KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

コスモナイトα妄想怪獣遊星魔人

2013年01月11日 | モンド・トラッシュ




富士山、東京タワー、そして新幹線!!発展経済の象徴・永遠のアイコンをその身に
形象として備えた怪物たちは暗転した人間社会の負のエネルギーを最大限に吸収し
日本の暗黒部分を映し出す。やつらは文明の業獣か?!

「彼らは奇形獣!彼らは超人類!科学文明の負の産物!宇宙の戦士!
人間の持つ欲望、貧困、疑心!どれもこれも地球の未来の生物ども!!
彼らは強大なチカラを秘めています!
その証拠にあなたの正体を知っています!」(石川賢 ウルトラマンタロウ第1話より)

2013年は妄想怪獣の暗黒新世紀!
今、遊星魔人はなぜ地球圏に降下してきたのか。



昭和の面影を残す江古田のアンティークTOYショップ、
ソフビクルーザー・コスモナイトαさんは
2008年に妄想怪獣第3弾・デムパゴンを発売したあと新作展開では沈黙を守っていた。

それは自らの妄想パワーを出力全開にして妄想怪獣シリーズをつぎつぎと
ハイペースでリリースしたことによる自家中毒的な作用から
新たな妄想のエネルギーを蓄積しつつ、次の強大な惑星爆発=ビッグバンの瞬間を
じっくりと待っているかのようだった。
その間も何度となく店頭やイベント会場でYODA店長は人々から問われ続けた。

「次の妄想怪獣は出るの?一体どんな?」

店長から提示されたのは沈黙しかなく
人々はとめどなくわきたつ妄想の律動をココロの奥底に押しとどめていた。
その後4年の月日が流れた。

しかしその間も地球の衛星として等間隔を保ちながら追尾していたクレーター
だらけの緑色に輝く謎の遊星があったことに日々の喧騒に追われている
ヒトビトは気がつかなかった。

暗黒の虚空から静かに地球に向けて接近していた新たな妄想怪獣は
背中に背負った奇怪な宇宙ステーションから同志の妄想怪獣たちに
地球圏への降下をすでに伝えていた。。。

クレーターに覆われた奇怪な宇宙ステーションは生物ーー
未知の遊星魔人だった!



2012年聖夜に江古田から到着した妄想怪獣第4弾、遊星魔人。
妄想怪獣シリーズが沈黙を守った
4年のブランクが全く何もなかったかのようにその姿は過去の妄想怪獣、
第1弾のガスバウアー、第2弾デスメナーゴ、第3弾デムパゴンといった
過去の怪獣たちとしっくりくる異形ぶりを好事家たちのソフビ棚で
すでにアピールしていることだろう。

この遊星魔人のオリジナルともいえる昭和の玩具が存在する。
かつて昭和の世にチープTOYガチャメーカーのコスモ◎で販売されたとされる
怪物の塩ビ人形が存在。(その玩具も、色や形状の類似から見て海外の
目や口からスライム状の液体を垂れ流して遊ぶ怪物玩具を模倣したと推測される)
を元にコスモナイトαLONGNECKブランドで新訳。

遊星魔人のデザインはYODA店長が担当。最終原型はLONGNECKシリーズをすべて担当した
おなじみの原型師氏が担当。この原型師氏特有の「ひねり」「ねじれ」が
多用され怪獣造形の原初的な粘土力にあえて逆行したかのように
怪獣ソフビが本来持つプリミティブなカタチの力学をカーブとして
体表に刻み込み、好き者のココロを得も言えなくざわつかせている。



遊星魔人のイメージベースとして導入されたコ◎モスの怪物人形は
チープトイマニアの間でも謎の存在といえるもので、正確な発売年度も不明だ。

YODA店長「ちょうど怪獣ブームが終わって子供たちがロボットや超能力、空手などに
目覚めた新たな魅力を放つカルチャーに目覚めているころではないかと思う。
そんな意味でもぽっかりとその存在は怪獣TOYやチープTOYなどの歴史の文脈から
外れた存在であるといえないでしょうか」。

コスモナイトαのブログや印刷物では何年も前からこの怪物が謎めいた
マスコット的存在として活躍していたことはソフビファンは周知の通り。
遊星魔人は同店のイメージアイコンとしてすでに存在感を決定づけられている
この怪物の人形を正式にビッグサイズでソフビ化、
好事家たちに頒布するために作られた商品と位置づけられそうだ。

じつは当初、妄想怪獣第4弾はまったく違う形態の怪獣の制作を目指していた。
その後、クリエイティビティの面から略そうとしても略しきれない紆余曲折が
あり、「全く他のインディーズ怪獣ソフビでは見られないようなキャラクターを」
というYODA店長の妄想が限りなく広がり、自分でも納得のいくキャラクタライズを
標榜したことから、完成には4年の歳月を待たなくてはならなかった。
そしてそのイメージソースになったキャラクターも常にYODA店長の傍らに佇み、
氏が自らのイメージを取り込み自らを妄想の対象に行き着く終着点とするのを
ひたすら待ち続けていたのである。









遊星魔人の明確なオリジナルキャラクターとしての特徴は
まず、両手があたかも軟体動物の触手のように
アレンジされていること、
背中に巨大な宇宙ステーションを背負っていること、
そして口から新幹線に似た宇宙幹線の車両が発着しているかのようにニョッキリと
あたかもタバコを吸うようにつきだしている点を挙げることができる。






さらにこれまでの他の妄想怪獣はスタンダードサイズだが、それらよりもやや大ぶりと
なっており、4年ぶりの新作にふさわしいインパクトを
見る者に直接大きさによって叩きつけてくる。




遊星魔人という名称にはおそらく同店の店名のイメージとしてなぞらえている
「宇宙戦艦ヤマト」の劇中に登場する架空の鉱石、コスモナイトαから連想して
同作に登場するガミラスの「遊星爆弾」、またヤマトと並ぶ名作「キャプテン
ハーロック」に登場する宇宙中継島(人工小惑星)、デスシャドウ島なども
意識しているのではないか。





クレーターだらけの惑星のような遊星魔人の体表をじっと見つめていると、
フリーキーなカルト映画の名作「イレイザーヘッド」のモノクロームの映像中に
登場する、寂れた惑星を思い出す。
惑星の表面をカメラがパンすると、廃墟のような錆びて崩れかけた
トタン板の小屋が表れ、
その中に上半身裸の鉱夫のような男がいる。
スパークで自らの身をヤケドで焦がしながら
歓喜に満ちた笑顔をたたえ路線変更ハンドルを
ギリギリと押し上げる半身ケロイドまみれのあの鉱夫になったかのように、
惑星爆発の律動を妄想して体感することができよう。
ソフビこそが妄想支援ツール。

遊星魔人は妄想を抱き、星の宇宙(そら)に旅立つ者が夜な夜な漆黒の宇宙に
向けてデムパを発信し道標を得るために存在する
ソフビの姿をしたサポートツールである。
そしてその遊星魔人のデムパを受信するのは、世界大戦争の果て、
廃墟と化した街に傾いて佇む歪んでドロドロに赤く輝きながら融け落ちた
失われた旧世界のモニュメント、東京タワーなのかもしれない。

「たのむ、おいてかないでくれー!!おれも、おれも連れてってくれー!」
(ウルトラQ「あけてくれ」より)









ヒトビトのココロを爆発する宇宙へといざなう切符は、旅先のさびれた駅にあった
得体のしれない土産物屋にホコリをかぶって吊るされていたのを
つい戯れに手にした奇怪なソフビ。

ふと、夜な夜な魘(うな)される時に起きて、枕元に置かれた異形の偶像、
遊星魔人を見つめる。この乾いた惑星の廃墟のような宇宙ステーションから
旅人は一体どんな夢=妄想を抱きながら宇宙への旅に出るのだろうか。

地球から惑星衝突を回避し電離層に躍り出た妄想怪獣たちの物語が
遊星魔人という新たな水先案内人を得て、宇宙空間で新たなステージを展開する。
そしてそれは終わりなく繰り返される妄想の律動、狂気の蠕動、
絶叫が誰にも聞こえない漆黒の宇宙空間を天幕に据えた
戦慄と死の歓喜を伴う暗黒舞踊だ。

(妄想怪獣の形態論を展開「コスモナイトα妄想怪獣クロニクル」近々掲載予定。。。)

☆彡自分的にイカしてる映画のオープニング☆彡

【Final destination 4 opening animation and ending】

http://www.youtube.com/watch?v=BnR9fbFLINw

【Se7en - Opening Titles】

http://www.youtube.com/watch?v=-k2gsEI34CE

【Great Opening Titles Part 2: Mimic】

http://www.youtube.com/watch?v=jtyuc2Rz2mQ

【The Jackal - Intro】

http://www.youtube.com/watch?v=CASpelJCIa8

【Dawn Of The Dead Remake Intro】

http://www.youtube.com/watch?v=l44EbAbLid0na

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5 コメント

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Unknown (マンガ)
2013-01-10 23:34:38
口に咥えた新幹線がアリモノにしか見えない というか、
この手の商品にしては真面目に塗 装して有りすぎるので、
金型がまだ生きてて 、この商品が大人気でも
新幹線の在庫が切れ たら再販できなくなりそうな、
恐ろしい商品 ですね。

返信する
Unknown (メガたぬき)
2013-01-12 02:37:12
どうも、こんばんは!
4年ぶりというのは、久々に
映画が公開されたような静かな熱気が
ありますね。

遊星魔人が背負っているものは、
ガミラス空母(原作版)みたいな、
改造ベムスターに食べられてしまう
ZAT第1ステーションも似たような形状
ですね。あの時代の従来のドーナツ型
から、新しい形を模索した感じのある
宇宙ステーションのイメージで造型
されていて良いですね。

コスモナイトαさんといえば、
ベアモデル東宝怪獣を4種限定カラー
(74ゴジラ、メカゴジラ、キンゴジ、初ゴジ)
でリリースされたことがありました。
たしか、実験的カラーみたいな。
肌色くるみ塗装の渋い色のメカゴジラが
記憶に残っています。
毎度、ソフビのツボを押えた凝った彩色が
素晴らしいですね。
返信する
Unknown (タコペッティ)
2013-01-12 15:25:33
>メガたぬきさん

こんにちわ!
4年というのはソフビのリリースペースとしては
長いブランクでしたが、セミオリジナル的なアイテム
とはいえ、熟成した感を感じます。年何回の
リリースとかむやみなルーチンワークに陥らないで
自分がシリーズとして打ち出していく上で
より自社らしいものをと煮詰めた姿勢が好感を
持てます。

>宇宙ステーション
ウルトラ好きならたまらないモチーフですよね。
この方向ではZOLLMENさんの円盤怪獣が
強力な先達といえますが、同じモチーフでも
味付けでこうも違った面白さが出せるという
ことでしょうか。この宇宙ステーションはどちらかと
いうと東映アニメーション作品で80年代頃に
出てきそう(かつそれを見たスタッフが作った
SF系の洋画で出しそう)なイメージで
造形した気がします。

>ソフビのツボを押さえた着色
素っ気ないけど、同時に惹きつける不思議な
彩色でマニア心をくすぐりますね。ベアモデルさんは。
キャラクターのミリキを引き出す上での
冒険というかご指摘の、実験という言い方が
ふさわしいですね。ソフビの塗装も技術がすごく
向上していますが、まだ可能性を
掘り起こす間口がありそうです。
返信する
Unknown (タコペッティ)
2013-01-12 18:14:17
>マンガさん
こんばんわ。新幹線、アリモノの型どりなの
かと思ったけどよく考えたら原型段階で粘土でしたね。
アリモノだったら確かに在庫無くなり次第終了ですね
(微笑)。
そんな製作過程もあれやこれやと妄想できるアイテム
なんですよ。

怪獣の造形テイストに合わせて
ちょっとグネグネな消化されかかったような
くたびれた新幹線てのも
見てみたかったけど、
それでは宇宙空間を航行できるように見えない
ですものね~。
返信する
Unknown ()
2014-07-30 15:35:35
このソフビは公害怪獣と似た雰囲気がするのですが原型は同じ人なのですか?
返信する

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