは大丈夫か?と目線を移すと、Bも同じようにたくさん並んでいて、燦然と輝きを放っている(笑)。
そのまま、遂にフライングゲットです。
ヨドバシカメラ向かいのスターバックスに入り、さっそくBを開封してみました。
何でしょう、腕でCDを覆って、周りのお客さんから、なるべく見えないようにしながら、開封しようとするこの心理は(笑)。
で、「無口なライオン」MVの制作陣を見てみると、監督は、岩井俊二氏ではなく、湯浅弘章氏でした。
7枚目「バレッタ」で伊藤万理華の個人PV「万理華」を担当した方ですね。
また、5枚目「君の名は希望」では、橋本奈々未の個人PV「拝啓、橋本奈々未様」を手掛けています。
湯浅氏が乃木坂のMVを撮るのは、多分初めてじゃないでしょうか。
夏休み中の突然の転校、三角関係、大人への抵抗など、「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」と設定が近かったので、「無口なライオン」MVの監督は、岩井俊二氏あるいは一緒に仕事をしてきた方と考えたのですが、全然、違うようです。
もしストーリーやイメージに類似性があるのだとすれば、それはオマージュということですね。
あるいは、思春期にある少女たちの物語を描くと、少なからぬ人が、岩井俊二氏の世界を思い出すのかもしれません。
一種の「原型」となってしまうほど、岩井氏の作り上げたものが素晴らしく、鮮やかであったのだと思います。
上に挙げた二つの個人PVは、とても好きな作品なんですが、「無口なライオン」MVの物語とは、かなりテイストが異なっています。
また、押井守氏とともに作品を手掛けてきたことからも、湯浅弘章さんには、こういったMVを撮るイメージはあまりないんですが、どうなんでしょう。
ただ、今回は、TypeA収録の「その先の出口」MVが、女同士のストレートな「バトル」だったので、それと全く雰囲気の異なるMVとして、岩井俊二風の繊細な少女物語となったのかもしれません。
自分の得意分野とは異なるイメージ世界を求められて、「無口なライオン」MVが誕生したのだとすれば、プロとして、さすがの腕前だと思います。
「無口なライオン」MVの監督としては、岩井俊二氏の他に、山戸結希さんという若い女性クリエーターの名前も挙がっていました。
「あの娘が海辺で踊ってる」(2012)で鮮烈なデビューを飾った新進気鋭の監督で、「天才」という言葉が出てくるほど、非常に評価が高いですね。
私は、山戸さんのことを知らなかったのですが、今回の「無口なライオン」MVの監督予想を通して、名前を見つけ、ぜひ作品を見てみたいと思っています。
予想は外れたけど、色んなクリエーターのことを知ることが出来たし、小粋なフライングゲット体験もあって(笑)、9枚目シングルで、ちょっと幸せな時間を過ごせました。
まあ、水曜日にはオリコン初日の売り上げ枚数が出て、一気に現実に引き戻されますが、それとは別に、初回限定盤の個人PVやMVをゆっくり楽しみたいです。
正式な情報が手に入ったので、9枚目に関して、以下にまとめておきました。
またハンドブックの方にも、最新の楽曲情報を反映させています。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Jun14 ~ シングル収録全曲の簡易ハンドブック
# MVのある曲は、曲名をクリックすると、YouTubeの動画が始まります。音声などにご注意下さい。
9枚目 (発売2014/07/09)「夏のFree&Easy」
全曲の作詞:秋元康
A0 夏のFree&Easy
作曲:井上トモノリ
編曲:橋本幸太
参加メンバー:選抜全員 (17人)
松井玲奈、白石麻衣、西野七瀬(センター)、橋本奈々未、松村沙友理、若月佑美、秋元真夏、桜井玲香、深川麻衣、生駒里奈、衛藤美彩、井上小百合、斉藤優里、星野みなみ、大和里菜、堀未央奈、高山一実
MV監督:丸山健志
A1 何もできずにそばにいる
作曲:角野寿和
編曲:京田誠一
参加メンバー:選抜全員 (17人)
松井玲奈、白石麻衣、西野七瀬、橋本奈々未、松村沙友理、若月佑美、秋元真夏、桜井玲香、深川麻衣、生駒里奈、衛藤美彩、井上小百合、斉藤優里、星野みなみ、大和里菜、堀未央奈、高山一実
A2 その先の出口
作曲:Carlos K.
編曲:Carlos K.
参加メンバー:選抜の一部 (9人)
白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理、深川麻衣、秋元真夏、高山一実、衛藤美彩、大和里菜、松井玲奈
MV監督:中村太洸
B 無口なライオン
作曲:Shusui、ヒロイズム
編曲:Shusui、ヒロイズム
参加メンバー:選抜の一部 (8人)
西野七瀬、生駒里奈、桜井玲香、若月佑美、星野みなみ、井上小百合、斉藤優里、堀未央奈
MV監督:湯浅弘章
C* ここにいる理由
作曲:長谷川湊
編曲:Carlos K.
参加メンバー:アンダー全員 (16人)
中田花奈、市來玲奈、伊藤万理華(センター)、齋藤飛鳥、能條愛未、川村真洋、永島聖羅、畠中清羅、伊藤寧々、中元日芽香、北野日奈子、樋口日奈、和田まあや、川後陽菜、斎藤ちはる、新内眞衣
MV監督:近藤大介
D 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
作曲:中土智博
編曲:中土智博
参加メンバー:選抜の一部+アンダーの一部 (7人)
西野七瀬、桜井玲香、若月佑美、井上小百合、斉藤優里、伊藤万理華、中田花奈
シングル参加人数:33人 {選抜17人(1期15人2期1人兼任1人)+アンダー16人(1期14人2期2人)}
シングル構成:SSUsUsAUsa
最後までよく分からなかった共通カップリング曲「何もできずにそばにいる」は、「ガールズルール」と同じ角野寿和氏の作曲でした。
また、歌唱メンバーは選抜全員で、9枚目のシングル構成は「SSUsUsAUsa」でした。
嬉しかったのは、アンダー曲「ここにいる理由」の歌唱メンバーに市來玲奈が入っていたことです。
MVには出ていたけど、CDに名前が載ったのは、最後の作品として、大きな意味があると思います。
市來さんにとって、苦しいことも多かった一年だったと思うけど、乃木坂とがっぷり組み合って、懸命に頑張ってきた日々は、今、彼女が考えているより遥かに大きなものを、彼女に残したと思います。
「ここにいる理由」の歌唱メンバー欄に刻まれた「市來玲奈」という名前を、大きな誇りにして、次のステップに勇躍、進んで下さいませ。
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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています
昨日のブログで、「無口なライオン」MVの監督は、岩井俊二氏ではないだろうか?、と書いたため、9枚目「夏のFree&Easy」が気になって、気になって。
発売日の前日に、CDショップの店頭に並ぶという噂を聞いたことがあって(笑)、昼過ぎ、少し時間が出来たので駅前の「新星堂」へ行ってみました。
ところが、アイドルコーナーにAKB48の「ラブラドール・レトリバー」は並んでいいるものの、「夏のFree&Easy」は影も形もない。
ん~、やはり明日にならないと出てこないんだ、まあ、当たり前か、と帰ろうとしたんですが、隣町の百貨店みたいなスーパー最上階にもっと大きな「新星堂」があったのを思い出した。
車ならさほど時間は掛からないので、ダメ元で見るだけ見て行こうと、そのまま向かってみたんですね。
その店も、やはりアイドルコーナーはAKB48が主流で、乃木坂は「Birthday Live」のDVDが「2ND YEAR」と「1ST YEAR」しか置いてないように見えた。
店員に訊ねれば早いんですが、最初の店も、ここも、昼日中に、いい年のおじさんが「あの、ですね、乃木坂46の、な、なつのですね・・・」と言い出すのは、なかなか気が進まない(笑)。
新曲のフライングゲットは、どこか都心部にある、ごく一部の店での話で、普通は、乃木坂のCDそのものがあまり置かれてないんだと、やや寂しい気分で店を出て、ふと振り返ってみた。
するとなんと、店の入り口に「ニューリリース」の棚があり、なーちゃんがヘビメタライブのファンみたいに御神輿されている、例のジャケット写真が引き伸ばされて置かれている。
何でしょう、外国で久しぶりに日本人に会ったような、この感動は(笑)。
おお~、あるじゃないかと、喜んだのも束の間、写真の横、CDが陳列されているべき場所は空っぽで、何も置かれていない。
そのまま立ち尽くしながら、すぐ左にあるレジへ向かって、チラチラと目線を送るんだけど、カウンターにいる二人の店員は、一人の客が延々と繰り出す音楽談義をどう終わらせるかに集中していて(笑)、全然、気づいてくれない。
さすがに、ここで帰るわけにいかないので、「ニューリリース」コーナーを指しながら、意を決して「あの~、これなんですが」と、話しかけてみたら、人の良さそうな男性店員がやって来た。
「乃木坂の新譜って、明日にならないと並ばないんでしょうか?」と訊ねると、何か重大な問題の核心にいきなり触れられたかのように、一瞬「おおーー」という表情をして、やや慌て気味で、
「ちょっ、ちょっと、お待ち下さい」。
ひょっとして、シングルの前日発売って、ハリーポッター並にヤバいことで、「フライングゲット」って闇取引きなのか?と思いたくなる風情で(笑)、レジ脇の段ボールをごそごそ探し始めた。
覗いてみると、何とあるじゃないですか、「夏のFree&Easy」が何枚も。
これはラッキー、ここまで来た甲斐があったと思ったら、店員から、衝撃の一言が。
「あの~、タイプBがですね、予約のお客様分しかなくて」
「えーーーーー!、Bがない?」
こちらの激しいリアクションに驚いたのか、
「はっ、はい、すいません、大変に人気のあるグループでございまして、予約の方が・・・」
もっ、もちろん知ってますよ、前作は店頭で11万8千枚売っていて、オリコン初動は45万8千枚ですよ、まあ、握手効果ってやつが入っているので、楽曲のヒットと言えるかどうかは、また別の議論になっちゃうんだけど、
という文章が頭に出てきたけど、さすがに口には出さずに、ヘラヘラ笑いながら、「そうですか~、ないんだ~」と返しただけっす(笑)。
でも、見たところAとCはそれぞれ十枚近く段ボールに入っているのに、Bだけないなんて、「無口なライオン」、めちゃめちゃ人気なんじゃないのかと、残念な中にも、嬉しさがこみ上げてきて、結局、AとCの初回限定盤と通常盤を、ガチの定価で買ってしまいました。
しかし、タイプBを手に入れないと、「無口なライオン」MVの監督が確認出来ないという無念さが募ってきて、お金を払いながら、「別の新星堂に行けば、Bがあったりしますかね?」と思わず言葉が出てしまいました。
すると、あなたの熱いお気持ち、しっかりと受け止めましたよ、ってな決然たる眼差しでこちらを見つめながら、「もちろん可能性はございます、近くにも店はございますし、吉祥寺店まで行けば多分」。
吉祥寺は二駅も離れていて、そんな車の停めにくい大都会にタイプBだけを買いにいくのも、時間もあれだし、と迷っていると、
「こいつは確実に行くな、ジョージに」
と思われたのか、
「お客様、もし宜しければ、私が電話して予約をおとり致しますが。何と言っても人気のある方々で、その方が間違いないですよ」。
乃木坂を人気グループと言われると、こんなに嬉しいものだとは思わなかった。
何だか顔がほころんで「そうですか~、予約ね~」なんて表情になってたんでしょう、「予約、予約」としきりに勧めてくる。
さすがに、そこまでは良いですよ、僕は通りすがりのライトファンなんで、といった気持ちで、何とか店員の「予約」攻撃をかわして店を出たんですが、ひょっとして、新星堂では、予約客を見つけると、何かマージンでも入るんでしょうか(笑)。
車に戻ってスーパーの駐車場を出て、「さあ戻らないと、時間が」と運転していたけど、本来、横切るべき井の頭通りで、勝手に腕がハンドルを回して、右折で入っちゃった(笑)。
あの店員に見透かされたように、「これは行くしかないな、吉祥寺」という気分で、「オレはライトファンではなく、かなり重症なコアファンかもしれない」と真剣に悩みつつ、結局、吉祥寺駅近く、五日市街道沿いの駐車場にピットインです(笑)。
最初、ごく近所の店に行くだけのつもりだったので、ジャケットなどは羽織らず、ごくラフな格好で、つまり全然イケテナイ出で立ちで、住んでみたい街ランキングで常に上位に入る、おしゃれなジョージをとぼとぼ歩くはめに。
吉祥寺は、本当に歩いている人みんなオシャレなので、私の生活圏のように、ぶらぶら歩いていると、知らず知らずの間に、東京と埼玉の県境を何度も横切っているカジュアルな街とは違った、ワンランク上のファッション的気合いが必要なんですね(笑)。
大学生活のため上京した直後、見事に穴の空いたジーパンで吉祥寺を歩いて、生まれて初めて「少し、着るものは気をつけた方がいいな」と思った時以来の、何だか恥ずかしい気分で、タイプBを求めて、その当時「ロンロン」と呼んでいた「アトレ」の新星堂へ。
実は、大学時代、吉祥寺が乗り換え駅だったので、この新星堂はよく行ったことがあって、JR改札すぐの場所から、奥に移転してたけど、同じフロアにあって、すぐに分かりました。
先ほどの妙に熱いやり取りの余韻が残っていて、店に入るなり、近くにいた若い女性店員に、「乃木坂46の新譜って、置いてますか?」と勢い込んで訊ねたら、ジロっとこちらを一瞥する感じで、
「これです」。
何と、我々の立っているすぐ横に、乃木坂コーナーが設置してあって、AとCが、縦置きで8枚くらいずつ並んでいる。
ああ、忙しいのに申し訳ないっす、すぐ目の前にあたったのねと、ビジネスライクな応対にやや凹みながらも、Bは大丈夫か?と目線を移すと、Bも同じようにたくさん並んでいて、燦然と輝きを放っている(笑)。
そのまま、遂にフライングゲットです。
ヨドバシカメラ向かいのスターバックスに入り、さっそくBを開封してみました。
何でしょう、腕でCDを覆って、周りのお客さんから、なるべく見えないようにしながら、開封しようとするこの心理は(笑)。
で、「無口なライオン」MVの制作陣を見てみると、監督は、岩井俊二氏ではなく、湯浅弘章氏でした。
7枚目「バレッタ」で伊藤万理華の個人PV「万理華」を担当した方ですね。
また、5枚目「君の名は希望」では、橋本奈々未の個人PV「拝啓、橋本奈々未様」を手掛けています。
湯浅氏が乃木坂のMVを撮るのは、多分初めてじゃないでしょうか。
夏休み中の突然の転校、三角関係、大人への抵抗など、「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」と設定が近かったので、「無口なライオン」MVの監督は、岩井俊二氏あるいは一緒に仕事をしてきた方と考えたのですが、全然、違うようです。
もしストーリーやイメージに類似性があるのだとすれば、それはオマージュということですね。
あるいは、思春期にある少女たちの物語を描くと、少なからぬ人が、岩井俊二氏の世界を思い出すのかもしれません。
一種の「原型」となってしまうほど、岩井氏の作り上げたものが素晴らしく、鮮やかであったのだと思います。
上に挙げた二つの個人PVは、とても好きな作品なんですが、「無口なライオン」MVの物語とは、かなりテイストが異なっています。
また、押井守氏とともに作品を手掛けてきたことからも、湯浅弘章さんには、こういったMVを撮るイメージはあまりないんですが、どうなんでしょう。
ただ、今回は、TypeA収録の「その先の出口」MVが、女同士のストレートな「バトル」だったので、それと全く雰囲気の異なるMVとして、岩井俊二風の繊細な少女物語となったのかもしれません。
自分の得意分野とは異なるイメージ世界を求められて、「無口なライオン」MVが誕生したのだとすれば、プロとして、さすがの腕前だと思います。
「無口なライオン」MVの監督としては、岩井俊二氏の他に、山戸結希さんという若い女性クリエーターの名前も挙がっていました。
「あの娘が海辺で踊ってる」(2012)で鮮烈なデビューを飾った新進気鋭の監督で、「天才」という言葉が出てくるほど、非常に評価が高いですね。
私は、山戸さんのことを知らなかったのですが、今回の「無口なライオン」MVの監督予想を通して、名前を見つけ、ぜひ作品を見てみたいと思っています。
予想は外れたけど、色んなクリエーターのことを知ることが出来たし、小粋なフライングゲット体験もあって(笑)、9枚目シングルで、ちょっと幸せな時間を過ごせました。
まあ、水曜日にはオリコン初日の売り上げ枚数が出て、一気に現実に引き戻されますが、それとは別に、初回限定盤の個人PVやMVをゆっくり楽しみたいです。
正式な情報が手に入ったので、9枚目に関して、以下にまとめておきました。
またハンドブックの方にも、最新の楽曲情報を反映させています。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 24Jun14 ~ シングル収録全曲の簡易ハンドブック
# MVのある曲は、曲名をクリックすると、YouTubeの動画が始まります。音声などにご注意下さい。
9枚目 (発売2014/07/09)「夏のFree&Easy」
全曲の作詞:秋元康
A0 夏のFree&Easy
作曲:井上トモノリ
編曲:橋本幸太
参加メンバー:選抜全員 (17人)
松井玲奈、白石麻衣、西野七瀬(センター)、橋本奈々未、松村沙友理、若月佑美、秋元真夏、桜井玲香、深川麻衣、生駒里奈、衛藤美彩、井上小百合、斉藤優里、星野みなみ、大和里菜、堀未央奈、高山一実
MV監督:丸山健志
A1 何もできずにそばにいる
作曲:角野寿和
編曲:京田誠一
参加メンバー:選抜全員 (17人)
松井玲奈、白石麻衣、西野七瀬、橋本奈々未、松村沙友理、若月佑美、秋元真夏、桜井玲香、深川麻衣、生駒里奈、衛藤美彩、井上小百合、斉藤優里、星野みなみ、大和里菜、堀未央奈、高山一実
A2 その先の出口
作曲:Carlos K.
編曲:Carlos K.
参加メンバー:選抜の一部 (9人)
白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友理、深川麻衣、秋元真夏、高山一実、衛藤美彩、大和里菜、松井玲奈
MV監督:中村太洸
B 無口なライオン
作曲:Shusui、ヒロイズム
編曲:Shusui、ヒロイズム
参加メンバー:選抜の一部 (8人)
西野七瀬、生駒里奈、桜井玲香、若月佑美、星野みなみ、井上小百合、斉藤優里、堀未央奈
MV監督:湯浅弘章
C* ここにいる理由
作曲:長谷川湊
編曲:Carlos K.
参加メンバー:アンダー全員 (16人)
中田花奈、市來玲奈、伊藤万理華(センター)、齋藤飛鳥、能條愛未、川村真洋、永島聖羅、畠中清羅、伊藤寧々、中元日芽香、北野日奈子、樋口日奈、和田まあや、川後陽菜、斎藤ちはる、新内眞衣
MV監督:近藤大介
D 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
作曲:中土智博
編曲:中土智博
参加メンバー:選抜の一部+アンダーの一部 (7人)
西野七瀬、桜井玲香、若月佑美、井上小百合、斉藤優里、伊藤万理華、中田花奈
シングル参加人数:33人 {選抜17人(1期15人2期1人兼任1人)+アンダー16人(1期14人2期2人)}
シングル構成:SSUsUsAUsa
最後までよく分からなかった共通カップリング曲「何もできずにそばにいる」は、「ガールズルール」と同じ角野寿和氏の作曲でした。
また、歌唱メンバーは選抜全員で、9枚目のシングル構成は「SSUsUsAUsa」でした。
嬉しかったのは、アンダー曲「ここにいる理由」の歌唱メンバーに市來玲奈が入っていたことです。
MVには出ていたけど、CDに名前が載ったのは、最後の作品として、大きな意味があると思います。
市來さんにとって、苦しいことも多かった一年だったと思うけど、乃木坂とがっぷり組み合って、懸命に頑張ってきた日々は、今、彼女が考えているより遥かに大きなものを、彼女に残したと思います。
「ここにいる理由」の歌唱メンバー欄に刻まれた「市來玲奈」という名前を、大きな誇りにして、次のステップに勇躍、進んで下さいませ。
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乃木坂各論第3話、星野みなみ ~ 紺碧の微笑、静謐の情熱、ここにヒロインがいる
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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています