8月も終わり。猛暑ももう少し続くカナ。
なんとか乗り切りたいですネ。
関東圏はお盆からここまで雨もほとんどなかったのですが
夕立が降ってきたりと1日目から涼しげになりそうな予兆も見られます。
ぶたのはなさんからこのほど夏のソフト焼き玩具ニューアイテムとして
リリースされた快獣シリーズ「チビラくん」に登場した
ゲストキャラクターのゲバゲバロボット・ゲバゴロー。
そして今回は新カラーも含む5点の新製品がリリースされましたので
タコが買った分を紹介していきます。
ゲバゴローもこれまでに発売された「チビラくん」シリーズの
ソフト焼き玩具同様に、ぶたのはなさんのおおらかな造形テイストが
非常によくハマっています。
今年春にビリケン商会さんの大宇宙人展や
みたりさんのスーフェスブースで置かれた
ぶたガチャのミニソフビで見せた造形表現をおぼえているファンの方も多いことと
思います。
「エス隊員」などでのリベット打ちした宇宙服のボディや
レトロSFチックな輪郭など、ぶたのはなさんの得意分野である
クレヨンで描かれたような、まったりとしてどこかなつかしさの漂う
造形面での表現力がこのゲバゴローソフビでも存分に活かされています。
本編画面ではセット撮影なため、あまりよくは見えない足元のディティールなども
きっちり入っています。どこか「がんばれロボコン」にも出てきそうな、
パストフューチャーな家電ロボット的なテイストも漂っていますネ。
版権ソフビでありながらぶたのはなオリジナルといってもいいユニークなポジションの
ソフビがまたソフト焼き玩具のラインナップに加わりました。
しかし、昭和当時の「怪獣怪人大百科」のチビラくんの登場怪獣ページにも
うつむき加減な一枚の写真といっしょに簡単に紹介されているものの、
映像本編での活躍がどんなものか知られていなかったゲバゴロー君。
そこで登場エピソードを見ると今回のソフビに愛着もより増してくるかと思います。
ぶたのはなさんの「チビラくん」ソフト焼き玩具の製品化は久々。
タコも楽しみだったのでじっくり語りたいと思います。
パパゴンの開発したトラベルマシーンで昭和にタイムスリップ。
キャラが立ってるわりにはネットにも情報が少ない存在なので
劇中ほとんどのゲバゴローの登場シーンをキャプチャしてみます。
本編で大暴れする暴走ロボット・ゲバゴローの雄姿を見てみましょう・
映像に出てきたゲバゴローはこんなヤツDeath.
優れた発明家であるパパゴンが失敗を繰り返しながら、
また新しい発明品を実用化しようとしていた。
今度は「機械を自由に外部からコントロールする装置」を開発。
その装置が、劇中に映る小道具がアポロ1号の着陸船のおもちゃに
パーツをいろいろゴテゴテとくっつけただけみたいなのですが。
こんなところも予算面でありものの小道具の流用が多い
「チビラくん」の見せ所だったりします。
番組も2クールに突入してますます苛烈になっていく
パパゴンとゴルバ両家の確執。
こんどは「機械やロボットを自由に外部からコントロールする装置」を
開発したと聞いて、優れた発明家であるチビラの父、パパゴンに負けまいと、
ゴルバも何かをせっせと開発していた。そしてライバルのパパゴンにもアピールするため
パパゴンの息子・チビラのペット、ポチポチも同席させ
上機嫌で完成品を披露する。
完成したのはシルバーの機体に、男爵を思わせる髭をたくわえた
「ゲバゲバロボット ゲバゴロー」!
ゴルバが作ったロボットは、ゴルバのプログラムミスがあったのか
方言をしゃべり、自由気ままに権勢を振るい、自分を作った主人に
ゲバルト行為を発揮して奴隷のように扱う、恐るべき暴走ロボットだった!
完成を喜ぶゴルバが起動スイッチを入れ少しすると、
横柄な口を利き始めるゲバゴロー。あろうことか、停止する間も与えられないままに
造物主と製造品である立場が逆転して
奴隷状態にされ、こきつかわれてしまうゴルバと息子のガキンコ。
ゲバゴローのキャラクターボイスはイカルス星人の人間体である
怪しい隣人の男役でもおなじみの山本廉氏が担当。
「なんだ?オラにさからうなんて、なーにかんがえてんだっぺや!」
そういえばこの回は「怪しい隣人」の鈴木俊継監督担当ですね。
ガキンコの友達、チビラもはじめは静観していましたがガキンコたちがかわいそうに
なり、奴隷になっているふりをしながらじっとゲバゴローの様子をうかがっています。
ゴルバ家がロボットのゲバゴローにのっとられる、悲惨な光景。
この回はとにかくゴルバとガキンコがゲバゴローに責め立てられて
土下座ばかりしてるな。ガキンコに優秀なところを発揮し、
親としていいところを見せようとしたのにまったく裏目に。
しかし父親にあきれ半分ながらでも、そんなゴルバの傍らから離れないガキンコは
よい子ですね。
チビラとガキンコはいつもそれぞれの父親のプライドをかけた争いを
達観したスタンスで見ており「親から学んでいる」様子で描かれます。
将来大人のカイジュウになったら、共に立派な父親として親交を結んでいくことに
なるんじゃないでしょうか。
例によって苦境に立つと、亡妻であるオクの遺影に泣きつくゴルバ。
でもどうにもならない。このエピソードではオクの遺影は動かず
キグルミが額の向こう側で演技していなく、等身大の写真で登場のようです。
「チビラくん」や「トリプルファイター」頃になるとウルトラ第1次時期に
比べてもスーツアクターさんの人数が一作内で限られた予算の範囲の中で
演技をしています。
今回はゲバゴロー役にスーツアクターさんが廻ったんでしょうか。
どういうわけかゲバゴローはポチポチが気に入り、ご寵愛に。
ポチポチ以外の快獣は奴隷扱いなのに、ポチポチだけは
愛でるゲバゴロー「おまえ、めんこいな、おまえだけはゆるす よしよし」
眠るポチポチの傍らにやってきて体をなでたりするゲバゴロー。完全にお稚児様
あつかいDeath。ほとんど「おれの子供を生め!」みたいな勢い。
キグルミ劇でこんなあやしげな場面をやっているので、
一層キンキー&ストレンジな構図になっております。
製作スタッフはどういう目線でこんな展開にしたのでしょう。
現在なら腐のヒトが思わず二次創作本を作っちゃいそうな設定Death。
そういえば、サブレギュラーキャラのタツノオトシゴみたいな魔女・ドロンに
「ポチポチさん、スキよ。。。」と毎度コクられて逃げるシーンが
パターンギャグ描写になっているポチポチ。
また、他の回でカモ柄のアギラ(♀)を助けてポチポチが
異種族間でちょっとイイ仲になった回もあったな。
初期話数で地球から来たユミちゃんがなついたのもポチポチ。
ポチポチは違う種族に好かれる属性でもあるんでしょうか。
ゲバゴローに異様な関係を迫られて悩んじゃうポチポチ。
でもゲバゴローからの特別扱いにはまんざらでも
ない様子もあったりして、どこか心揺らいでいます。
「おら、おめといっしょにしあわせにくらすんだ~。
でもあとのやつらはどうでもかまわなっぺよ」
ゲバゴローのぶっきぼうな口調がジェノサイドを想起させてコワイ。。。
今回、ぶたのはなさんからゲバゴローといっしょにポチポチの新カラー(ピンク)が
同時発売されたのはおそらくこの劇中の展開からくるシーン再現用として
なのかもしれません(決め付け)。
自分が好きな機械油を「おめえも飲め!」と強要されるポチポチ。
ゲバゴローはマシーンなので、歯車のようなパーツや機械油を食べ物にしている
ようです。もしかしてナノマシンなのカナ?
パパゴンが別の話で人工知能の作り方を話していたときに
液体燃料で動かしている、と言ってました、このカイジュウ町の世界は
地球人とは別の進化を遂げたことで、科学的に秀でた分野がまた違う形で
ロボットの制御などを行っているのかもしれません。
自分の気分のままにふるまうゲバゴローに、ご寵愛を受けている身でありながら
ポチポチもけっして安穏とはしていられません。
すでにこの狂ったロボットにカイジュウ町の住人たちはみな、監禁されているからです。
このお話も、ウルトラよりはもっと下の年齢の視聴者を対象にした
番組とはいえしっかり円谷SFになっていますね。
ゴルバの爵位を奪い、愛するポチポチを引き連れてカイジュウ町の
リゾートへと気ままに繰り出すゲバゴロー。
といっても近所の公園でブランコに乗っているだけですが。
さらにカイジュウ町の森林公園の川に行って優雅にフィッシングをたしなむゲバゴロー。
傍らにはポチポチがつきそう。
といっても(たぶん)撮影所に近い、地場世田谷区の川なんでしょうね。
自分が作ったロボットに反逆され、思うがままに支配されるゴルバ家。。。
奴隷のようにこき使われ、家から縄梯子を伝って逃げようとする
ゴルバとガキンコですが、ゲバゴローは無駄に猜疑心が強かったりして
すぐ見つかり、何度もひどい目に遭う。思うにゲバゴローは
製作したゴルバに人格というか快獣格というか、ロボット格?が似ている気がしますね。
ゲバゴローのリアビュー。ぶたのはなさんは表面のむき出しになった
メンテナンス用パネル部分やリベットなども正確に、ときに
自分のテイストでディティールアップしてソフビ化しています。
劇中ではゴルバ家に伝わる貴族の王冠とマントを奪い、ゴルバのプライドの元である
爵位まで横取りするゲバゴロー。
王冠とマントを着けた状態のリアビューはこんな感じ。
なんとか山に落ち延びたゴルバとガキンコ。背の高い白い花の
ハルジョオンが咲き並ぶ、昭和の空き地の風景。
チビラくんはシュールでチャイルディッシュなキグルミキャラのドラマ
としてだけでなく、こうして時々ドラマの間に映るいかにも昭和らしい
のどかな風景にも心なごませられます。
パパゴン ドアの開閉音がしたので、仕事をしながら後ろを振り向かずに
「チビラ、ゴルバ家のきちがいロボット(本編ママ)はどうなった?」
ゲバゴロー「あ?誰のこといってるっぺ」
後ろにはゲバゴロー
パパゴン「(驚愕)アッ!!」
ゴルバ家を制圧し、とうとうカイジュウ町の頭脳たるパパゴンの家にまで
おしかけてロボットの覇権を広げようとするゲバゴロー。
開発者であるゴルバの「パパゴンを圧倒する」目的はここで一応は
達成しています。しかしこの時点でゴルバは自分の家庭を破壊させて
ゲバゴローのゲバゲバロボットとしての恐るべきスペックを実証している
というじつに皮肉な流れとなっています。
「闇金ウシジマ君」よりも怖いですね、ゲバゴロー。
ゴルバの対抗心を受けても余裕綽々でいたパパゴン、静観し
のんびり構えていたのですが
ゲバゴローに押しかけられたら、さすがのカイジュウ町一の
インテリ快獣もしどろもどろです。
チビラ家もたちまち大パニックに。
おびえるママゴンに「べっぴんさんにはオレ、何も悪いことしねっぺ」
妙な漢気を見せるゲバゴロー。
ゴルバも若い頃はメロメロだったし、ママゴンはこの世界観では
ロボットも認める美人カイジュウなんだな。
パパゴンとチビラが一計案じ、
冒頭に登場したコントロール装置でゲバゴローを外部から操作し盆踊りの
ような踊りをさせたりなどさせて時間稼ぎをしながら、
ゲバゴローから得もいえない愛情と信頼を得ているポチポチが
必死の熱演でゲバゴローをトラベルマシーンに誘導。
ポチポチ「ここにはいるとね、夢のような国にいけるんですよ~」
ゲバゴロー「なに、ほんとか。いってみっぺ」
トラベルマシーンを通じて超未来に送り込まれたゲバゴローは、
どこか未来の廃墟のような場所で枯れ木につるされたような姿であわれ
バラバラのスクラップに。カイジュウ町をロボットが侵略する脅威はこうして去った。
ゲバゴローも恐ろしいが、自分たちの生活圏内に現れた異物や異端者を
サイロに放り込んで排除してしまうトラベルマシーン、おそるべし。
番組の3クール以降は本来の目的である、遠方の星への宇宙旅行や
過去や未来へのタイムトラベルに使用されるようになる万能さを誇るトラベルマシーンは
劇中でも珍妙な開発が多かったパパゴンにとって最大の
発明品ではないかと思われます。
しかし1~2クールで劇中において時おり描かれている
トラベルマシーンの開発過程では、カイジュウ町にやってきた侵略者や時間旅行
をしてきてカイジュウ町をのっとろうとする敵を、
未来や過去に廃棄もしくは追放し存在を消してしまう機能として
使われることが多い。あたかもモルモットの実験です。
そういえば1話で完成したトラベルマシーンによる空間旅行の実験には
ペットのポチポチを使ってたんだった(しどい)
パパゴンはマイホームを重視しながらも科学者としてはかなり冷徹ではある。
自分らの平穏に都合が悪いヤツはみな消滅・排除。
ピッピーやハレハレの回はゲストキャラにも事情や主張があったのですが
カイジュウ町にとっては排除される外部者にすぎない。
スタッフもそこはあきらかに「社会でありがちなこと」という
外から来た者を自分たちの日常が変わることをよしとしないで
排斥してしまう、コミュニティが時に外来者を相手に刃を振るう
風潮への風刺をこめて描いています。
低年齢対象の子供番組という体裁をとりながらブラックですね。
おまけに本作品はキャラクターの90%近くがキグルミによる番組なところに
映像として風刺性が倍加しています。
ゲバゴローはデザインもレトロチックなブリキロボット風で、作品の映像を
離れても楽しいロボットソフビとなっています。しかし、元の映像に出てきた
ゲバゴローのデザインをしたのは誰なのかな。池谷さんっぽいデザインだな~と
思うんですが、美術の方でこういうレトロメカのデザインに長けていた、
いまだマニアの間でも名前の知られていない方がいそうですね。
円谷流れでいうとゲバゴローは平成ウルトラセブンに登場したダイテッカイとか
「猿の軍団」に登場した人間の砦を保全する
ガードロボット・チップなどの先駆的キャラクターに見えます。
なんの根拠もないんですが、ゲバゴローはタコ的には、
この回用に新規で製作したキグルミなのカナ?と
思っています。もう一体、別の回に登場するパパゴンが開発した
鳥のような頭部をした勉強ロボット「ゲゲババ」も
見たことのないロボットのデザインで、ちょっとこの回の前に
なにかの映像作品で使われた感じのしない奇妙な姿なので
新規のキグルミのようです。
ゲバゴローの全身のデザインは統一感があるので、
何かロボットのキグルミを首挿げ替えしたりしたスーツではなさそうですね。
チビラくんはメインのパパゴン家、ゴルバ家以外のキャラで、
ナンジャーさんやハレハレなどのようにこの番組用にキグルミを製作したのかどうか、
本編映像を見ただけではわからないキャラクターも多いですね。
一方で、宇宙人のピッピーのようにチャメゴンの頭部を大胆に改造したキャラは
流用であることが一目瞭然なんですが。
さらにオクなんてブースカのキグルミにケープを巻いただけですからね。
イカルス星人の郵便やさんやアギラの配達夫、ぺロリンガ星人を銀色に
塗っただけの侵略宇宙人なども居ました。
キグルミの流用であるとしても、子供向け番組のキグルミを倉庫から出してきて
脚本を見ながら現場で流用キャラをうまくアテていったのでしょうか。
「チビラくん」の製作過程は今もって謎が多いです。
でも、そのなけなしのコスト対策から当時行ったキグルミの流用を
のちのち特撮・怪獣マニアたちが作品のコンテンツとして満喫している
アンビバレンツな状況。ヨノナカ、何が幸いするかわからない状況ではアリマス。
幸い本番組にメインで製作に参加していた安藤監督らもご健在で、作品への愛着から
当時のこともよく覚えておられ
自作「トリプルファイター」の舞台裏についてもここのところ、公式の場で
面白いエピソードを明らかにしておられます。
同様にかかわりの深かった「チビラくん」の撮影現場についても
細かい証言をお聞きできる機会が今後得られるとマニアの立場からはうれしいのですが。
今回、初の立体化となるゲバゴロー。つみきキングジョーやガメロットなど、
ロボット系キャラクターのソフビ化では定評のある
ぶたのはなさんならではの、キャラクターとの造形的相性も抜群な
仕上がりとなっています。
トラベルマシーンにより、未来に消滅してしまった
マイナーロボットキャラのゲバゴローですが、
キャラクターをよくつかんでくれるソフビメーカーさんとの出会いで
2000年代に素敵なソフビとして再び再生することができ、
カイジュウ史にようやくその形とともに名を残すことになったのではないでしょうか。
(ぶたのはな チビラくんシリーズ新作②につづきます。。。)
【ぶたのはな ピッピー】
http://pink.ap.teacup.com/kadomiumtank/247.html
【ぶたのはな ハレハレ】
http://pink.ap.teacup.com/kadomiumtank/226.html#comment
【ウルトラファイト 悪鬼ウーの狂乱】
http://www.nicovideo.jp/watch/1233713719
【ウルトラファイトBGM集】
アップロード主に感謝。
後半には砂浜ロケ編で多用されてるおなじみの珍妙ナンバーが集まってます。
能天気なグラムロックとかガレージサイケ、ウクレレミュージックとか、
かなり発狂風味、ぶっつけ本番でスーツアクターーもクタクタな
バトル映像。思わず脳内物質がダラダラ出てきつつ
ロケ地である下田の宵闇迫る夏の白い砂浜が脳裏に浮かんできたりしてイイ感じDeath。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1147082