ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

気は優しくて力持ち

2010-01-12 20:15:13 | ときのまにまに
日本男児の一つの理想像として「気は優しくて力持ち」というイメージがあり、そのイメージは「金太郎」によって具象化されている。伝統的には五月人形の定番は「金太郎」であり、日本人の両親は自分たちの子どもが「気は優しくて力持ち」の日本男児として育つことを願って来た。
ところが、不思議なことに金太郎のことは知っているが、その物語は桃太郎物語ほど知られていない。わたしは幼稚園の園長を18年して、その間日本の昔話を園児たちにしてきたが、金太郎物語は話せなかった。というより金太郎にはストーリーがない。その点では桃太郎にはドラマティックなストーリーがあり、沢山の絵本や昔話が出版されている。序でに言うと、わたしは桃太郎物語の思想性の故に子どもたちに話したことはない。
金太郎という言葉を聞いたとき、大抵の日本人は「金太郎飴」とか、あの独自の前掛けのような衣装とかを思い出すし、ある程度の年齢以上の日本人なら童謡を口ずさむこともできる。

まさかりかついで きんたろう
くまにまたがり おうまのけいこ
ハイ シィ ドウ ドウ ハイ ドウ ドウ
ハイ シィ ドウ ドウ ハイ ドウ ドウ

あしがらやまの やまおくで
けだものあつめて すもうのけいこ
ハッケヨイヨイ ノコッタ
ハッケヨイヨイ ノコッタ
石原和三郎作詞・田村虎蔵作曲

「金太郎(=坂田金時)は平安中期、藤原氏の全盛時代に実在した人物で弓取りとして当時、都に勇名をはせていた源頼光に従う四天王の一人として今昔物語にも名を記録されている」などと解説されても、少しもピンとこない。むしろ金太郎という童謡がイメージとしての金太郎を日本人の心性に定着させた影響力は大きい。

日本人の角力好きの背景には金太郎イメージがある、とわたしは思っている。力士の中に日本人男児の理想像「金太郎」を見ている。相撲取りはただ力だけ強ければいい訳ではない。優しくなければならない。その意味で魁皇は「気は優しくて力持ち」という金太郎イメージにぴったりの力士である。幕内通算勝ち星トップおめでとう。

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1 コメント

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2010-01-12 20:27:21
トラックバックしちゃいました。
よろしくお願い致します。
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