七夕が過ぎてしまいましたが、お星さまキラキラ、金銀砂子♪
七夕飾りにつきものなのが折り紙、色紙です。
ある日、皆は一袋ずつ色紙を貰いました。好きなものを折っても良いということで、私は先ず大好きな金紙銀紙を手に取ると、早々に得意の2点を折り上げました。他にも好きな色を次々と手に取ると何枚か他の作品を折り上げて行きました。
しかし、好きな色が無くなるに連れて折り上げる意欲は段々無くなってしまいました。こうなると周囲の様子が気になって来ます。皆んなどんな物を折っているのだろう?どんな色を使っているのだろう?そんな事が気になって来ました。
見回すと皆もそれぞれ幾つか折り上げて自分の周囲にごろごろ並べています。それぞれに特徴が出ていました。何人か見て感化を受け、次に目を移すと最近仲良くなり遊び始めたえーちゃんの色紙袋が見えました。
おや、何とその中には綺麗に光る金銀の色紙が揃い踏みです。まだ使われずに真新しさを放っているのです。
えーちゃんは折り紙が進んでいないわけでは無く、薄くなった残り少ない袋の中に2枚は折残されていたのです。
自分の例から言うと好みじゃ無い物があとに残っているのですが、えーちゃんの場合はどうなんでしょうか?
あんなに綺麗な金と銀だもの嫌いなわけないわね。そうは思いましたが、念のため聞いてみました。
「えーちゃん、金と銀の色紙嫌いなの?」
この問いに、にこやかにそうだとえーちゃんは答えたものです。
それはもう、それはもう私の喜ばまいことか。
やったー!とばかりに天にも昇る気持ちでした。すかさず(誰にも先を越されない内にと)
「junちゃんその色好きだから、えーちゃんよかったら頂戴。」
とおねだりしてみるのでした
すると特に抵抗なくえーちゃんは笑顔のまま快諾してくれました。
こんなに事がうまく運ぶなんて、本当に有頂天の私でした。
さて、私は折りたい物を折った後でしたから、暫くその金銀の色艶をうっとりと眺めていました。
何しろ後先考えずに好きな色というだけで金銀をさっさと使ってしまったのですから、事ここに至って漸く黄金白金色を愛でる暇が全く無かったという事に気付いたわけです。
そこでこの美しい色を確りと堪能する事にしました。
ピカピカキラキラ、言わずともその輝きは非常に美しいです。
私は金色と銀色を交互に眺めてその魅力にすっかり心奪われていました。もう満面の笑みです。
『本当に、どうして金色と銀色はこんなに美しいのだろう、世の中にこんな色があるなんて。この色より美しいものは世間広しといえども他にはあるまい…』
など溜息交じりに思ってみると、金と銀の1位2位の優劣について考えてしまいます。
この2つの世間での評価は知っていました。でも、私にとってはどうだろうか?と考えたのです。
目を引くのはやっぱり燦然と輝く金!、でも銀色の涼しげな落ち着いた美というものも、私にはまた堪らない魅力なのでした。
甲乙つけがたい、優劣がつけにくい、そんなことを思いながら金と銀、両手に持った色紙の角度を交互に変えながら、そのキラキラ反射する質の違う光沢を飽きることなく愛でるのでした。
新しいボーイフレンドからもらった金銀、何て嬉しい!
いうまでもない尚更の幸福感に満たされて、その日は至福の時を過ごすのでした。
『えーちゃんとお友達になってよかった。えーちゃんっていいなぁ。』