Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

大事なものは

2016-08-30 23:24:23 | 日記

  花束の件で部長さんの気持ちが分かり、成る程と思ったことでした。思えば2人の会話は自然で無理のない物でした。

そうか、先輩と向こうの部長さんがね、全く気付きませんでした。部長さんが送ってくれるのは義務感からだとばかり思っていたのです。先輩に気があったんだ、というか、改めて2人の会話を聞くと気心がしれた恋人同士の会話でした。

いつの間に、きっと私達の入学以前からの付き合いなのだと思うと、やはり流石に先輩です。

 私だけが知らなかったのかしら、同期生に聞いてみます。やはり全く知らなかったとの事、世の中こんなものですね。

面白かったのは、彼女もまた部長さんに気があったようで内面のショックが隠し通せないでいた事です。

あんな花束欲しくないよね。そう言うので、何故かときくと、菊の花が多く、仏花みたいだ、あんな花束junさんもらわなくて良かったよ、私も欲しくない、などいうのです。彼女の表情は心ここに在らず、半分くらい上の空であったのがよく分かりました。

 私もまた考え込んでいました。

何をかというと、高校時代の最低な日のことです。こういった巡り合わせが不思議でなりません。

彼女がjunさんショックでしょう、と言うので、私は実は前にもこんな経験があると話し、2度目だからと、直ぐ手を出さなくて良かった。それと順番と思えば先輩が先だから、いいわ。と答えるのでした。

元々、長い、そう長くもないカムフラージュだったことですし。大事なものは人に見せたく無いものです。よね。


花束

2016-08-30 22:31:27 | 日記

  結局、ちょっと待っててとらーさんがAさんの後を追っていき、私は店の前で佇んでいました。するとそこへ先輩が戻って来て、同期生が戻って来て、同じ下宿組が3人揃いました。

らーさんを待っていると言うと、もう戻って来ないということで何時ものようにやって来た向こうの部長さんに送ってもらい4人で駅へ向かいます。

 繁華街を駅へと歩く道すがら、もう仕舞いかけた花屋さんがありました。

部長さんがちょっと待っててと花屋へ行き、店員さんへ話しかけ、花束を一つ貰ってきました。

真直ぐこちらへ歩いてきます。

おや、これは期待できる展開です、あの花束を私はもらえるのでしょうか。

部長さんは私の目の前で止まりました。

  実は、最初の顔合わせ会が終わって、下宿の同期生に私は誰が好きかと聞かれたので、最初めーさんと言ってあったのですが、何回かコンパを重ねる中、部長さんが好きだと言ってありました。

何回かしつこく聞かれる中、本当に好きな人を隠して置きたくなったのです。カムフラージュですね。

とはいえ部長さんもしっかり面倒見が良くやはり好きな人でした。

  今にも花束が私の目の前に差し出され、と、花束はスイッと横に逸れ、そこにいた先輩の目の前に差し出されます。

先輩は、「私に、ありがとう。嬉しい。」と言って受け取ると、少し横の私を気遣うように見て、 部長さんに目を戻すと2人でにこやかに話しはじめました。

 『またか!』

 過去の最低の件の再現のよう。何で私はこんな目にあうんでしょう。

でも、2度目なので花束がきちんと目の前に来て私の物とハッキリする迄手を出さなくて良かった。バツ悪く、変な恥をかかずに済みました。

ただ、今回は部長さんがはっきり私の前にいて、横の先輩に花束を渡すという不自然さが気になりました。

同じような事が重なるなんて、とても奇妙に思え、誰かが陰で糸を引いているような気がしてなりませんでした。

 

 


餞け

2016-08-30 20:49:18 | 日記

 年が明けると先輩の卒業は直ぐです。送別会が有りコンパです。

この頃になるとサークル内でもカップルが出来、集いが終わると各々組になって解散です。外に出ると皆さっさと消えて行きます。今までのように送って来てくれる人がいません。

 ?、今日はどうしたのでしょう。

 何時もは私と先輩、同期生の3人を誰かしら近くの駅へ送るか、タクシーに乗せてくれたものです。

今日は如何したんでしょう。いつもと勝手が違うと私は思います。 

 外で私がポツンと待っていると、出てきた同じ学校のサークル員の人が聞きます。

あれ、junさん、誰とも組になってないの?

私がそうだというと、まだ残っていた人に声をかけてくれます。

 junさん1人なんだって、誰か残ってない?

困ったなぁ、もうみんな組になっちゃって(ラストなので)らーさんしか残ってないよ。と、私とらーさんが引き合わされます。何時もはめーさんか部長さん、若手の部員の人が送ってくれるのですが、ほとんど話した事が無いらーさんの名前が出たので困惑してしまいます。

再び同じ学校の人が言います。

「しょうがないよ、残っちゃったんだから、今まで私、らーさんと付き合ってたからよく分かるけど、らーさんいい人だから宜しくね。

そう言うとさっさと行ってしまいました。

 お店から、らーさんが出てくると、にこやかに対応してくれます。

私も表面にこやかにその場を収めようと思います。でも、どういうわけかさっきの(紛らわしいので、Aさんとします、さっきの私と同じ学校の女子学生です)Aさんが戻って来てらーさんに何か囁きます。

じゃぁね、とにこにこして今度は本当に行ってしまうようでした。

二人で仲良くね。 

 何だか、  そう言われるとらーさんと私の間にはお互いにバツの悪い思いがこみ上げて来ます。

あまり者同士くっ付くのを、お互いのプライドが許さない、そんな感じでした。

 


2016-08-30 11:40:16 | 日記

 私はその時思い立ってもう1人の連れの事も聞いてみようと思いました。同級生なら、2人連れの1人だけをクローズアップして聞いたのでは、もう1人がこの事をあとから耳に入れたら不快に思うだろうと考えたのです。

あの日親切になり、すげなくした事へのちょっとした私なりの恩返しのつもりです。

「もう1人の人に心当たりがないでしょうか?

と、聞いていた出身地と、大まかな名前を言ってみます。こちらは流石に思い当たらないとの事でした。知りたいの?という問いかけに

「別にいいんです、そちらは特に印象に残ってないので、ちょっと聞いてみただけです。

と、少しはにかんで答えておきました。

「印象に残らないなんて、何て惨めなやつなんだ。

そうですね。そうですねと答えながら、あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たず、難しいものだなと私は思います。

内心『別に分かってもよかったな、もう一度話をすると、また違った感じの人かもしれない。』と思ったことでした。

 印象に残らなかったのはあまり話をされなかったからなんです。それでも、場に合わせた話をされようとして幾つか話をしておられました。祖父母がモボモガだと言っておられたり、何かがストマイだとか、お祖父ちゃんっ子、お祖母ちゃんっ子なのかなという印象でした。特効薬についての詳しい話は忘れました。静かだっただけに人間的な深みのある人かなと思ったことでした。

 さて、無事忘年会も終わり下宿に帰った私は早速友人に電話します。こちらは、キャーとばかりに友人の歓喜の声で電話が終わり、その年は暮れたのでした。