今回の選挙をつうじて憲法(改正)問題が論議されました。この論議の
中心は憲法を守るのは誰か?守らせるのは誰か?という問題でした。
それは、自民党の改憲の矛先が当面現行憲法96条の改定であり、改
憲の国会発議の要件である総議員の3分の2以上を改定し2分の1以上
とハードルを下げることに対する批判の拡がりでした。
それとの関連で私の憲法に対する認識が深められたのはこの一冊です。
本の帯がないので写真で。
小林氏は名うての改憲論者それに対し伊藤氏は司法試験受験者に
とってのカリスマ講師で護憲派。その両者の共通点は「立憲主義=憲
法の原点に立ち返ること」、この点との関係で戦後教科書として発行
された『あたらしい憲法のはなし』に触れて伊藤氏が指摘していること
があります。この教科書については以前このブログでも書いたことがあ
ります。
- 人生を100年単位で考えるということ。
(2013-04-13 21:35:47 | 暮らし・政治・選挙)
『あたらしい憲法のはなし』
伊藤氏はこの本の始まりにある「みなさん、あたらしい憲法ができま
した。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本国民は、この
憲法を守ってゆくことになりました。」を引用しています。それに対して
小林氏は「国民が憲法を守ることになっている!?」と、びっくりマーク。
ここで両者の一致するところは日本における立憲主義の教育が行
なわれてこなかったか、弱かったことの指摘です。私もこの部分を読
んではいますが、なんの疑問も感じずにいました。
国民の側からの「憲法を守ろう」は「憲法を守らせよう、憲法をまもる
国会にしよう、憲法にもとづき政治をすすめさせよう」の意味でなけれ
ばなりませんし、それを深く自覚した運動が求められる時代に入って
いくでしょう。