研修旅行
17日、渡航して4日目です。メモの少なさや写真の日付のずれもあり、私自身も疲れが出てきたこの時期なのです。この日以降の紀行文がきちんと書けないような気がしてきました。先に前もってお詫びしておきます。
昨晩の黄昏に感激したせいか、16日夜は比較的遅くまで起きていたようです。それでも黄昏時の22時と言う時間に気付くと、24時迄には寝てしまったと思います。17日朝は、朝食前の7時にホテル前に集合でした。講師の先生と旅行者の全員で、ホテル近辺を散策予定になっていました。それでその時間に間に合わせるようにと、私は早めに7時前に身支度を整えて、ホテルの前の湖畔に出ました。
湖畔はまだ日が入らず、湖面にはねずみ色がかった白い靄が筋のようにふんわりと下りていました。向こう岸の木々が見えます。朝の静寂の中名前の分からない水鳥が数羽、水面や空中で思い思いに活動しているのが見えました。水鳥の泳いだ後につく水面の模様、丸い波紋や、スーッと伸びていく柔らかく静かな直線の筋を、また詩的な物だなと感じ入って眺めていました。
と、白鳥の親子が私の方へ向きを変え、一直線に泳いで来るではありませんか。またもや私は焦りました。もちろん餌になる物など持っていません。それより、前日の船着き場のカモの時もそうでしたが、自然の動物に餌を与えて良いのかどうかを私は迷っていたのです。実はカモもこの白鳥も人には良くなれているようでした。姿をみて寄って来るくらいですから、人の手から餌を貰いたいのですよね。確り餌付けされていました。
しかし、私は別の場所で動物と人がきちんと分かれて住み分けしている場面を体験していました。こちらでも本当はそうなのかもしれないという迷いがあったのです。余計な事をしてはいけないかもしれないと思っていました。鳥が嫌いなわけではないのです。どちらかと言うと鳥も好きな動物でした。ペットに飼っていた事もあります。唯、私は白鳥の口ばしからアヒルの口ばしを連想しました。私はアヒルに足を食いつかれたことがあり、その口ばしの痛さを知っていました。『白鳥も、啄まれると痛いんじゃないかしら。』親の白鳥の口ばしをそれとなく観察しながら、私はそれとなく白鳥の親子を避けるのでした。