KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

EARTHQUAKE!

2011年03月12日 | 日記


3月11日は仕事で建材関係の見本市があってビッグサイトへ。
耐震構造関係の技術等調べて帰る途中にゆりかもめの車中で
揺さぶられた。起震車の中にいるような、というよりも
怪獣に車両を持ちあげられてグラグラされてるみたいな感じ。
45度くらいの角度で車体が傾いたような気がした。
でも横ゆれなのでこれはおさまれば
なんとかなるかもとおぼろげに思ってみたり。








汐留で係のヒトにゆりかもめを下ろされたので
とにかく新橋まで歩き。
湾地域は埋め立て地なので液状化現象が怖い。。。
皆、乗っていた人たちはオフィス街のビルに囲まれた場所に
出たので、今、余震でもあったら
崩れて破片等が一斉にふりかかるのでは、と不安な表情をしながら
ビルの間を通っていた。





少しして結構大きい揺れの余震発生。どよめく声が上がる。
建物の下に居ないでください、と新橋JRビルの構内に
場内アナウンス。






もちろんあらゆる電車がストップ。復旧の見通しが全く立たず。
新橋駅内のテレビに見入り情報を集めようとするヒトたち。
宮城や仙台の状況がものすごいことになっているのは
さっき知ったばかり。
携帯電話もほとんどつながらない状況という。



そう、タコも今日盛んに言われてる「帰宅困難者」ってやつになりました。
今日は作業で泊まる予定だったのでまあ帰宅でないですが。

新橋から多摩川の橋渡って
45Km先の最近手がけてる作業の仕事場兼泊まり先まで
歩いてきましたよ。寒かった。

歩くしかない。
「復活の日」でホワイトハウスからアラスカまで歩いた
ヨシズミのことを思えば、とか自分を茶化してでも歩くしか選択肢がない。
横を走る車は超渋滞で全く動かない。
歩くほうがマシ。
同じ方向を目指すいろんなヒトと雑談しながらとにかく歩く。

街道沿いのぼろい中小企業工場の
奥で裸電球がまたたいているようなモノさびしいビルを見ながら
勝手に脳内イメージで「IKBのビルはこんなだったのでは」とか
大森海岸あたりの軒が落ちたような釣り具やの店先を
見てはパチ怪獣ソフビがビニールが張り付いてヘッダーが変色して
ごわごわになった乾きものみたいになって
今もぶるさがっているのでは、とか
しょーむない妄想を廻らせたりしてなんとか寒さをしのいで歩く。
実はマッチ売りの少女的ひっ迫心理状態で
合法的にトリップしていたのかも。
単調な行程を行くにはそうでもするしかないからだ。
自分のそばを歩いているサラリーマンの人たちも独自目線の
路上観察を楽しんでいる感じだった。こうなると日ごろソフビで遊ぶことで
鍛えた妄想力で乗り切るしかない。

しかしさびれた町歩きはほんと楽しめるな、
あったかい昼間なら交通の運行見合わせ背景下でも最高なんだけど。










駅内の装飾が落下の可能性があるとして
歩行禁止になりあの広いホールが騒然とした空気に包まれていたJR品川駅構内。
凝った新建築もこうなると脆さしか感じない。

長距離バスを待つ列もまったく動かない。
これを待っていても乗れる保証はまったくない。
万が一乗れるかもしれないバスを待つか、とにかく歩くか
決めて自己責任で行動するしかない。



首都高速。東京には入れない。反対車線は詰まっていなかったが
たぶん東京から出ても東北の途中できっと足止めをくらうのだろう。
知人の車に12日深夜載せてもらったけど、ガソリンスタンドで給油したら
スタッフのヒトから非常事態で20㍑までの給油制限。と告げられた。
ああ、われわれは今、被災しているんだなあと顔を見合わせた。



品川駅近くの線路上で固まっていた東京方面行きの東海道線。
道路はどこも渋滞。
午後5時頃、都内は実質交通機能がストップ。








つながらない携帯電話、携帯電話の普及から都内に残り少ない公衆電話、
停まった電車、道路渋滞、そして外に居る人たちは情報収集が途絶。。。
一方、ちぐはぐに復活した都市機能はいつも通りの日常を演じ続け、
ウチとソトの居場所に居る人びとに情報格差を与えることになった。

外に居る身としてはネットよりもテレビやカーラジオの方が情報が早かった。
そんな都市の有事におけるいろいろな弱点・盲点を横目に見ながらの道行き。



そ、そうだったのか、坂上次郎さんが。
合しょう。。。





ワンセグやケータイでいろいろ情報を集めている学生さんたちが居て
状況をおしえてくれた。
仙台で起きている津波のあの車を米粒のようにいともたやすく押し流す
すさまじい動画も初めてここで知った。
生々しい現実の津波は絵空事を超えている。ゆりかもめの車内での
ブンブンとした揺れを思い出しぞっとした。

現地ではプロのダーツプレイヤーの女性が津波で車ごと
流され、そのまま工場のビルの2階に閉じ込められて助けを求めていると
TWITTERでの発言があったという。
今も現地で隔絶された環境に居る人たちがいるのだろう。
ラジオでもネットを活用して情報を集めて避難等に活用してほしいと言っているものの、
外に居ると携帯でのネットへのアクセスはものすごくつながりにくかった様子。



食べ物やも今日は夕方に閉店したところが多かった。
これはスタッフの安全確保のためだろうか。
マクドナルドも店員が自分たちの夜食にハンバーガーを
食べているお店があった。



パチンコ店も発生当初は平静を装うかのように
騒がしい電子音をふりまいていたが
余震による万が一の安全を考慮したうえで
早めに閉店したところも少なくなかった。
現実に都内でも崩れた建物の破片を受けて事故死した人が出ていた。





JR鶴見駅構内。すでに京急は10時以降に復帰しているらしいが
9時前後に通った時は避難場所みたいになっていた。

この鶴見駅に着く途中、ばさっと一斉に
周辺の街の灯が落ちた。

一時的に川崎周辺が大規模停電になったらしい。
街灯も信号も消えて、はるかかなたの川の向こうの
街も漆黒の闇に包まれていた。ブキミな光景だった。

暗黒の中で、道路を渡るには万歳しながら
走る車のドライバーの目に付くようにおおげさにアピールしながらでないと
危険。思わずその場の歩行者たちからも「今度はどうなるんだ」みたいな
声が漏れる。でもとにかく歩くしかない。



自転車が1万円くらいなんで買おうカナ?と思ったら
こちらも公衆電話や唯一動いてるバスと同じように
登録待ちで長蛇の列。あきらめるしかなかった。
日ごろバイクや自転車で移動しているヒトが
車の渋滞の間をかいくぐって帰途に向かっている姿が
うらやましかった。





大門あたりの大企業は建物から出てきた社員が
おそろいの防災ヘルメットを着けて緊張した表情で
たたずんでいた。



「とにかく広いところに集まって状況を見守ってください」
とのアナウンスで浜松町の公園にも人が。








電車からお客が吐き出された田町。
すぐ復旧するのでは、と淡く期待してその場に座り込んでいる
乗客も多かったのだけど、どんどん寒くなる夕餉、
無事帰途に着けたのだろうか。。。



普段なら歩行者も通らないような場所の通行。



大井町方面に向かっていたのに品川からヒトの流れに乗って
歩いていたら間違えて五反田方向に
出てしまう。渋谷行きのバスもJR五反田駅内を半周するくらい
列ができていた。










最近の防災頭巾はシルバーなんだね。
子供たちに、オレたち新聞に載るぞ!とか言われた。
へんてこなブログに載るんだよ、ごめんね。







多摩川の上の陸橋。風がビュンビュン鳴ってて寒かった。
でも仙台の筆舌に尽くしがたい惨状とか考えるととてもそんなことは言えない。
行列で黙々と橋を渡っていく。
渡り終えるまで大きな余震が来ないといいなあ。
なんとなく「クローバーフィールド」の1シーンを思い出した。




鶴見から花月園の途中。
踏切が渡れないと思ったら横須賀線が
踏切をふさいで停まっている。
係のヒトいわく、全部の架線を調べるとか。
この土日はとてもアキバも行けそうにないなあ。



とにかくこうして帰ってくる間も余震が行くたびか起き、
地震の脅威はまだ続いてる。もちろん仙台や宮城の被害は
まだはっきりしない状態。津波の被害の甚大さにはただ驚くばかり。

耐震構造などで対策の取られた街、ビル等は
阪神淡路大震災の時のように特に酷く崩落したりしてはいないけど
生活面での影響、受けた疲労や不安は大きなもの。
都会のライフラインがあっさり分断されたときの日常崩壊。
大地震は確かにわれわれの
生活に降りかかったのだ。市民の足ともいえる
全鉄道路線の復旧は一体いつになるだろう。
しかし、これは天災、起きたことは時に予想を超える
被害をもたらし、その際は誰を責めることもできない。

関東圏でも被災時に落下物で亡くなったり、帰宅途中で事故に見舞われ
亡くなったヒトがいると聞く。
タコもようやく作業場に戻り、少し前にやっと暖がとれたけど、
ようやく情報の入る場所に来て耳に入る今日の話の
すべてが自分にもふりかかったかもしれない話で、
とてもヒトごとじゃないと思った。



現在(12日の朝)はJRは復旧していませんが
私鉄を中心に鉄道関係も一晩運行をしているようですね。
まだ外に居る方がもしいたら気をつけて帰ってください。

皆さま、被災の程度は地域によって個々に異なるのでなんとも表現が難しいのだけど、
何ごともあなどらず気をつけましょう。。。

そうだ、もちろん生命の保全先にありきの話なんだけど、
古モノの堅い成形のソフビはしばらくしまっとこうね。



以前プレオープンの記事を載せましたが
REAL×HEADさんのリアルヘッズ(真頭玩具2号店)の13日に
予定していた正式オープンも今回の地震のため急きょ中止に。(12日午後)