Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(173)

2018-08-30 10:29:29 | 日記

 俺は初めてみたよ、あんな顔。こう、目が丸くなって、目の動きが無くなって、口もぽっかり金魚の口にそっくりで、本当に丸くてぽっかり口に穴が開いてるみたいだった、くくく…、思い出すと可笑しい…。蜻蛉君は忍び笑いをすると、可愛いなぁと小声で呟きました。彼の顔は思わずほんわかと緩み頬を染めて笑ってしまいました。

 「それだわ。」

茜さんが合点して言いました。

「それで分かった。だからホーちゃんあんなになったんだわ。」

困った事をしてくれたわね。茜さんは我知らず石を拾う動作をしながら、おろおろとして蜻蛉君に文句を言い始めました。

「あの子を怒らせると怖いんだから…、」

それが何倍にもなって返って来るんだから、怒らせたら駄目よ。如何しよう、兄さんに言っておこうかな、いえ叔父さんの方がいいかな…。

 茜さんは本当に困った様子で思案に暮れてしまうのでした。蜻蛉君の方はまだ事の事情が分かっていませんから、誤解したままです。てっきり蛍さんが自分の事を好きだから、それで泣き出したのだと思ったままでした。茜さんの言っている事がさっぱり彼には理解できませんでした。

「お前何言っているんだ。」

と、茜さんの方に視線を向けると尋ねました。


土筆(172)

2018-08-30 10:28:48 | 日記

 一瞬、祖父はハッ!として顔を曇らせました。

祖父は孫の片頬に浮かぶ窪みに、やはり胸が痛むのを感じたのです。

『内の嫁の言う通り、この孫の顔に確かに前にはこんな物は出来なかった。』

と感じました。彼は明るく笑う孫の笑顔より、その頬の窪みにばかり目が吸い寄せられてしまいます。そんな彼は我知らずの内に、は~っと溜息を吐きました。『事はこれでは収まらんね。』そんな確信めいた予感が彼にはするのでした。

 実は商いであちらこちらへと回る祖父には、色んな人々に出会い、様々な美人を見る機会が多くありました。本来の笑窪も勿論何度か目にした事が有るのです。それはやはり女性の1つのチャームポイントでした。男性の心をそそる愛嬌がありました。その笑窪と、蛍さんの頬の窪みは、やはり別物だと祖父は感じたのでした。

 彼は気が抜けて、しみじみと孫の頬の窪みに目をやりながら再び嘆息するのでした。『本物とまがい物では、見る人が見れば分かる物だ。』そう思うと彼は、この孫の将来に酷く不安が募るのでした。

 

 「ホーちゃんに何でも言っては駄目よ。」

勿論何かしても駄目だけど、あの子に何かすると後が怖いんだから。と、茜さんは蜻蛉君に言うのでした。

「あんた、あの子に何か怒らせるような事か、あの子の嫌がる嫌な事を何か言ったんじゃないの?」

蜻蛉君は別にと答えます、

「唯、地面にあった穴の事を、あいつが掘った穴だろうと言ってやっただけだよ。」

と、彼は屈んで石を物色しながら、そのままの姿勢でちらりと茜さんの顔を見上げ、その顔色を窺いながら、彼女に素っ気なく答えたのでした。そして彼は面白そうにぷっと吹き出しました。

「その時のあいつの顔ときたら、『鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔』っていう、あれがそういう顔なんだなぁ。」

彼は感慨深そうに呟きました。


やはり猛暑でしょう

2018-08-30 09:59:42 | 日記

 暑さですね、晴天が続きました。熱中症にならないように、電気代の節約の為に、ショッピング店で避暑をした日が多かったです。それも思い出ですが、今年例年と違ったことをしたと言えば、その思い出があります。これはまだ継続中です。

 愛車が古くなったので、次の車検までに買い替えようと考え、今夏はよく車のお店で試乗しました。あと2社は見て回りたいなと考えています。車検は来年なので、のんびり考慮したいと思います。

 今の車はもう20年近く乗る事になり、ほぼアナログ時代の物といえるオートマチックなだけの車です。ラジオとカセットのみのカーナビも何もない車です。実用的な物だと言えばそれ迄なんですが、やはりこれだけ乗って来ると愛着があります。あともう1年。早ければ半年ほど、そう思うと、ハンドルやフロント部などをナデナデしてしまいます。

 そんな私が最先端でハイテクな車の試乗をするのですから、計器類に目が及ぶわけがありません。運転だけで手いっぱい、「ほら、ランプが付いているでしょう」など言われてミラーを見ても、自分ではわき見運転している感覚です。それでも、フロントガラスを見渡してみると、とても見晴らしがよく素敵だと思ったり、るんるんと運転しやすい車だとか、きゃー運転しづらい、相性が悪い、と思う車もありました。

 結局、やはり試乗してよかったです。それぞれの車の特徴以前に、自分が運転しやすい車、しづらい車の2タイプあるという事が分かっただけでも今夏の収穫でした。後は機能とか、装備とか、予算とか好みで決める予定ですが、何につけても、自分がきちんと安全に運転できるか如何かを考えて決めたいです。今夏の思い出は以上です。(試乗で事故らないように願っています。それが今夏の思い出になるなんて嫌ですからね。)