試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5337[78F] 非冷房車 後期仕様 車体高嵩下試行 (動力ユニット搭載車:導電板角度変更施工)

2019-12-03 21:38:40 | 5号東西線,営団線
検証。

マイクロエース製東京地下鉄5000系5234冷房改造車(63F:5813)は2016年9月に動力ユニット整備が行われた。
この際集電効率向上のため導電板両端部への整形を施したが余計な車体高上昇を招いただけに終わった。
結局全高を製品仕様に戻すべく2019年11月の導電板角度修正入場へと至っている。


交通営団5000系5337 非冷房車 後期仕様(78F:動力ユニット搭載車)。

元々マイクロエース製交通営団・東京地下鉄5000系列の動力ユニット搭載車は非動力台車に比べやや車体が高かった。
全高上昇へと直結した導電板角度変更だったが逆に車体高嵩下も不可能ではないと考えた。
一旦製品仕様に復した5234用導電板は予定を変更しユニットカバーとほぼ水平まで角度が寝かせられる。
この強引な試行が的中し5234の全高は非動力車並に落ち着き納得できる編成見附に達した。
竣工から約半月が経過したばかりだがFS-502動力台車の通電不良は一度も発生していない。
しかし5234に於ける試行結果は単なる偶然かもしれず第二次車体高嵩下対策試作車の追加竣工が決定した。


入工中の5337。

車体傾斜解消を狙った交通営団5000系5828,5028非冷房車後期仕様(78F:5828)はその目標に至らないまま作業が打ち切られた。
だが如何せん消化不良感が強く床板湾曲対策は5828,5028で続行し完全解消を図る方針に転換している。
そのため61F非冷房車中期仕様(5811),東葉高速1000形12F増発予備編成(1121←61F:三代目)の入場は先送りとなった。
必然的に第二次車体高嵩下試作車には2017年1月の入場で動力ユニット整備を終えていた5337(78F)が抜擢される。
5337(7号車)は集電効率向上対策が採られておらず製品原形を保つ導電板に手を加える初事例となった。


クリーナーの拭き上げ不足が露呈した5337用動力ユニット。

整備から約2年11箇月が経過した5337用動力ユニットは想定より導電板の状態が悪かった。
研磨後のクリーナー清掃が災いしたらしく導電板表面は斑模様に変色していた。
この惨状でも5337用動力ユニットは好調さを維持しており整備前の酸化とは異なると思う。
ただ現在クリーナー清掃は整備工程から外され導電板の研磨もラプロス#4000に変更されている。
よってラプロス#8000と3M製研磨フィルムで磨いた導電板は斑模様と共に再整備が決定した。
一度磨き直したせいか導電板が真鍮色へ復する時間は思いの外早く早々に導電板角度変更へと移行出来た。




角度が緩められた導電板端部(中野寄)。

5337用動力ユニットの導電板は前回入場後も焼き潰し固定が生き残ってくれた。
従って導電板端部は自由度が高くゴム系接着剤固定を採用した5234用動力ユニットよりも整形し易くなると思われた。
ところが焼き潰し箇所と導電板端部は比較的距離が離れておりピンセットの入力を受け流してしまう。
作業途中では逆に導電板角度がきつくなる事態が発生し5234用動力ユニットを下廻る進捗率となる。
一進一退ばかり繰り返す折り返し部への直接施工は諦め導電板狭幅区間全体を台枠側へ撓ませる手法に切り替えた。
ピンセットで導電板端部から狭幅区間を押し込む要領にてユニットカバー裏面との間隔を詰めている。


油脂を除去したモーター軸受部。

導電板の狭幅区間はユニットカバー裏面に対しなだらかな円弧を描く形状へと変更された。
台車集電板との接触部に限れば水平を保てているものの台枠への取り付けで偏位する可能性がある。
折り返し部手前の凹形整形部が逆方向へ押し付けられると車体高嵩下作用を無効にしかねない。
しかし焼き潰し固定をわざわざゴム系接着剤固定に格下げする利点が一切見当たらなかった。
最終的に5234用動力ユニットと異なる処理方式を採ったため第二次試作車独自の作業注意点が発生している。
なお5234と動力ユニット整備入場時期が近かった5337も一世代前の工程に留まっており追加施工を行う。


整備直後の状態を維持していたFS-502動力台車(西船橋寄)。

モーター周りは目視点検だけに留められており軸受部には油脂付着が見受けられた。
比較的症状は軽く極細綿棒とクリーナーで軽い清掃を施した後に注油している。
純正グリス塗れだったFS-502動力台車は徹底的に分解整備を行った記録が残る。
クリーナープールを持ち出した甲斐あってか金属部品の変色は発生していない。
プラスチック製ギア類も摺動抵抗が感じられる状態ではなく車輪回転は非常に軽かった。
5337の動力ユニット整備は経年対策が主眼に置かれたが一応その効果が実証されたと思う。


台車集電板と接触する導電板(中野寄)。

現行水準へと引き上げられた5337用動力ユニットであるが焼き潰し固定式導電板がどの様に作用するか判らなかった。
特に中野寄ユニットカバー表面には室内灯集電スプリング挿入口が設けられている。
ユニットカバー裏面は西船橋寄よりも複雑な成形が成されている上に導電板の狭幅区間と近接していた。
導電板が偏位してしまうと中野寄FS-502動力台車の通電不良を引き起こす要因になるかもしれない。
そのためユニットカバーは西船橋寄から嵌合を開始し中野寄導電板と台車集電板の状況が都度視認できる体勢とした。
中野寄ユニットカバーが嵌まる直前まで両者の接触を確認出来たが組み立て後の状態は掴みきれていない。




5337(車体高嵩下試行:導電板両端部角度変更施工)。


東京地下鉄5000系5234(63F:第一次車体高嵩下対策試作車)。

走行試験は当然の如く中野寄FS-502動力台車の通電状況確認が第一項目となった。
どうやら導電板を撓ませる整形方法でも問題無かったらしく2軸駆動に陥る事態は回避された。
モーター軸受部への注油も起動加速度向上へと結び付き思わぬ施工結果が得られた。
所定の整備を終えた動力ユニットだが5354(61F:三代目)を種車とする5337には独自の嵌合爪増設が施工されている。
61Fの戸袋窓閉塞車用側面窓セルは非動力車専用であり4点支持では動力ユニットを安定させられなかった。
発生品にて8点支持へ改めたものの2箇所の嵌合爪は採寸せずに追設したため車体不等沈下発生が懸念された。




5919+5337 (78F:非動力車+動力ユニット搭載車)。


東京地下鉄5000系5902+5234 (63F:非動力車+動力ユニット搭載車)。

粗雑な動力ユニット安定化対策だったが嵌合爪増設は台枠の正規位置が保たれた状態で行えたらしかった。
奇遇にも車体に溶着した嵌合爪と側面窓セル嵌合爪は同一高で揃っておりFS-502動力台車の装着具合に左右されない。
そのため車体と動力ユニットの相対関係は入場前から全く変わっておらず心配は杞憂に終わっている。
竣工した5337(78F)は極端な全高上昇を示していた5234よりも変化に乏しい仕上がりとなった。
だが確実に車体高は引き下げられ5919(6号車),5103(8号車)と雨樋位置が揃う編成見附へと至った。
5337でも同様の答を得られたため5234での車体高嵩下試行結果は必然だったと言えよう。

交通営団5000系5828[78F] 非冷房車 後期仕様 車体傾斜緩和対策施工 (ライトユニット固定化)

2019-12-02 21:36:37 | 5号東西線,営団線
同類。

車体傾斜解消入場だったはずのマイクロエース製交通営団5000系78F非冷房車後期仕様(5828)だが早くも壁にぶつかった。
種車に起用した61F非冷房車(5811)から続く5828(78F←5811),5028(78F←5011)の車体傾斜は急展開で修正へと至る。
だが東京地下鉄5000系5813,5013冷房改造車(63F:5813)での部品嵌合改善方式を踏襲した5028は車体傾斜緩和に留まった。


交通営団5000系5828 非冷房車 後期仕様(78F)。
※FS-502非動力台車装着車。

2015年5月に導入した61F(二代目)の回着整備を振り返ると元5811は傾斜が生じていなかった。
しかし直後の出場記録では5028と共に山側への傾きが見られ整備中に余計な症状を引き込んだらしかった。
5828に於ける疑わしい施工は表示器用プリズムケースの着脱だけではない。
非冷房車後期仕様を再現するには製品仕様のFS-358非動力台車が似つかわしくなく思えた。
そこで同時投入となった61F(三代目→東葉高速1000形12F増発予備編成:1121)とFS-502非動力台車を相互交換した。
5828の車体傾斜発症はFS-502非動力台車装着車へ改めた作業が起点だと思われた。


入工中の5828。

5028では長年負荷が掛かり続けた床板の湾曲が疑われライトユニット固定化を第一工程とした。
78Fが初出場した後の動向は5828,5028とも同様であり当然5828用床板の状況も芳しくないはずである。
更にFS-502非動力台車の装着が怪しい5828は床板関連項目が第一工程になるはずだった。
ところが車体を分解した途端に表示器用プリズムケースが丸ごと転がり落ちてきた。
車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚を失った5028の直後でもあり作業順が入れ替えられる。
急遽表示器用プリズムケース固定化を先行した後に床板整備へと移る慌ただしい滑り出しとなった。


製品原形を維持する車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚。

脱落した表示器用プリズムケースは車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚の折損を連想させた。
真っ先に運転台側天井を確認し車体中央寄,側板寄嵌合爪双方とも折損の恐れは無いとの確信を得ている。
流し込み接着剤投入痕は表示器用プリズムケース後端部に相当する位置が中心であった。
しかも引っ掻いた様な傷跡が残るのみで直接ラプロス#8000にて平滑化を施した。
同一LOT品の5828と5028であるが流し込み接着剤の投入箇所には個体差があった模様である。
5028は止むを得ず表示器用プリズム天面へゴム系接着剤を塗布したが5828の状況を考えると強ち外れではない様に思えた。


ゴム系接着剤で固定した表示器用プリズムと表示器用プリズムケース。

表示器用プリズムは間接式減光対策が施工済であり表示器窓黒Hゴム支持再現の補修だけを行った。
なお自作[快速 中野 地下鉄経由 KAKANO]幕ステッカーには若干の劣化が確認された。
自作行先方向幕ステッカーが傷む事例は殆ど存在しておらず5828用ステッカーは珍しい個体と言える。
新たなステッカーへの貼り替えも考えたが以後の作業が詰まっているため見合わせとなった。
嵌合精度の高い表示器用プリズムと表示器用プリズムケースだが多少のずれを受け入れてしまう。
そのためゴム系接着剤で一体化を図りライトユニットと正確に噛み合う状態が保てる構造とした。


分解に苦戦した5828用床板。

表示器用プリズムケースの固定は5813,5013を基本としながらも側板寄嵌合脚部へのゴム系接着剤塗布も追加している。
5813,5013よりも車体傾斜が激しい5828では十分な固着力を得られないと考えた。
尚且つ5028では直接固定を施しても傾斜解消には至らなかったため支持点の増加に踏み切っている。
固定箇所の増強より表示器用プリズムケースは取り外しに手間が掛かるようになる。
傷みが出始めた[快速 中野 地下鉄経由 KAKANO]幕ステッカーは何れ交換を要する。
その際は表示器用プリズムケースを撤去せず車体前面から直接貼り替える方式になると思う。
側面窓セルを取り付け床板の分解に取り掛かったが5828用床板は一癖ある個体であった。


傾斜するライトユニット。

勝手に脱落した5013以外ライトユニットは台枠裏面の嵌合孔から押し出して撤去していた。
ところが5828用ライトユニットの海側嵌合爪にはこの方式が通用しなかった。
座席部品,ライトスイッチ部品,ウエイトを先行して取り外し台枠を撓ませて引き抜いている。
懸念された台枠の湾曲は発生しておらず座席部品,ウエイトも整形を必要としなかった。
後はFS-502非動力台車の締結に注意を払うだけと思われたがライトユニットは取り付けまでも苦しくさせる。
如何なる装着方法でもライトユニットの山側が浮き上がってしまい運転台側部品を平行に持ち込めない状況が続いた。


引掛式嵌合爪にも塗布したゴム系接着剤(山側)。

一向に状況は改善されずライトユニット装着を後回しとしFS-502非動力台車の締結へ移行している。
皮肉な事に座席部品と台枠の平行を確認しながら締結するにはむしろ都合が良かった。
改めてライトユニットを組み付けたが山側が浮き上がる症状に変化は見られない。
ライト基板集電脚は海側,山側が同一角度で揃い下手に手を加えられない状態だった。
止むを得ずライトユニットの台枠天面用嵌合爪に加え山側引掛式嵌合爪部にもゴム系接着剤を塗布した。
この対策によりライトユニットは傾斜が抑えられ5028用床板と類似の形態に辿り着いた。




5828 [96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工。


東京地下鉄5000系5813 [33S 快速 三鷹]:63F(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工車)

5828にも一通り5813,5013と共通の施工が行われ車体を組み立てた。
だが嵌合の結果は今ひとつで終わり5813,5013ではなく5028に通ずる車体傾斜緩和が精一杯だった。
対策効果は浅くなった傾斜角度となって現れたが5828もTNカプラーSPと前面車体裾が平行に揃っていない。
戸袋窓付車の5813ではライトユニット固定化だけでTNカプラーSPは前面車体裾と合致してくれた。
冷房改造車と非冷房車の違いこそあるが基本構造は共通なはずで運転台側嵌合部に解決策が隠されていると思われる。
なお床板単体に不具合は無くFS-502非動力台車装着車への改装自体は車体傾斜発症と無関係だったらしい。


5828 点灯試験[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:前照灯(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工)。


5828 点灯試験[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:尾灯(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工)。


5028 点灯比較[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:78F(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工車)。

前尾灯点灯時にちらつきが発生していた5828だが点灯試験で改善が確認された。
恐らくライトユニットの固定化が安定点灯に結び付いたと推測している。
5028に続き冴えない結果で竣工を迎えた5828(78F)であるが編成見附だけは向上したと思う。
長期に渡り製品仕様と決め付けていた車体傾斜が廃され施工したなりの答は得られた。
同様の理由で修正を見送ってきた61F非冷房車中期仕様(5811),東葉高速1000形12Fも修正対象に浮上した。
出来れば運転台側台枠湾曲の解消を実現させ78Fにその結果を返したい。

交通営団5000系5028[78F] 非冷房車 後期仕様 車体傾斜緩和対策施工 (表示器用プリズムケース全面固定化)

2019-12-01 21:45:11 | 5号東西線,営団線
極端。

これまでマイクロエース製交通営団5000系61F非冷房車(5811)は3編成が導入された。
61F(初代)は製品仕様に従った61F非冷房車中期仕様(5811)として出場させている。
一方61F(二代目),61F(三代目)は78F非冷房車後期仕様(5828),東葉高速1000形12F増発予備編成(1121)へ改装となった。


交通営団5000系78F 非冷房車 後期仕様。
[78F]:5828-5282-5655-5353-5119-5919-5337-5103-5284-5028
※快速表示器撤去,B形防護無線アンテナ追設編成。

交通営団5000系東西線所属車は各年代により様々なバリエーションが存在した。
61Fは戸袋窓付車:7両,戸袋窓閉塞車:3両で構成される典型的な非冷房車7両編成を10両編成化した車両構成であった。
非冷房車編成の増強に当たり61F(二代目)と61F(三代目)同士で車両異動を行い61Fとの差別化が図られた。
2015年5月に出場した78Fは戸袋窓閉塞車が5両組まれる編成見附が特徴である。
更にTOMIX製B形防護無線アンテナを追設し行先表示類も自作[快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]幕ステッカーにて後期仕様化した。
その後2017年1月には5337(78F)の動力ユニット整備が施され順調な成績を収め続けてきた。


入工中の5028非冷房車後期仕様(78F)。

比較的状態の良い78Fであるが導入当初から5028(78F←5011:61F)は激しい車体傾斜を抱えていた。
回着整備時に表示器用プリズムケース撤去を行ったためか5828(78F←5811:61F)まで同様の症状が発生する。
5011の状態もあり種車を由来とする現象と考え修正は半ば諦めていた。
先日マイクロエース製東京地下鉄5000系63F冷房改造車(5813)が入場した際に5013(63F)でも車体傾斜が発覚した。
5813(63F)の入場時にライトユニットが傾斜の原因だと判り5013は無事修正が図られた。
併せて表示器用プリズムケースの固定化が行われており5828,5028も同一方式での車体傾斜修正を試みる。


若干撓みが発生していた5028用床板。

2015年6月にTOMIX製PG16形パンタグラフへ換装された78Fだが5828,5028には入場機会が巡って来なかった。
5337の動力ユニット整備も単独入場であり5828,5028は傾いたまま約4年7箇月が経過しているため各部への悪影響が不安視された。
よってライトユニット及び表示器用プリズムケースへの小細工には拘らず完全に分解して原因を追求する。
先発入場車は種車の元5011時代から車体傾斜に苛まれ続ける5028とした。
床板の取り外しは至って順調と言え5013のようにライトユニットが転がり落ちる事も無かった。
一見無瑕に見えた5028用床板だったが分解を進めると長年の歪みが蓄積していた。


全ての部品が平行に揃えられた運転台側床板。

山側が下がる運転台側台枠はその捻れを記憶してしまいなかなか元に戻せない。
部分修正では全く埒が明かず全体に撚りを加え解消へと持ち込んでいる。
ライト基板集電脚も海側と山側の形状が異なっておりライトユニットを傾斜させる。
集電脚は山側の反力が強く釣り合いを保てない状態だったため海側と同一角度に改めた。
何故かウエイトだけは西船橋寄車端部の変形が見られ本直線状に整形した。
そしてライトユニット取付脚と台枠表面の取付孔をゴム系接着剤で固定し5813,5013用床板に揃えた。


側面窓セルも撤去した5828。

一応運転台側床板はライトユニット,台枠,TNカプラーSPが平行に重なる状態まで回復した。
続いて車体から側面窓セル,表示器用プリズムケースを撤去する。
この時期の製品にしては珍しく61Fは側面窓セルへの流し込み接着剤投入が成されていない。
戸袋窓,側扉窓黒Hゴム支持化施工後の取り付けが甘くなった可能性が否めず再着脱を行う。
表示器用プリズムケースは挿入のみに留められていたが車体を縦方向へ傾けるだけで脱落した。
幾ら側面窓セルを取り外した後とは言え余りの不安定さに唖然としている。


折損した車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚。

だが5013にて表示器用プリズムケースが車体傾斜を招く要因になると掴めていた。
5028の極端なまでの傾きは固定しなかった表示器用プリズムケースが倍加させたと推測した。
固定化を行う前に流し込み接着剤投入痕が残る車体天井の平滑化へ着手している。
最も表面が荒れていた箇所は車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚周囲であった。
ところがクロスが僅かに触れただけで取付脚は根元から折れてしまった。
恐らく元5011は初めからこの取付脚に瑕疵があり山側への傾きを抑えられない構造に陥っていたと思われる。


天井に直接固定された表示器用プリズムケース。

車体中央寄取付脚は表示器用プリズムケース固定化の命綱であり非常に痛い折損だった。
残念ながら生き残った側板寄取付脚への施工では全体の安定性を稼ぎ出せない。
路線変更に迫られた5028は先ず表示器用プリズムとケースのゴム系接着剤固定を強化した。
そして表示器用プリズム天面へゴム系接着剤を塗布し天井へ圧着する方式に切り替えている。
ただ1脚嵌合になってしまった表示器用プリズムケースは車体中央側を浮き易くする癖が生じた。
そのため完全に固着するまで手が離せず作業は一旦抑止状態へと陥ってしまった。


経年劣化は感じられなかったパンタグラフ撤去痕。

ようやく表示器用プリズムケースは微動だにしなくなり5813,5013と同程度の効果が期待できる状態まで到達した。
海側用側面窓セルを取り付けた際も車体中央側の位置偏位は発生しなかった。
ライトユニットからの入力にも耐えられる強度を持ち今後の取り扱いには支障しないと思われる。
なお接着固定も有り得た側面窓セルだが嵌合精度に問題は無く従前を引き継ぎ嵌め込んだだけとなった。
分解に併せて交通営団8000系12F冷房改造車東西線仕様(8012)の発生品で再現したパンタグラフ撤去痕を点検している。
碍子部品脚径と取付孔径は若干異なるが車体内側から押し出そうとしても爪楊枝の先端が負ける程強固に溶着されていた。




5028 [96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工。


5028 車体傾斜緩和施工。

また脱落が相次いだTOMIX製B形防護無線アンテナを置き換えたKATO製B形防護無線アンテナの固定状況も確かめた。
取付脚を切除した接着固定だが流し込み接着剤併用式採用後の施工であり当面補強は無用だと思われる。
車体への細工及び点検を終えライトユニットが固定化された床板の装着に取り掛かった。
表示器用プリズムケースも同時固定となったため取り付けは両者の嵌合位置を基準とした。
車体傾斜角度は緩くなったものの5013の域には及ばずまだ傾きが気になる状態だった。
床板用側面窓セル嵌合爪は比較的車体中央寄に位置しているため運転台側床板の微調整を行っている。


5028 点灯試験[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:前照灯(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工)。


5028 点灯試験[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:尾灯(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工)。


5033 点灯比較[65S 快速 東葉勝田台]:83F(クロスポイント製行先方向幕ステッカー貼付車)。

床板整備完了時にはライトユニットからTNカプラーSPまでの配置が揃っていた。
この位置関係を崩してしまうと作業は振り出しに戻りかねないと思われた。
よって基本形態には手を伸ばさずFS-502非動力台車の締結調整にて更なる車体傾斜修正を目指した。
最終的に車体傾斜は収まったが前面車体裾とTNカプラーSPには微妙なずれが残る。
しかも西船橋寄妻面では完全解消へと至っているため課題は運転台側床板に絞り込まれた。
ただ現時点で考え得る手段は全て打ち尽くしており車体傾斜緩和を以て5028の作業は終了となった。


5028非冷房車後期仕様(78F:ライトユニット固定化施工)。

入場前から5028は安定した前尾灯点灯を維持しておりライトユニット固定化後も変わらなかった。
側面見附への副作用は無く現行方式の延長線上に立ち車体傾斜解消まで作業を進める。
次に入場させる5828も可能な範囲で修正を行う予定であり車体傾斜緩和に留めるかもしれない。
なお78Fは83F冷房改造車(5833←旧63F:5813)と共通の間接式表示器用プリズム減光対策が施工されている。
行先表示器の点灯照度差は83Fにクロスポイント製行先方向幕ステッカーを採用したためである。
この光量差異解消は車体傾斜以上に難しく永遠の課題になると思う。

東京地下鉄5000系深川検車区63F [5813] 冷房改造車 (種別・行先変更,5234 車体高嵩下) ※旧製品

2019-11-17 21:46:17 | 5号東西線,営団線
標準化。

マイクロエース製東京地下鉄5000系63F冷房改造車(5813)の本格入場は2016年9月以来となった。
前回入場では5234(7号車)の動力ユニット整備が名目とされ5813以下9両は仕様変更を受けずに再出場している。
初出場当時の設定を維持したまま現在に至っていたが今回初となる行先変更が実施された。




東京地下鉄5000系63F 冷房改造車。
[63F]:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013]。
※旧製品。
◆種別・行先変更,表示器用プリズム減光方式変更,5234 動力ユニット再整備。

交通営団5000系は1964年から1979年まで6次に渡り製造が続けられた形式である。
1966年8月に登場した63F(5813:7両編成)は大手町開業用の2次車で1次車よりも若干前面行先表示器位置が下げられた。
ベンチレーターは箱形へ変更となった一方で室内にはファンデリアが残り冷房改造直前まで独自の見附を保っていた。
◆63F:5813-5233-5621-5234-5615-5235-5013(1966/8)。
この後も東陽町,西船橋と開業区間が延びる毎に5000系の増備が重ねられる。
4次車は西船橋開業に備え1968年11月から1969年2月に掛け7両編成13本が製造された。
これと同時に編成単位での増備が終了を迎え5次車以降は輸送力増強用に切り替えられる。
63Fの10両編成化は1977年8月に行われ戸袋窓閉塞車が特徴の5次車を中間へ組み入れた。
◆63F:5813-5233-5621-5336-5102-5902-5234-5622-5235-5013(1977/8)。
だが1987年12月の10両編成増強時に5233が電装解除対象車となり編成から外される。
52F(5802)へ異動した5233の代わりには5225(旧60F:5810)が充当された。
1992年11月には東葉高速譲渡用車両の廃車に伴い94F(5844)との車両交換が行われている。
この間にはB修繕も行われたが1986年度施工車より戸袋窓が廃止されたため中野方7両に戸袋窓閉塞車が偏る編成見附となった。
◆63F:[5813]-[5225]-[5621]-5336-5102-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013](1987/12)。
◆63F:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013](1992/11)。
5000系の冷房改造は当初16編成が対象とされたが23編成に変更された。
資料によると初期冷房改造計画には2次車が含まれていなかったらしく63Fは後から追加された7編成の1本だと思われる。
1994年5月に冷房改造を受けた63Fは発熱量相殺のため抵抗制御から界磁添加励磁制御へと改造された。
また2次車の特徴だったファンデリアも首振扇風機へ交換となり3次車との差異は扇風機設置方式に伺えるだけとなった。
◆63F:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013](1994/5)。
東京地下鉄移行直前には[S]マークが銀色スッテカーで覆われる珍妙な前面見附が見られる。
2004年4月に東京地下鉄が発足するが承継された5000系は僅か8編成でその中には63Fも含まれていた。
しかし活躍期間は長くなく約9箇月後の2005年1月に廃車されその生涯を終えている。


旧63F。

2009年1月に出場した旧63Fは当初マイクロエース製ステッカーによる[51S 中野]表示が採用されていた。
ただマイクロエース製ステッカーは静態時でも視認性が今一つで物足りなさを抱き続けてきた。
そこでクロスポイント製ステッカーへの変更が確定し2015年5月に[33S 津田沼]表示へ改められる。
再出場した旧63Fだったが同月中の作業事故で交通営団5000系63F(5813)へとプロトタイプが繰り上がった。
その後も仕様変更は続き旧5813,旧5013へ簡易改番を施し83F(5833)に改装されている。
既に63Fの導入が決定しており83Fの行先表示類は[65S 快速 東葉勝田台]へ変更となった。


減光方式を試行していた当時の表示器用プリズム (旧5813用,旧5013用)。

たがクロスポイント製ステッカーが入手困難に陥った煽りを受け83Fの表示器用プリズムは63Fと振り替えとなる。
マイクロエース製交通営団・東京地下鉄5000系列は表示器点灯照度が非常に高い製品である。
動態時の表示は判読が不能な程でありクロスポイント製ステッカーへの貼り替え時に減光対策を検討した。
入場順に第一次試作車:旧5013,第二次試作車:旧5813とされ表示器用プリズムの一部を黒色化する方式で一定の成果が得られた。
ステッカー温存策により[33S 津田沼]表示は表示器用プリズムごと63Fへと引き継がれる。
但し旧5013用表示器用プリズムは減光効果が高過ぎる弱点を抱えたまま5013(63F)へ移設された。




5013 [33S 快速 三鷹]:表示器用プリズム間接式減光対策標準仕様化施工車。

間接式表示器減光対策試作編成の名残を一掃するべく5013が入場第一陣となった。
表示器用プリズム前端部は灰Hゴム再現ぎりぎりまでマッキーが塗り重ねられている。
事務用消しゴムではインク除去が進まずペイントリムーバーと極細綿棒で対応するしかなくなってしまった。
しかも存置される表示器用プリズム後端部の黒色化部が内部で屈折するため進捗状況を判り難くした。
そのためクロスポイント製[津田沼]幕ステッカーを剥離し出来る限り成形色への復旧に努めた。
元々[津田沼]表示は運行時間帯が限られる運用であり作業に乗じて63Fの行先変更へと進む。
[33S]表示は流用とし行先方向幕のみクロスポイント製[快速 三鷹]幕ステッカーに貼り替えた。
照度向上と種別変更の相乗効果で5013は新たな雰囲気に改められたように映る。


車体に固定された表示器用プリズムケース(5813)。

5813は旧5813(→5833:83F)との部品交換時に表示器用プリズム前端部へ黒色処理が追加された経緯を持つ。
マッキーを塗布した箇所は5013用表示器用プリズムよりも簡略化されていたが灰Hゴム再現周りの復旧には無関係だった。
また間接式表示器減光対策試行後から安定度を欠く表示器用プリズムケースの接着固定化に踏み切っている。
表示器用プリズムケースの製品仕様は2点嵌合に加え車体中央側が車体天井と溶着固定も併用されていた。
再着脱を考慮し再装着は嵌合のみとした狙いが裏目に出てしまい運行番号,行先方向幕は奥まり易くなった。
更に5013で車体傾斜が発生した事によりゴム系接着剤固定へ切り替えている。


5813 [33S 快速 三鷹]:表示器用プリズム間接式減光方式標準仕様化施工車。


交通営団5000系5833 点灯比較[65S 快速 東葉勝田台]:83F(表示器用プリズム間接式減光対策施工車)。

車体傾斜はライトユニットの引掛式嵌合が台枠TNカプラー取付部へ正しく嵌まっていなかったためだった。
床板の構造を再確認しながら組み立てた5813は従前が維持された状態で竣工する。
固定化した表示器用プリズムケースはライトユニットとの噛み合わせを容易くさせる二次的効果が得られた。
物理的に双方の位置がずれなくなったため床板装着は余計な気を払う必要性が廃された。
点灯試験を経た後に5013にも同様の施工が施され車体傾斜は解消に至っている。
63Fの表示器点灯照度は在籍する交通営団・東京地下鉄5000系列と同等に達し試作仕様だった表示器用プリズムも消滅した。


5234(車体高嵩下試行動力ユニット搭載車)。


5902+5234 (非動力車+動力ユニット搭載車)。

動力ユニット整備時に施した導電両端の角度で全高が上がってしまった5234では車体高嵩下を試行している。
導電板は焼き潰し固定に代わりゴム系接着剤へ改められており製品仕様へ戻せれば御の字だった。
5902(6号車)との初回連結試験結果でも十分だったが更なる車体高嵩下を目指した。
まだユニットカバー裏面と導電板両端には隙間が残っていたため折り曲げ角度を浅くしている。
その結果5234の雨樋位置は5902,5622(8号車)と揃い動力ユニット搭載車だけ全高が上がる悪癖を取り払えた。
駆動試験でも導電板角度変更の影響は露呈せず動力ユニット整備直後と変わらない稼働を示してくれた。


07系73F,63F。

全3編成に限られる東京地下鉄形式は少数派と言え1形式1編成体制が長く続いている。
63F以外はグリーンマックス製05系40F前期仕様(05140),マイクロエース製07系73F東西線仕様(07103)のみに留まり増備予定も無い。
かねてから5000系アルミ車90F(5950)若しくは91F(5951)のリリースに期待を寄せているが未だ製品番号は欠番のままである。
願わくば5000系同士の離合を実現させたいところだが63Fの4~10号車は戸袋窓閉塞車のためプロトタイプ変更が難しい。
旧63Fの改番時に編成表を確認したがこの製品仕様が縛りとなり83Fしか選択肢が残らなかった。
戸袋窓付冷房改造車用金型を活かした57F(5807),58F(5808),59F(5809)の製品化を望みたい。




63Fサイドビュー(5813:表示器用プリズムケース固定化施工車)。


交通営団5000系83Fサイドビュー(5833:表示器用プリズムケース固定化未施工車)。

再出場した63Fは5234への車体高嵩下試行以外基本的に製品仕様の編成見附を承継している。
交通営団・東京地下鉄5000系は戸袋窓閉塞車組込両数以外に編成毎の微妙な差異が存在した。
側扉窓,戸袋窓を黒Hゴム支持化した83Fと灰Hゴム支持で残る63Fは対照的に映るだけにプロトタイプ時差が惜しまれる。
ちなみに一時は屋根上で存在を主張する明灰色のB形防護無線アンテナを濃灰色へ改める計画も浮上した。
しかし塗装変更とKATO製B形防護無線アンテナへの換装で揺れ動き先送りとなった。
加えて90F及び91Fがリリースされる可能性も諦めておらず来たる時まで現状維持が続くと思う。

東京地下鉄5000系5234[63F] 冷房改造車 車体高嵩下試行 (動力ユニット搭載車:導電板角度修正施工) ※旧製品

2019-11-16 21:47:58 | 5号東西線,営団線
浮遊。

所有するマイクロエース製動力ユニット搭載車は2015年9月より本格的な整備を開始した。
以前の導入編成では動力ユニット搭載車を回着整備入場対象に加えていなかった。
後年酸化した導電板や純正グリスの劣化が明らかとなり回着整備項目に加えている。


東京地下鉄5000系5234 冷房改造車(63F:動力ユニット搭載車)。
※旧製品。

2015年5月に導入したマイクロエース製東京地下鉄5000系63F冷房改造車(5813)は動力ユニット整備を受けずに出場している。
動力ユニット未整備編成への遡及施工はリリース時期や出場順に関係無く順不同で行われた。
63Fの動力ユニット整備入場は初出場から約1年4箇月が過ぎた2016年9月まで遅れる。
但し中古製品で導入した旧製品だったため実際の経年は2009年1月を起点とする約7年8箇月に達していた。
動力ユニットの整備が現行方式でほぼ固まった時期は2017年3月頃である。
5234(63F:動力ユニット搭載車)が入場を迎えた時点ではまだ模索中であり高経年と試行錯誤の重なる整備となった。


入工中の5234。

加速度低下を感じていた5234用動力ユニットは導電板とFS-502動力台車の整備が施された。
経年の影響からかユニットカバーへ焼き潰し固定されているはずの導電板は外れていた。
ユニットカバー取付脚の引き延ばしは不可能でゴム系接着剤での接着により凌いでいる。
この方法は現在でも採用し続けており対処に問題は無かった。
しかしこの後が拙く導電板両端は製品仕様よりも大幅に角度を持ち上げる措置が施される。
集電効率を向上させる手段として思い付いたが車体高を上げるだけの副作用しか得られずに終わった。


そこそこの状態を維持していた5234用動力ユニット。

竣工直後より若干落ち着いたものの5234は未だに63Fの編成見附を崩す車両だった。
マイクロエース製交通営団・東京地下鉄5000系列は動力ユニット搭載車だけ全高が高くなる癖が残る。
これに導電板の整形が重なった5234は余計にその存在を主張するようになってしまった。
動力ユニット本体の整備結果は良好で現在でも加速度低下は再発していない。
課題は車体高を下げる一点に限られており導電板の再整形が決定した。
久々に完全分解した5234用動力ユニットだが思いの外良好な状態が保たれていた。


暫定的な角度修正を施した導電板端部(西船橋寄)。

初回整備入場当時の導電板は製造過程で付着したと思われる指紋が残る状態だった。
磨き出しは現在とは異なりラプロス#8000,3M製研磨フィルム,クリーナーの三者併用で行われる。
ある程度の酸化進行は免れないと思われた導電板だが再研磨を行わなくても十分通用する輝きを帯びていた。
ただラプロス#8000,3M製研磨フィルム,クリーナーは何れも既に使用を見合わせている。
特に3M製研磨フィルムは扱いが難しく細かな擦過痕を生み出す要因になった。
今のうちにラプロス#4000で修正を施し現在の動力ユニット整備施工車水準に揃える。
導電板両端は一度での修正が困難に思え暫定的に角度を緩めるだけとした。


初施工となったモーター軸受部への注油。

ユニットカバー裏面両側に設けられたリブ嵩を導電板角度修正の目安に定めた。
通常ならこれだけで車体高が下がってくれるが生憎導電板はユニットカバーに固定されている。
導電板とユニットカバーの緩衝猶予が殆ど失われているため十分な嵩下代を確保できないと思われた。
取り敢えず導電板の角度修正から離れ前回入場時に見送られた施工項目を追加施工する。
当時は無用なモーター軸受部への注油を避ける方針が貫かれていた。
今のところおかしな挙動は発生していないが注油に対する不安が払拭されている。
5234の経年を考慮すると今回が施工時期に相応しいと思えた。
相変わらずモーター軸受部は油脂付着が見られない綺麗な状態で清掃を行わずに注油を行っている。


一箇所だけ修正した側面窓セル窓サッシ印刷。

茶褐色の純正グリスで覆われていたFS-502動力台車も整備完了直後と殆ど変わっていない。
但し灰色成形品だけにギア類の清掃が十分ではなかったと判明した。
ギア谷には僅かに純正グリスが残っており歯ブラシとクリーナーで除去している。
スパイラルギアも同時に整備を施したためタミヤ製グリスを再投入した。
車体関連ではTOMIX製PG16形パンタグラフの点検と側面窓セル窓サッシ印刷補修を行った。
TOMIX製PG16形パンタグラフは取付孔を拡大せずに換装したが嵌合が緩い個体の出現で溶着固定となった。
元々の取り付けに余裕があったせいか車体断面から剥がれる気配は感じ取れず強度面での不安は無い。
一方側面窓セル窓サッシ印刷は回着同時に気付いた剥離箇所があり油性メタリックマーカーを塗布した。


反力が抑えられたFS-502動力台車(西船橋寄)。

なお側面窓セルを取り外さない窓サッシ印刷補修は今回が初施工となっている。
銀色印刷の剥離箇所は一箇所のみで幅も狭く分解する手間を省く作戦に出た。
今回は上手く措置を施せたが失敗する危険性も高く積極採用に踏み切るつもりは更々無い。
5234用動力ユニットを組み立ていよいよ車体高嵩下げへと着手する。
暫定措置に留めた導電板角度のまま一旦5902(63F:6号車)との全高差異を確認した。
この状態でも大幅な連結面見附改善に至ったがまだ車体裾の段差が気になった。
ユニットカバーと導電板には僅かながら空間が残されており全高調整を続行している。
段階的にこの隙間を詰めその都度5902との連結試験を繰り返した。




5902+5234 (63F:非動力車+動力ユニット搭載車)。
※暫定導電板角度修正施工。

ようやく5902と車体裾が揃い今度は5622(63F:8号車)を基準に同様の作業を行った。
5234用導電板に塗布したゴム系接着剤は中野寄の面積が広く微妙な調整が難しかった。
先に5622との連結試験を行うべきだったが西船橋寄と中野寄でゴム系接着剤の塗布面積が異なるとは思わなかった。
導電板の剥離はせっかく5902に揃えた西船橋寄の全高を狂わせる恐れがあり見送っている。
ここまで作業を進めたからには現状のまま中野寄の車体高だけを落としたい。
そこでユニットカバーと導電板の隙間へプラスチックドライバーを差し込み中野寄成形部だけを持ち上げた。
後は平形ピンセットで導電板の折り返し部を押し戻し5622との車体裾段差解消まで漕ぎ着けている。


5902+5234 (63F:非動力車+動力ユニット搭載車)。
※導電板角度修正施工完了。


交通営団5000系5919+5337 (78F:非動力車+動力ユニット搭載車)。

前途の通り63Fと同時期に生産されたマイクロエース製品は動力ユニット搭載車だけ車体高が上がる傾向が強かった。
そのためユニットカバー裏面のリブ嵩に揃えた導電板角度でも製品仕様には復帰していたと思う。
更に導電板を追加整形した事で5234の全高は非動力車と同一水準まで下げられた。
少なくとも交通営団・東京地下鉄5000系列は導電板に手を加えれば編成見附を改善出来ると思われる。
台車集電板への反力が大幅に低減された導電板だがFS-502動力台車が底を打つ感触は無い。
試験走行でも特に支障ない稼働を示し通電性能低下には繋がらないと予想している。




5234(車体高嵩下試行:導電板両端部角度修正施工)。

入場前に比べ車体裾とFS-502動力台車の間隔が狭まり如何に車体高嵩下代が大きかったか手に取れた。
最低地上高も縮小され竣工した5234(63F)は編成で目立つ存在ではなくなり編成見附向上に寄与すると思われる。
前回施されなかったモーター軸受部にも注油が成され性能維持を両立できた入場となった。
無用な導電板への細工は余計な全高増大を招いたが今施工で十分以上の答を導き出せた。
交通営団5000系61F非冷房車中期仕様(5811),78F非冷房車後期仕様(5828),83F冷房改造車(5833)等にも展開出来ると思う。
構造都合が絡むため全形式に通用する手法ではないものの5234の結果を反映させる予定である。

東京地下鉄5000系5813[63F] 冷房改造車 表示器類減光方式変更施工 (5013[63F] 車体傾斜修正同時施工) ※旧製品

2019-11-15 21:45:50 | 5号東西線,営団線
元第二次試作車。

マイクロエース製東京地下鉄5000系旧63F冷房改造車(5813)は間接式表示器減光対策試作編成だった。
旧5813,旧5013(旧63F)では減光措置方法が異なっていたが63Fとの表示器用プリズム振替えを迎える。
この際旧5813用表示器用プリズムは旧5013用表示器用プリズムと仕様を揃えた上で5813(63F)に取り付けられた。


東京地下鉄5000系5813 冷房改造車(63F)。
※旧製品。

間接式減光対策第二次試作車の旧5813は結果的に本格施工第一陣を飾る車両となった。
旧63Fから63Fへの表示器用プリズム移設時に行った追加施工は作業簡略化を狙った結果である。
施工方法の異なる旧5813,旧5013用表示器用プリズムをそのまま転用すると63Fは編成前後で点灯照度に差が出てしまう。
第一次試作で厳重に塗り潰された旧5013用表示器用プリズム前端部を復旧するには一手間が掛かる。
点灯照度均等化への近道は5813を5013(63F)に合わせるのが合理的選択だと考えた。
敢えて手を加える必要の無かった旧5813用表示器用プリズムは第一次試作車仕様へ逆戻りし5813に廻されている。


入工中の5813。

この時の判断は完全なる誤りで今になって第二次試作当時の遮光方式へと回帰する羽目になった。
5013は表示器用プリズム前端部を復旧させるだけで作業時間の半分以上が奪われた。
追加施工が悔やまれるが5813の点灯照度を復元するにはインク除去は避けて通れない道である。
ペイントリムーバーの使用方法さえ間違えなければ表示器用プリズムに塗布したマッキーは除去できる。
第一工程は表示器用プリズムのインク除去としもう一つの課題である床板装着問題解消へ移る算段とした。
入場させた5813はライトユニットが床板へ固定された状態で分解に至る5013とは異なる滑り出しとなった。


一部が省略されていた黒色化追加施工。

5813用表示器用プリズムケースも車体に溶着固定されていたため全体を抉って取り外した。
取り付けは接着剤を使用しない嵌合脚頼みであり床板の取り外しと同時に車体から脱落した。
表示器用プリズムもただ嵌合させただけでありすべてがばらばらになっている。
やはり表示器用プリズムケースの安定性を高めるには何処かを固定する必要があると思わされた。
何もしないまま単体部品になった表示器用プリズムは移設時の手抜きが発覚する。
似たような措置に見えたが塗り潰した範囲は狭く裏面には成形色の露出した箇所が多く残っていた。


大半が成形色に戻った表示器用プリズム前端部。

一瞬インク除去作業が捗ると思えたものの灰Hゴム支持再現周囲の状況がこれを否定する。
運行番号,行先表示器部だけは漏れなくマッキーで覆われており5013での作業と大して変わらなかった。
とにかく灰Hゴム支持再現の保護が最優先とされペイントリムーバーを浸した極細綿棒でインク除去に当たった。
やや複雑な成形が成されている運行番号表示器部は折妻に合わせた後退角がある。
そのためプリズム折り返し部と平行に極細綿棒を当てられず線路方向へ向けて捌いた。
溶解したインクは運行番号,行先表示器直後の僅かな段差に溜まってしまうため都度ティッシュペーパーで吸い上げた。
最後にインクを除去した箇所を事務用消しゴムで擦り成形色と同等まで持ち上げている。


車体中央側の嵌合脚と固定した表示器用プリズムケース。

分解直後の状況に懲り表示器用プリズムケースは車体と固定する方向へ梶を切った。
先ず表示器用プリズムとケースの間に微量ゴム系接着剤を塗布し一体化を図った。
次にゴム系接着剤を表示器用プリズムケース車体中央側の嵌合孔に埋め込む。
製品仕様ではケース後端部へ流し込み接着剤が投入されていたが意図的に車体中央寄を選択した。
側板寄は側面窓セルも表示器用プリズムケースを支えており支持点の少ない車体中央寄が安定化に有利だと判断した。
また着脱性にも優れているため今後の仕様変更も対応可能となっている。


失念していた4点嵌合式のライトユニット。

ひとまず点灯照度向上と表示器用プリズムケースの安定化は終着点が見えた。
続いて5013を組み立てた後に発症した車体傾斜の抑止策を検討する。
車体傾斜は表示器用プリズムケースとライトユニットの嵌合が関係していると思われた。
分析にはライトユニットの構造確認が必要だと考え床板からの撤去を試みた。
しかし垂直方向に引き上げるだけではライトユニットが取り外せなかった。
ライトユニットは4点で台枠のTNカプラー取付部及び表面へ嵌まり込む形状だった。
TNカプラー取付部の嵌合は引掛式で本来なら簡単に脱落しないはずである。
この構造は完全に頭から抜け落ちており5013で採用した取付方式ではライトユニットが台枠から浮いてしまうと気付いた。




5813 [33S 快速 三鷹]:行先表示変更施工。


交通営団5000系5833 [65S 快速 東葉勝田台]:83F(クロスポイント製行先方向幕ステッカー貼付車)。

結局床板とライトユニットを分離して車体を組み立てる方法は断念に追い込まれた。
ライトユニット組み付けはライト基板集電脚の反力が強く引掛式嵌合爪の噛み合わせに注意を払った。
車体の組み付けも表示器用プリズムケースとの嵌合箇所を重視するよう変更している。
どうやら表示器用プリズムケースの固定化が機能したらしく運行番号,行先表示器に引き込みは現れない。
車体傾斜は発生せず連結器高も交通営団5000系5833(83F:5833)と大凡同一位置に収まった。
TNカプラーSP胴受上辺と前面車体裾の幅は入場前よりも狭まっておりライトユニットを再装着した二次的作用が働いている。
また5813でもクロスポイント製[津田沼]幕ステッカーの剥離に成功し今後の充当が可能になった。




5813 点灯試験[33S 快速 三鷹]:前照灯(表示器用プリズム減光方式標準仕様化施工)。


5813 点灯試験[33S 快速 三鷹]:尾灯(表示器用プリズム減光方式標準仕様化施工)。


交通営団5000系5833 点灯比較[65S 快速 東葉勝田台]:83F(表示器用プリズム間接式減光対策施工車)。

表示器用プリズムに残されたマッキー塗布箇所は傾斜した後端部及びその両脇となった。
減光方式を標準仕様へと改めた効果は大きく5833も運行番号,行先表示器の視認性が改善された。
5013での点灯試験結果と同じく[33S]表示は飛躍的な照度向上を果たせたと思う。
運行番号,行先表示器窓を黒Hゴム支持に改めた5833とは若干雰囲気が異なるが点灯具合に不満は無い。
なお在籍する交通営団・東京地下鉄5000系列では静態時の表示が見難かったマイクロエース製ステッカーを廃止している。
そのためこの減光方式をマイクロエース製ステッカー貼付車に採用しても表示が飛ぶ現象は解消されないと思う。


嵌合が甘かった前照灯用プリズム(5013)。

5813での結果を受け車体傾斜が生じている5013の修正へ取り掛かった。
前回入場時に転がり落ちたライトユニットは床板と一体のまま取り外せている。
但し引掛式嵌合爪が全く機能していない状態で引き上げるだけで撤去出来た。
そもそも台枠から外れ難いはずのライトユニットが何故脱落したのか不可解に思えた。
ライトユニットにも何らかの問題があるように感じ各部を点検している。
すると前照灯用プリズムが嵌合孔に嵌まっておらず2pcs式のライトユニットケース前端部を押し広げていると判明した。
歪んだライトユニットは台枠のTNカプラーSP取付部への嵌合を難しくしていたと思われる。




5013 [33S 快速 三鷹]:表示器用プリズム固定化,車体傾斜修正施工。


5013 点灯試験[33S 快速 三鷹]:前照灯用プリズム,ライトユニット再装着施工。

前照灯用プリズムを再装着したライトユニットは台枠にしっかりと嵌合された。
続けて表示器用プリズムケースも5813と同一方式で車体へ接着固定している。
所定の対策を施した5013は車体傾斜が収まりTNカプラーSP胴受上辺と前面車体裾も等幅に揃えられた。
車体が傾斜した直接要因はライトユニットにあると思われるが表示器用プリズムケースの安定度も関わっていたと思う。
点灯試験でもライトユニットを組み直した影響は無くちらつき等の発症には至っていない。
間接式減光対策試作車の名残を払拭した5813,5013(63F)が竣工し点灯照度差異は解消となった。
今後は表示器用プリズムケースの固定化を他編成に水平展開する予定である。

東京地下鉄5000系5013[63F] 冷房改造車 表示器用プリズム減光方式標準仕様化,行先表示施工 ※旧製品

2019-11-14 21:50:13 | 5号東西線,営団線
第一次試作車。

現在のマイクロエース製東京地下鉄5000系63F冷房改造車(5813)は二代目である。
不慮の事故により前面CIマークを失った旧63F交通営団5000系63Fへ改装となった。
その直後穴埋めとなる63Fの導入が確定し編成番号重複を避け83F(5833)に改番された。


東京地下鉄5000系63F 冷房改造車。
[63F]:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013]。
※旧製品。

交通営団5000系83F(←旧63F)への仕様変更と63Fの導入時期は重なった。
63Fの行先表示類は[33S 津田沼]に決定したがこれは旧63Fから引き継いだものである。
[33S 津田沼]表示は運行時間帯の限られる運用であり83Fには[快速 東葉勝田台]表示に仕立てる予定でいた。
ただクロスポイント製[33S]幕,[津田沼]幕ステッカーに貼り替えてからまだ一週間も経過していなかった。
当時でも入手が難しかったクロスポイント製ステッカーの温存を狙い63Fは半ば強制的に[津田沼]幕表示編成となった。
設定移行は旧63Fと63Fで表示器用プリズムを振り替える安直な方式が採られている。


入工中の5013冷房改造車(63F)。

マイクロエース製交通営団・交通営団5000系列では強力発光に対抗すべく表示器用プリズムへの減光対策が施されている。
旧63Fは間接式表示器減光対策試作編成に抜擢され旧5013がその第一次試作車となった。
当初は運行番号,行先表示器部前端部を中心にマッキーで塗り潰したが思うような結果が得られなかった。
更に試行を重ね表示器用プリズム後端部の黒色化が効果的だと判明する。
第二次試作車の旧5813ではプリズム前端部の塗り潰しを取り止め現在標準化した間接式減光対策に辿り着いた。
63Fへの表示器用プリズム移設に際し5813は5013と同一の第一次試作車仕様に変更される。
そのため63Fの運行番号,行先表示器は他編成に比べ点灯照度が下がる弱点を抱え続けていた。


厳重に塗り潰された表示器用プリズム前端部。

約4年11箇月に渡り63Fには第一次試作車仕様の表示器用プリズムが取り付けられてきた。
マッキーの被膜は幾重にも塗り込まれており除去は時間を要すると思われた。
しかし今後の製品リリース次第では63Fが見劣りする原因になりかねない。
ようやく重い腰を上げる気になり表示器用プリズムの現行仕様化へと踏み出した。
先発入場車は純粋な第一次試作車の5013(63F)とし表示器用プリズム前端部を成形色に戻せるか作業へ取り掛かる。
5013を分解したところライトユニットが転がり落ちてきたがこの時は何も気に掛けていなかった。


現行方式に改められた減光対策済表示器用プリズム。

表示器用プリズムには灰Hゴム支持再現が施されており迂闊にインク除去が行えない状態だった。
取り敢えず事務用消しゴムを擦り続ける方式でマッキーの除去を試みる。
しかしインク被膜は非常に強力であり成形色が現れる気配すら感じられなかった。
消去力に勝る事務用消しゴムが通用しないとなるとペイントリムーバーを持ち出すしかなくなる。
但し灰Hゴム支持再現を残さなければならず極細綿棒に頼りながら少しずつ成形色に戻す方法とした。
約40分を要して大半は透明に戻せたが一部には灰色掛かった箇所が残ってしまった。
だがこの状態でも照度向上に直結するはずでマッキーの除去を打ち切っている。


表示器用プリズムケースに差し込んだライトユニット。

製品仕様では表示器用プリズムケースが車体天井部に溶着固定されていた。
表示器用プリズムへ減光対策を施すにはプリズムケースを撤去する必要があり止むを得ず引き剥がした。
その結果表示器用プリズムケースは安定性を欠く状況に陥ってしまい床板の取り付けを難しくしている。
偶然にも5013用ライトユニットは勝手に脱落してくれたため床板装着時の位置合わせが容易くなると思えた。
先にライトユニットを落とし込み表示器用プリズムケースのずれを防止する方式へ変更した。
ライトユニットと分離された床板は難無く車体に収まり万事上手く行ったように見えた。




5013 [33S 快速 三鷹]:行先表示変更施工。


交通営団5000系5033 [65S 快速 東葉勝田台]:83F(クロスポイント製行先方向幕ステッカー貼付車)。

しかし前面見附を確認したところ車体傾斜が発生していた。
運転台側TNカプラーSPを基準にすると胴受上端と車体裾が等幅になっていない。
ライトユニットには台枠との嵌合脚が設けられており上手く嵌まらなかったと思われる。
新たな組み立て方式はいきなりの失敗で早くも窮地に立たされた。
ただ表示器用プリズムケースの移動を抑えるには有効だと思え5813(63F)にて試行を続ける。
行先表示類は[33S 津田沼]から[33S 快速 三鷹]へと変更になった。
表示器用プリズム後端部の黒色化処理が存置された関係でマッキーを除去出来たか掴み難かった。
そのため[津田沼]幕ステッカーを剥離して進捗具合を確かめた。
これに併せ運用時間帯の拡大を図りクロスポイント製[快速 三鷹]幕ステッカーに貼り替えている。
なお[津田沼]幕は粘着糊を残したまま剥離が行えたため再用に備え台紙へ戻した。




5013 点灯試験[33S 快速 三鷹]:前照灯(表示器用プリズム減光方式標準仕様化施工)。


5013 点灯試験[33S 快速 三鷹]:尾灯(表示器用プリズム減光方式標準仕様化施工)。


交通営団5000系5033 点灯比較[65S 快速 東葉勝田台]:83F(表示器用プリズム間接式減光対策施工車)。

車体傾斜問題は先送りとし表示器用プリズム減光方式の変更が機能しているか試験を行った。
Hゴム支持モールドへの透過が強くなったが[33S 快速 三鷹]表示は視認性が向上した。
特に[33S]表示は非点灯時と大差なく見えていたため意地でマッキーを除去した成果が最も強く現れた。
現行仕様の間接減光式を採用した5033(83F)との点灯照度差は殆ど無くなったと思える。
5013の施工結果により63Fは点灯照度回復への道筋が拓けた。
近似仕様の5813は5013ほど入念な塗り潰しが施されていないはずである。
表示器用プリズムに絡む作業は軽減されると思われ床板装着問題の解消策を探る。

東葉高速1000形12F [1121] 増発予備編成 (1124,1125 FS-502非動力台車復旧:FS-358非動力台車廃止)

2019-06-05 21:54:55 | 5号東西線,営団線
断念。

マイクロエース製東葉高速1000形12F増発予備編成(1121)は交通営団5000系61F(5811)を種車に出場させた。
12Fの原形は交通営団5000系94F(5844)であるが譲渡に備え車両異動が実施された記録が残る。
しかしこの変更が除籍前か除籍後か掴めず12Fを94Fとして扱う要因になっていた。


東葉高速1000形12F 増発予備編成(元交通営団5000系94F)。
12F:1121-1122-1123-1124-1125-1126-1127-1128-1129-1120
元94F:(5844-5320-5682-5292-5662-5920-5289-5660-5330-5044)。

東葉高速1000形は元交通営団5000系を譲受,改造した形式である。
譲渡用の交通営団5000系非冷房車は総勢12本が1991年11月から1994年7月に掛けて除籍され改造を待った。
このうち2編成は増発予備とされ東葉高速線開業後は八千代緑が丘検車区に留置されていた。
11F,12Fを名乗るはずだった元74F(元5824),元94F(元5844)の1000形編入改造は間もなく中止となる。
暫くは交通営団時代の見附を維持していたが後に1110(11F),1120(12F)の前面助士側帯だけ東葉高速色へ変更された。
これは当時交通営団に在籍していた5000系と検車区内で識別する名目だったらしい。
結局11F,12Fは1000形に加わる事無く2005年5月に解体されてしまった。
元94Fは除籍に際し組成変更が行われ5920を除いた9両が戸袋窓付車に改められた。
編成表を遡ると最晩年は戸袋窓閉塞車が4両含まれる組成だった模様である。
◆94F:5844-5320-5682-5364*-5689*-5329-5365*-5690*-5330-5044
当該車両は5364+5689(4,5号車),5365+5690(7,8号車)であった。
10両編成化直前まで7両編成を組んでいた関係で5900形は組み込まれず5329が電装解除されている。
廃車と前後して5364+5689⇔5292+5662(旧63F),5365+5690⇔5289+5660(旧80F)での入れ替えが実施された。
80Fからは5920も移動し元94Fは5920だけ戸袋窓閉塞車が組み込まれる編成に変わっている。
一方63F(5813)は5364以下7両が戸袋窓閉塞車で占められ80F(5830)も戸袋窓閉塞車の間に5329が紛れ込む組成となった。
63F:5813-5225-5621-5364*-5689*-5902*-5234*-5622*-5235*-5013*
80F:5830-5288-5659-5360*-5120*-5329-5365*-5690*-5290-5030
東葉高速線開業までに1000形への編入が間に合わなかった09F(元70F),10F(元71F)は非冷房車のまま運用に就いている。
外観は東葉高速色帯への変更と[S]マークが[T]マークに交換された程度であった。
仮に増発計画が予定通りに進んでいれば東葉高速色帯を纏う11F,12F非冷房車の営業運転が見られたかもしれない。


旧12F。

一時期12Fでは自作ステッカーによる1120の助士側帯東葉高速色化を施していた。
しかし経年劣化で糊面劣化と白帯に変色が発生していまい剥離に至っている。
現在の1120はパンタグラフが撤去された交通営団晩年仕様に近い。
交通営団5000系東西線用は61F非冷房車中期仕様(5811),78F非冷房車後期仕様(5828),83F冷房改造車(5833)の3編成体制を敷く。
ここに元94Fも組成変更前の組成を前提とする非冷房車後期仕様増強策が浮上した。
残念ながら戸袋窓閉塞車3両の増備を要する94Fは12両体制に収められない。
管理都合で94Fの出場は幻に終わり手元には部品取用として確保した5618(61F),5902(東京地下鉄5000系63F)だけが残された。


入工中の5618,1124 (ジャンク車両,12F)。

交通営団5000系78Fと12Fは交通営団5000系61Fの戸袋窓閉塞車を入れ替え組成を行った。
双方で生じた課題は5811(61F)が履くミンデンドイツ式FS-358非動力台車だった。
FS-358台車は交通営団時代からS形ミンデン式FS-502台車への交換が進められている。
特に78Fは後期仕様がプロトタイプでありFS-502非動力台車化が必須項目となった。
検討の結果非営業編成で出場となる12FへのFS-358非動力台車集約に決定する。
しかし1121(12F:元5844)をFS-358非動力台車のまま存置すると編成見附が崩れてしまう。
最終的にユニット間の台車形式を揃える手段を採り1124+1125がFS-358非動力台車装着車化された。




1124(12F:元5992 FS-502非動力台車換装施工)。
※戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持車。


交通営団5000系5228(61F:戸袋窓・側扉窓白Hゴム支持車)。

当初は単純に戸袋窓閉塞車を2両追加するだけで12Fと94Fの両立が可能だと考えていた。
だが94Fの正式出場には1124+1125へ充当したFS-358非動力台車を交換しなければならない。
FS-502非動力台車の入手は難しいと思われた矢先に5618,5902(ジャンク車両)を発見した。
まだ94F晩年仕様の構成を確認する前であり躊躇せずに5618,5902を迎え入れている。
ところが戸袋窓閉塞車2両の追加だけでは留まらないと判明し計画は頓挫してしまった
ただ1124+1125をFS-358非動力台車で残す必要は無く両車ともFS-502非動力台車へ復旧させる。


カプラーアダプター交換にて対応したKATOカプラー化 (FS-358非動力台車,FS-502非動力台車)。

工程は床板を取り外しFS-358非動力台車からFS-502非動力台車へ入れ替えるだけとなる。
KATOカプラー化はカプラーアダプターごとFS-502非動力台車枠に移設し作業を簡略化した。
車輪踏面状態は5618,5902用と1124,1125用で大きな違いが見られなかった。
取り敢えず1121以下7両との走行距離は気にしなくても良さそうに思えた。
室内灯は採用しておらず通電性能に配慮する必要も一切無かった。
そのため台車集電板,集電スプリング,車輪はFS-502非動力台車からの転用となっている。


FS-358非動力台車に交換された5618,5902 (休車,休車)。

1124,1125から捻出されたFS-358非動力台車は5618,5902に取り付けた。
在籍中の61F,78F,83F,東京地下鉄5000系63F(5813)は各々が有する個性から組成変更が難しい。
しかし元交通営団5000系元46新木場CR入換車仕様(5846)を含めた総勢5編成43両の保守部品は全く無かった。
現状での転用こそ難しくなった5618,5902だが各部品は貴重な戦力になると思われる。
FS-358非動力台車も計画だけ存在する61F非冷房車前期仕様白地行先方向幕編成に活用出来る。
調査が遅れ所期の目的には寄与しなかった5618,5902であるが意義のある導入になったと思う。




1125(12F:元5662 FS-502非動力台車換装施工)。
※戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持車。

12Fは実車に倣いマッキーにて戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持化を施工した。
そのため製品原形を維持する61F(白Hゴム支持車)よりもすっきりして見える。
1124+1125は重厚感のあるFS-358非動力台車が如何にも不釣り合いだった。
今入場でFS-502非動力台車への復帰を果たし床下見附に軽快さが戻ってきた。
やはり戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持車にはFS-502台車が相応しいと感じられた。
1124+1125の竣工により12Fは初出場以来続いた齟齬が解消されている。




1123+1124 (12F:FS-502非動力台車装着車+FS-502非動力台車装着車)。

入場に併せ1122,1124,1127,1129へ搭載したTOMIX製PG16形パンタグラフを点検している。
パンタグラフ取付孔はTOMIX製PG16形パンタグラフと合致しており換装には手こずらなかった
その代わり嵌合の甘い車両が出現しゴム系接着剤固定を採り入れている。
普段の昇降では特に不具合は感じられなかったが耐久力を確認するため直接パンタグラフ台を持ち上げた。
2015年5月の施工から約4年1箇月が経過した現在でもぐらつき等の現象は生じなかった。
TOMIX製PG16形パンタグラフへの換装は東葉高速1000形,交通営団・東京地下鉄5000系での共通工程である。
12Fの耐久試験結果に従えば他編成の点検を急ぐ必要は無いと思われる。


12Fサイドビュー(1121:FS-502非動力台車装着車)。


交通営団5000系61Fサイドビュー(5811:FS-358非動力台車装着車)。


交通営団5000系78Fサイドビュー(5828:FS-502非動力台車装着車)。

更に1121,1120の[5844],[5044]前面車両番号板ステッカーも退色度合いを確認した。
1120へ貼付した助士側東葉高速色帯ステッカーでは劣化が顕著に現れた。
ところが前面車両番号板ステッカーは[5844],[5044]標記の滲みも無く対照的な結果が出ている。
僅かに灰色を加えた車両番号表示が効果的だった可能性が高い。
今後プロトタイプが固定される12Fは1120の助士側東葉高速色帯化再施工も視野に入れている。
1120用東葉高速色帯ステッカーは再製作が必要で白帯には灰色を追加した方が良いかもしれない。

東京地下鉄05系深川検車区40F [05 140] 13次車 前期仕様 前面CIマーク貼付編成 (床下機器逆転配置修正) ※再生産品

2017-11-08 21:30:00 | 5号東西線,営団線
是正。

グリーンマックス製東京地下鉄05系40F前期仕様(05140:再生産品)が床下機器配置修正を終え再出場した。
今回の入場で東葉高速2000系2101F現行仕様(2101F)と床下見附が全車同一に揃っている。
2101Fが40Fに与えた影響は非常に大きかったと思う。




東京地下鉄05系40F 13次車 前期仕様。
40F:05140-05240-05340-05440-05540-05640-05740-05840-05940-05040。
※再生産品:前面CIマーク貼付編成。
◆床下機器配置修正。

05系13次車は東京地下鉄が発足した後に登場したグループである。
東京地下鉄標準車両に位置付けられ12次車までに対し各部の設計が見直された。
車体は張り上げ屋根となり車体断面は別形式に見える。
走行機器関連も純電気ブレーキ対応化等の変更があった。
旅客設備は利用者側の立場からすると好ましくない箇所が目立つ。
側扉窓は09F以来となる単板ガラスへ戻された。
車内案内表示器の半減化等コストダウン志向が強く現れている。
なお計画では40F~47Fの8編成で5000系を置き換える予定だった。
しかし有楽町線から07系(71F~76F)の転属が決定し43Fを以て増備が打ち切られた。
43F以降の増備は15000系へ移行し座席定員が大幅に減少している。
東西線05系も01F~13Fが15000系へ置き換えられ姿を消した。
輸送力改善計画が進まない限り旅客サービス漸減傾向に歯止めは掛からないだろう。


07系73F,40F。

所有する40Fは1stLOTではなく再生産品だった。
製品番号に変更は無く仕様書は1stLOT品と同版だと思う。
記載された編成表は05040が左側を向く自身には余り馴染みの無いものだった。
40FはKATOカプラー化とTNカプラーSP化で二度に渡る大規模な分解を行っている。
M2車系とT車系は車体方向が分かり難く組み立てる度に仕様書と向き合う必要に迫られた。
編成の管理も号車順に変更しており分かり難さが二乗された。
仕様書確認を廃止すべく車内天井に[←]印の記入まで行っている。
これを全て覆す事態がやって来るとは思いもしなかった。
床下機器配置修正は床板方転式を主とした。
05140,05040は床板方転が行えないため相互に振替えている。
この際マウントレスTNダミーカプラーもそのまま転用した。
今考えるとスカートと共に流用した方が安全だったと思う。
ただ個体差は小さかった模様で両車とも違和感無く落ち着いた。
TNダミーカプラーはマイクロエース製東京地下鉄07系73F東西線仕様(07103)が始祖である。
床板振替の影響は無く73Fとの統一感に乱れは生じていない。




05240(床下機器配置修正施工車)。




05340(床下機器配置修正施工車)。
※動力ユニット更新車。




05440(床下機器配置修正)。

05240,05340,05440までは2101Fの第二次整備と作業を並行した。
初施工は05440だった。
T車のため機器数が少なく1側と2側の差も大きくなかった。
床板方転後も機器箱が小さくなった程度で2401(2101F)のTNカプラー取付基準車化が上回っている。
印象変化を感じ取れたのは05340からである。
修正前と床下機器配置が大きく変わり2101Fとの仕様共通化に着手したと思えた。
惜しまれるのは動力ユニット更新が遅ければ方転を行わずに済んでいた事である。
現在でも動力ユニットの方転には引っ掛かりが残る。
40Fでは今後再入場の可能性を含む車両となった。




05840(床下機器配置修正施工車)。


東葉高速2000系2801現行仕様(2101F)。




05940(床下機器配置修正施工車)。


東葉高速2000系2901現行仕様(2101F)

作業分離は05540以降で2101F出場後に再着手している。
単独施工では05840,05940が最終竣工となった。
40FのTNカプラーSP化は05840が基準車だった。
05940も05340の動力ユニット更新時に最低地上高参照車へ起用した。
このユニットの床下機器配置修正は何処か複雑な思いを抱きながら作業を行っている。
05840+05940の竣工と同時に齟齬を抱える中間車両は消滅した。




05940+05040 (床板方転車+床板振替車)。

前途の通りCT車系は床板振替による別工程を採用した。
TR-200床板はライトスイッチ方向が固定されている。
床下機器部品の移設は接着剤で台枠と強固に接着されており実現しなかった。
たまたま05140と05040の床下機器配置が同一で今回は仕様に救われたと言えよう。
前進取付を行ったTNカプラーSP位置も維持され連結面間隔は入場前と殆ど変わらない。
参考までにTR-200A床板では台枠裏面の前後にライトスイッチ用欠き取りが設けられている。
詳細は確認していないものの車両配置に関係無く床板反転が行えるかもしれない。
出来れば床下機器部品の爪嵌合式化も検討してほしい。




40Fサイドビュー(05140:床下機器配置修正施工車)。


東葉高速2000系2101Fサイドビュー(2101)。

40Fの床下機器が逆転配置されている事実に気付いた際は正直なところ面食らった。
初出場時から長らく気付かないままだったが2101Fの導入で修正に至っている。
東西線系統は交通営団仕様が増強の中心で特に5000系へ力を注いできた。
未だにCIマークアレルギーが拭えず5000系63F(5813)を除く東京地下鉄形式は余り出番に恵まれていない。
ただ73FのTNダミーカプラー化と同様に手を加えた分だけ愛着は湧くと思う。
動力ユニット更新編成でもあり登場機会を増やす方向である。

東京地下鉄05系05 140,05 040[40F] 13次車 前期仕様 床下機器配置修正(床板相互振替) ※再生産品

2017-11-07 21:04:52 | 5号東西線,営団線
残党。

先にグリーンマックス製東京地下鉄05系40F前期仕様(40F)で床下機器の逆転配置が発覚した。
東葉高速2000系2101F現行仕様(2101F)の第二次整備中に判明し当初は並行して修正を行っていた。
しかし2101Fの出場優先と作業効率化から工程を分離し40Fの単独施工に切り替えている。


東京地下鉄05系40F 13次車 前期仕様。
40F:05140-05240-05340-05440-05540-05640-05740-05840-05940-05040
※CIマーク貼付編成。

中間車は床板反転で正規位置への修正が可能だった。
動力ユニットの反転装着には抵抗があったものの05340も同様の措置を採っている。
2101F出場後に中間車は全車床板方転を完了させた。
残る未施工車は05140,05040だけである。
しかしCT車系は通電系統都合で単独入場が行えない。
05140と05040を同時入場させTR-200床板を交換し打開策とする。


05140 13次車 前期仕様(40F)。


05040 13次車 前期仕様(40F)。

2101Fの回着まで床下機器配置の逆転に気付けなかったのは1編成だけの在籍に留まった事に拠る。
床下機器は10000系からの転用で仕様書にも実車と相違があると記載があった。
そのため床下機器配置には全く注意を払ってこなかった。
40Fの後に導入したマイクロエース製交通営団05系10Fは電機子チョッパ制御編成で切っ掛けにならなくて当然である。
そもそも製品仕様での逆転配置など想像出来るはずが無かった。
今になって気付けたのは2101Fに採用されたTR-200A床板のお陰と言えよう。


入工中の05140,05040。

床下機器配置修正は05140,05040の床板を交換し2101,2001(2101F)に合致させる。
部品共用製品で厳密には実車と異なる可能性は残る。
ただ40Fと2101Fで配置が違う事態は避けたい。
既に中間車の床下機器配置修正を終えており05140,05040の床板相互振替を選択した。
40FはTNカプラーSP化が完了している。
床板振替後の前進取付位置確認も工程に追加する。


整備当時の状態を維持する導電板(05140→05040用)。

初竣工後の05140,05040は前尾灯点灯状態が芳しくなかった。
改善を目指しTNカプラーSP化入場時に通電系統のメンテナンスを行っている。
集電板と導電板は劣化したグリスで薄汚れていた。
油脂被膜除去は05140で苦戦を強いられたため05040ではラプロス#2400を使用している。
導電板の状況は05040が上回っていた。
ただ05140も再研磨を要する事態には陥っておらず竣工当時のままを保てている。
導電板の状態は床板振替に当たり気になっていた箇所だった。
今回の工程では再施工は不要との答に落ち着いている。


床板振替後も変わらなかったTNカプラーSP取付位置(05140)。

相互に床板を交換しTNカプラーSPの装着状態を確認した。
一応車体妻面を基準に固定しており変動は無いと考えていた。
しかし手作業による個体差は避けられない。
TR-200A床板よりも剛性の高いTR-200床板とは言えTNカプラーSPの偏位には一抹の不安が残った。
その結果は吉と出てくれた。
05140,05040共に床板振替前と同位置で収まっている。
CT車系のTR-200床板はスカート位置を嵌合基準にした。
これにより個体差は最小限に留まったと思われる。


2101,2001と同じ機器配置に修正された05140,05040。

各部の確認を行いながら床板相互振替を行った。
結果的には何も気にせず交換しても良かったらしい。
ただこの程度の手間を掛けた方が安心を手に入れられる。
将来的な不安を抱え続けるより確実性を優先した。
後は点灯状況に不具合が出ないか確かめるだけとなる。


05140 点灯試験[53S 三鷹]:前照灯(床板振替)。


05140 点灯試験[53S 三鷹]:尾灯(床板振替)。


05040 点灯試験[53S 三鷹]:前照灯(床板振替)。


05040 点灯試験[53S 三鷹]:尾灯(床板振替)。

点灯試験結果は良好だった。
動態時は2101Fより安定度に欠けるきらいがある。
これはビス締結式SS-167(061)非動力台車である限り目を瞑る必要があるだろう。
TNカプラーSP化入場前に比べれば十分だと言える。
何よりも床板交換による影響が出なかったのが最大の収穫だった。




05140(床下機器配置修正:床板振替)。


東葉高速2000系2101現行仕様(2101F)。




05040(床下機器配置修正:床板振替)。


東葉高速2000系2001現行仕様(2101F)。

床板振替を終え05140,05040が竣工した。
見附は2101,2001と同等になった。
CT車系は1側と2側で床下機器の造形が全く異なる。
そのため床下機器配置修正後の雰囲気が大きく変わった。
今まで見慣れた05系13次車とは別物の様相と呈していると思う。

当初40Fの床下機器配置修正は床板方向を維持し部品を付け替える計画だった。
しかし05440で床下機器部品の撤去が難しいと判り簡便な床板方転に変更した。
05140と05040だけは車体方向とTR-200床板の[⇦]刻印が揃う変則組立編成になる。
しかし外観から気になる箇所は感じられず工程簡略化を考えれば中間車の床板方転は良い判断だったと思う。

東葉高速2000系2101F [2101] 現行仕様 フルカラーLED表示器編成 (TNカプラーSP化:前進取付施工)

2017-11-06 21:12:15 | 5号東西線,営団線
待望。

第二次整備を終えグリーンマックス製東葉高速2000系2101F現行仕様(2101F)が出場した。
所有車両でTR-200A床板装着車は2101Fが初登場となった。
TNカプラーSP前進取付は試行錯誤を繰り返したが最終的に非動力車共通仕様化へ至っている。




東葉高速2000系2101F 現行仕様。
2101F:2101-2201-2301-2401-2501-2601-2701-2801-2901-2001。
※フルカラーLED表示器編成,TNカプラーSP化。

2000系は東京地下鉄東西線の信号設備更新計画(WS-ATC→CS-ATC化)に沿って登場した。
同時期に落成した東京地下鉄05系13次車と共同開発車でもある。
基本設計は05系13次車に準じており造形の差は殆ど無い。
系列呼称が1000から2000に改められる地味な変更点があった。
現在まで3次に渡り11編成が落成している。
2110Fまでは1000形の代替名目を含み2000系の運用開始と前後し同数の1000形が運用を離脱した。
2004年から順次営業運転を開始した2101F,2102F,2103Fは実質1次車に相当する。
この3編成は側面シンボルマーク下部に[TOYO RAPID RAILWAY]のレタリングを有していた。
実質2次車となる2104Fからレタリング貼付が取り止められシンボルマークだけに変わった。
後に2101F,2102F,2103Fのレタリングは剥離されている。
登場後の目立った変化は余り多くなく推移してきた。
今のところ主だった動きは以下の2編成に留まる。
先ず2014年10月頃に2109Fの前照灯がHID式から2灯並列配置のLED式へ改造された。
都合4灯の前照灯が並ぶ特徴を持つ2109Fも遠方からではHID式前照灯編成との識別はし難い。
また2017年2月頃から東京地下鉄05系では放送機器更新と同時に行先表示器のROM更新が開始された。
翌2017年3月に2101Fは新ROM化に併せフルカラーLED行先表示器へ改造された。
製造初年から13年が経過した2000系では最大の変化だと思う。
2109FのLED式前照灯化改造例があるため他編成への波及が気になるところである。


1000形01F,2101F。

製品は東京地下鉄05系13次車を一部仕様変更した実車さながらの共通設計ぶりを発揮している。
プロトタイプは唯一フルカラーLED行先表示器化されている2101Fが選ばれた。
JR線直通関連の装備が無く信号炎管と防護無線アンテナは搭載されていない。
印刷済の行先表示類は[54T 快速 東葉勝田台]とされた。
東西線では新ROM化により無表記だった各駅停車も[各駅停車]が表示されるよう変更された。
※3色LED表示器編成は[各停]表示。
[快速]は1000形の幕式行先表示器を思い起こさせる。
新鮮味を出すには[各駅停車]を選択しても良かったと思う。
そのフルカラーLED行先表示器だが所有編成とのイメージ離合感を強める原因になってしまった。
在籍する東葉高速形式は1000形01F,12Fの2編成である。
何れも2101Fとはプロトタイプ時期が大幅に異なる。
製品案内書から導入決定時にはイメージ離合が確定していた。


1000形12F,2101F。

3色LED行先表示器編成であれば01F,12Fとの時間差を多少は埋められたと思う。
行先表示類は印刷済の上に純正行先ステッカーも存在しない。
表示変更にはマイクロエース製東京地下鉄07系73F東西線仕様(73F)付属ステッカーが最有力だと思う。
しかし73Fの付属ステッカーは表示が見難く透過も激しい。
加えて運行番号も[XXS]一択で東京地下鉄持ち運用の東葉高速代走仕様しか選べない。
73Fで採用した自作ステッカーはオレンジの発色に手こずり非点灯時は無表示同等になる。
2101Fはやや上を向いた角度と発色の良いフルカラーLED行先表示器印刷により点灯しているように見える。
これを相殺する自作ステッカーの起用は気が進まない。
当面はフルカラーLED行先表示器からの変更が望めず現状を維持する方向である。
40Fと同時期に製品化されていれば01Fとの離合に齟齬は生じなかった可能性が高い。
ここだけは2000系リリースの惜しまれる箇所だと思う。


東京地下鉄05系40F,2101F。

東京地下鉄05系13次車は40F前期仕様(40F),41F中期仕様(41F),42F中期仕様(42F)がリリース済である。
行先表示は各々40F:[西船橋],41F:[快速 三鷹],42F:[中野]とされた。
2101Fとほぼ同時期のリリースながら42Fは旧ROM仕様で[各停 中野]表示にはならなかった。
そのため2101Fは同一メーカーの共通設計形式でありながら何れともプロトタイプが揃わない珍現象が生じている。
一応42Fは41Fのリニューアル再生産品扱いでありプロトタイプ時期を守っただけなのかもしれない。
ただ従来のリニューアル再生産品は行先表示類の変更を伴わない製品が多数派だった。
42Fの例は今後の方向性を示す可能性があると思う。
但し単なる43F現行仕様(43F)への布石と言う考えも否定できない。
現在05系13次車の増備は未定でイメージ離合を回避するにはE231系800番代現行仕様頼みになる。


2101Fサイドビュー(2101:TNダミーカプラー化)。

側面見附は40Fから変更されておらず気になる箇所は無い。
分解すると車体方向が判別し難くなるM2車系とT車系は車内天井に[←]印を記入し今後の入場に備えた。
TNカプラーSPは全車前進取付とし極端に連結面間隔が狭まる製品仕様の弱点を補完している。
ほぼ取付位置は揃い各連結面間隔は大凡均等化された。
CT車系の2101,2001はダミーカプラーをマウントレスTNダミーカプラーへ交換した。
73Fから続く東西線グループに於けるTNダミーカプラー化の系譜は2101Fでも受け継がれている。


東京地下鉄07系73F東西線仕様 (マウントレスTNダミーカプラー化)。

所有編成での20m級コアレスモーター搭載動力ユニット装着編成は40Fが初登場だった。
しかし動力ユニット更新編成の宿命で非動力車の走行抵抗軽減策が採れない。
2101Fは10両編成のため40Fとの性能差が大きく現れた。
加減速のスムーズさはTR-200A床板装着車ならではだと思う。

出場まで時間を要したが概ね満足出来る製品と言える。
プロトタイプは他社の製品化状況を伺うより先ずは現行仕様を選択するのが無難だろう。
グリーンマックス製品には東京地下鉄15000系という商材があり理解出来る。
何より2000系のリリース実現そのものが大きい。
今後のバリエーション展開に期待している。

東葉高速2000系2101[2101F] 現行仕様 TNカプラーSP前進取付施工,運転台側マウントレスTNダミーカプラー化

2017-11-05 21:13:00 | 5号東西線,営団線
万全。

グリーンマックス製東葉高速2000系2101F現行仕様(2101F)の最終入場はCT1車の2101となった。
試行錯誤が続いたTR-200A床板装着車のTNカプラーSP前進取付も固まり進行は早いと予測した。
2001(2101F)に対し2101の第二次整備はマウントレスTNダミーカプラーの製作が加わる。


東葉高速2000系2101 現行仕様(2101F)。

2101のTR-200A床板は前後動し易い傾向があった。
嵌合が固かった2001と構造は変わらない。
疑問を抱き分解したものの特に異常は見られなかった。
ライト基板の集電スプリングが絡むとの考えは外れだったらしい。


入工中の2101。

床板を取り外した序でにスカートの加工を先行させた。
2001ではマウントレスTNダミーカプラー化工程にダミーカプラー撤去が含まれた。
たまたま構造確認で工程順の入れ替えに繋がった。
これでスカート取付後の分解が廃止され効率が上がる。
今後2000系や東京地下鉄05系13次車のCT車系は2101での方式を標準としたい。


ダミーカプラーを撤去したスカート。

2101のダミーカプラーも接着されていた。
東京地下鉄05系05140,05040前期仕様(40F)では抵抗無く引き抜けた。
ダミーカプラーの固定化はTR-200A床板化に連動しているのかもしれない。
恐らく同時期リリースの42F中期仕様(42F)も固定されていると思う。
ただ41F中期仕様(41F)の投入を見送っており40Fならではの仕様とも考えられる。
所有する40Fも個体差だった可能性があり40F,41F,42Fのダミーカプラー撤去は注意が必要だろう。
しかもダミーカプラーは2001より強力に固定されていた。
撤去方法は同一としたがダミーカプラーの胴受天面には銀塗料と共に接着剤痕が激しく残った。


再取付したスカート。

2101のダミーカプラー自体は撤去できた。
しかし取付脚を切断した状態でスカートマウントの取付孔は埋まったままである。
2001はダミーカプラー撤去後に千枚通しで取付脚の欠片を押し出し貫通させた。
しかし2101は接着剤投入量が多かった模様で千枚通しが全く通用しなかった。
床下側に波打ちが残るとマウントレスTNダミーカプラーの固定が安定しなくなる。
表面を均し平滑化を施した後に床板へ取り付けた。
車体にTR-200A床板を組み込む際には運転台側へ詰める。
非動力中間車とは異なり車体前端が一直線で運転台側から嵌め込んでも間違いには至らない。


TNカプラーSP化された2101。

SS-167(068)非動力台車はスカート加工時に撤去していた。
このままTNカプラーSPの前進取付に着手する。
TR-200A床板のTNカプラーSPは取付位置が決定しており特に確認等は行わなかった。
CT車系はSS-167(068)非動力台車のTNカプラーSP対応化に加えTNダミーカプラー取付が待つ。
これらの作業を終える頃にはゴム系接着剤の固着が進むため連結試験まで一気に行える。
2701(2101F)から工程順を変更したがその効果はCT車系が一番高いと思う。


分解したTNカプラー。

いよいよ最終工程のマウントレスTNダミーカプラー化に移行した。
TNダミーカプラーはTNカプラーを加工する。
ロアフレームとマウントが一体化されたTNカプラーSPでは大加工を要する。
幸い密着式TNカプラーは保管品を大量に有しており原形品を起用しても何ら不都合は無い。
この中からロアフレームの嵌合が緩くなった個体を抽出した。
分解されたTNカプラーのうちマウントは予備品へ廻している。
現在では使用車両が大幅に減少したTNカプラーだが密着自動式の保管数が少ない。
部品単体となった加工失敗品を組合せ復旧を図る予定である。


マウントレスTNダミーカプラーへ交換した運転台側。

先ず不要となるロアフレームの線バネステー,ジャンパ連結器,嵌合爪を撤去した。
次に連結器後部の凸形に成形された線バネガイドを切除しスカート床板側の凹凸を廃する。
連結器後端にゴム系接着剤を塗布しロアフレームへ固定した。
取付時に連結器方向が狂うと前面見附を悪くする。
接着後もある程度自由度が残るゴム系接着剤を用い連結器の偏位を防止している。
取付目安は2001と同一で枕木方向,線路方向の位置を定めた。




スカートの空間が減少した2101。

マウントレスTNダミーカプラー化によりスカート周りの意匠が若干変化した。
スカート開口部は胴受位置が低くなり実車に近くなったと思う。
その代わり連結器は車体裾欠き取り部に届かなくなった。
設置したスカート床下側は車体下部と面一で連結器位置をこれ以上引き上げるのは難しい。
TNダミーカプラーのロアフレーム上部もこれ以上薄く出来ない。
細部まで追求するにはスカートを加工するしかないだろう。
ただ俯瞰では誤魔化しが利くため当分は現状維持とする。


2101 点灯試験[54T 快速 東葉勝田台]:前照灯。


2101 点灯試験[54T 快速 東葉勝田台]:尾灯。


05140 点灯比較[53S 西船橋]:40F。

静態時に前尾灯レンズが埋没しているため点灯させると一気に表情が変わる。
40Fと同じ発光度合ながら存在感が引き立つ。
点灯試験中もちらつき等は発症せず安定していた。
当初は不安定さが目立った05140,05040は集電板と導電板の研磨により今のところ不具合は見られない。
TR-200A床板はコアレスモーター搭載動力ユニット同様にメンテナンスフリー化されている可能性がある。
今後経年が進みどの様に変化するか確認していきたい。




2101(TNカプラーSP前進取付施工,床板嵌合猶予抑制)。

遂に2101が竣工し2101Fの第二次整備を終えた。
TR-200A床板の前後動は想定外だったが個体差だろう。
床板の油脂皮膜は殆ど無く2001とは対照的だった。
念のためTR-[XXX]A床板装着車は一度分解した方が無難だと思う。


2001+2101 (マウントレスTNダミーカプラー化)。

製作過程都合で個体差の出やすいマウントレスTNダミーカプラーも2101と2001でほぼ揃ってくれた。
東西線系統では採用例が多い。
形式間の統一は叶っていないが編成単位ではそれなりの見附を保てている。
2101Fも最低限のレベルを確保できたと言えよう。

回着から竣工までかなり時間を要した。
但し工程見直しや作業簡略化により後期入場車は手際良く進められたと思う。
後半できっかけを掴む辺りは変わっていないらしい。
ただグリーンマックス製20m級車整備の効率化には貢献した第二次整備になった。
気分良く2101Fの出場を迎える。

東葉高速2000系2001[2101F] 現行仕様 TNカプラーSP前進取付施工,運転台側マウントレスTNダミーカプラー化

2017-11-04 21:02:35 | 5号東西線,営団線
再用。

グリーンマックス製東葉高速2000系2001現行仕様(2101F)の第二次整備に取り掛かった。
2101Fでは初のCT車系が入場となる。
類似の東京地下鉄05系05140,05040(40F)前期仕様は旧製品で施工例には余り当てにならないと考えた。


東葉高速2000系2001 現行仕様(2101F)。

初施工と変わらない状態で先ず基本構造を確認した。
2001でも床板嵌合猶予は存在する。
TR-200A床板は非動力中間車に比べ簡単には移動しなかった。
恐らくライトユニットの集電スプリングが床板の導電板に常時押圧を与えている効果だと思う。
製品原形でも床板前後動は気にならないだろう。
運転台側の導電板周りは油脂の膜で覆われていた。
粘度から導電グリスには思えなかった。
ライトユニットの集電スプリングに防錆措置が施されているのかもしれない。
油膜が台枠まで進出した現状には納得できない。
構造確認の序でにクリーナーで清掃を行った。


入工中の2001。

各部を確認し2001の施工方法が定まった。
TNカプラーSP前進取付方式は原則非動力中間車仕様を踏襲する。
但しTR-200A床板は東葉勝田台寄妻面基準ではなくスカート位置(中野寄)基準へ変更した。
CT車系は運転台側の印象が重要である。
車体と床板のバランスを考慮した結果で05140,05040も同様の措置を採った。
ただTR-200A床板とTR-200床板の違いが基準位置設定に影響を与える可能性もあった。
幸い2001のTR-200A床板は当初から運転台側に詰められており製品原形を維持している。
加えてスカートも05040と同位置に収まった。
CT車系のTR-200A床板固定位置は運転台側妻面基準で確定した。


非動力中間車より広くなった車体妻面と床板スペーサー端部(東葉勝田台寄)。

2001(CT2車)のTR-200A床板は中野寄に詰めた事になる。
よって東葉勝田台寄は妻面窓セルが完全に露出するほどスペーサーが車端から離れた。
これにより台車位置が非動力中間車と変わると思えた。
更にこの現象は2101(CT1車)でも生じるため不安が過ぎった。
ところが車体側扉戸当たりゴムモールドと床板センターピン位置には大きな差が見られない。
CT車系の運転台側車体造形が非動力中間車と床板嵌合位置を揃わなくさせたらしい。
結局工程は05140,05040と同じになった。
TR-200A床板は横幅以外TR-200床板の寸法を踏襲した模様である。


非動力車共通仕様のTNカプラーSP前進取付位置(東葉勝田台寄)。

TNカプラーSPの前進取付対応化は嵌合部逆L字形整形が狭幅となる非動力車用とした。
車体妻面とスペーサーの位置関係が変更された影響は受けない。
固定位置は非動力車と同様である。
これにより連結器突き出し長の均等化も図れる。
別途CT車系用に追加施工する項目を生じさせずにTNカプラーSPを取り付けた。
この後SS-167(068)非動力台車のTNカプラーSP対応化を行った。
ライトユニット装着車だが構わず集電板の黒色化も施している。
通電系統は集電板内側であり点灯には影響しないだろう。


撤去したダミーカプラー付スカート。

次にダミーカプラー交換のためスカートを取り外した。
スカートは単体で着脱が可能である。
しかしスペーサーの剛性が低いように感じており念のため一体で撤去している。
ダミーカプラーは2脚式嵌合でスカートマウントに固定されていた。
取付脚を押し込んでも動かず接着剤が投入されたらしい。
止むを得ずダミーカプラー胴受とマウント接触部周囲にクラフトナイフを入れ剥離した。


TNダミーカプラーと純正ダミーカプラーを撤去したスカート。

TNダミーカプラーは製作途中で放棄されたマウントレス仕様を発掘しこれを再加工した。
マウントレスTNダミーカプラーはTNカプラーのロアフレームと連結器を転用するだけに等しい。
発掘品は線バネステーを撤去し連結器をゴム系接着剤で固定した時点で止まっていた。
この形状のままでは2000系に適合しない。
05140,05040用に揃えジャンパ連結器を切除した。
凹部にゴム系接着剤を盛りスカートマウントへの固定に移る。


無難に収まったマウントレスTNダミーカプラー。

マウントレスTNダミーカプラーはボス嵌合が難しい車両に限り採用してきた。
文字通りマウントが無く位置合わせに難儀する。
枕木方向,線路方向共に目安を持たない構造が最大の弱点である。
基準は採用車両毎に設けるしかない。
2001では枕木方向:貫通扉,線路方向:アンチクライマーにしている。




マウントレスTNダミーカプラー化された2001。

何度も微調整を行った結果TNダミーカプラーはそれなりの位置に決められたと思う。
グリーンマックス製ダミーカプラーに対し一回り大型化された。
全体のバランスを崩す程ではなく40Fでも見慣れているため違和感は無い。
なお連結器前部はアンチクライマーより僅かに前方へ出した。
万が一連結させると分解を要するため取り扱いには注意したい。


2001 点灯試験[54T 快速 東葉勝田台]:前照灯。


2001 点灯試験[54T 快速 東葉勝田台]:尾灯。


05040 点灯比較[53S 西船橋]:40F。

ライト基板は40F譲りの白色LEDチップ採用品でHID式前照灯らしさを醸し出す。
東京地下鉄05系13次車と異なり静態時と動態時の差が大きく出るのは2000系ならではの個性と言えよう。
前尾灯の点灯状態は安定していた。
スナップ嵌合式非動力台車の導電効率は他形式で実績があった。
所有する20m級車両で初登場となった2101Fにもその良さが引き継がれていると思える。




2001(TNカプラーSP前進取付施工:床板嵌合猶予抑制)。

点灯試験に合格し2001が竣工を迎えた。
CT車系のTR-200A床板装着車は初入場だった。
念のため構造確認から入り作業を慎重に進めた。
基本的には非動力中間車の工程を踏襲したと言える。
遡るとTR-200床板装着車とも同一過程になった。
形式や車体構造に関わらずTR-200A床板は仕様の共通化を図れるかもしれない。


2901+2001 (非動力中間車+先頭車)。


2801+2901 (非動力中間車+非動力中間車)。

TR-200A床板の嵌合位置が異なる2901(2101F)とも連結器突き出し長はほぼ同一に揃えられた。
TNカプラーSPの固定位置が非動力車で共通化されたため大幅なずれは生まずに済んでいる。
むしろマウントレスTNダミーカプラー化の手間が上回った。
2001では再用品を起用出来た。
しかし2101用は新規製作となりある程度の時間を要する。
ただ2001の竣工でCT車系へ特別な加工は要さないと判った。
工程簡略化で生まれた時間をTNダミーカプラー化に充当したい。

東葉高速2000系2801+2901[2101F] 現行仕様 TNカプラーSP前進取付施工,SS-167(168)非動力台車集電板黒色化

2017-11-03 21:12:01 | 5号東西線,営団線
同時入場。

グリーンマックス製東葉高速2000系2101F現行仕様(2101F)は密着式TNカプラーSP不足により整備を中断した。
不足数は1両分だったがユニット単位での竣工とCT車系入場が重なり敢えて作業を止めた。
密着式TNカプラーSPを確保した当日に第二次整備を再開している。


東葉高速2000系2801 現行仕様(2101F)。


2901 現行仕様(2101F)。

2701(2101F)の整備で作業効率が大幅に向上した。
整備の遅延を取り返す狙いもあり2801,2901(2101F)を入場させる。
同日竣工は2501,2601(2101F)の例があった。
これは実質二度の単独入場を繰り返しただけである。
今回は2801,2901の同時入場とし更に工期短縮を狙う。
2101F出場後に備えた動きで工程を変更した2701の入場に近い意味合いを持つ。


車内天井に[←]印を記入した2901。

本整備前にM2’車の2901を分解し車内天井に[←]印を設けた。
M1車の2801では不要な施工である。
2801,2901を同時進行させるため工程の統一を図った。
また組立時にTR-200A床板を東葉勝田台寄に詰めた。
これに倣い2801も床板位置を調整している。


入工中の2801,2901。

予めTR-200床板を偏位させ一工程を廃止した。
グリーンマックス製20m級車両完成品はリリース次第で今後も導入機会が生じる。
2201(2101F)から徐々に工程数削減を進めてきた。
大枠が決定した2601竣工以降も無駄を削ぎ2801,2901の同時入場に結び付けている。
20m級車両の投入は未定ながら第二次整備期間は大きく短縮出来る可能性が高まるだろう。


2両分の前進取付対応化済TNカプラーSP (2801用,2901用)。

入場車が2両に変わりTNカプラーSPの加工も4器に増えた。
嵌合部の逆L字形整形はニッパーとデザインナイフで行っている。
基本形は立ち上がり部が広幅と狭幅の2種類である。
各々目安が決まっており加工は労さない。
TNカプラーSPの前進取付対応化は更に入場数が増加しても対応できると思う。
但し過去の失敗例から整形時の誤切断だけは注意点として残る。


TNカプラーSPを固定した2801,2901。

入場前にTR-200A床板を東葉勝田台寄へ合わせておりTNカプラーSPの前進取付は即時行える。
固定位置も車体妻面が基準でTNカプラーSPのジャンパ連結器を妻面に揃えるだけで済む。
第一次整備時は基準車製作という考え方から離れられなかった。
これが作業遅延の遠因になったと思う。
しかし非動力中間車のTNカプラーSP取付は簡略化を図りつつ統一された。
現状では考え難いがTR-200床板装着車導入時にも通用すると思う。


倍増したTNカプラーSP対応化済SS-167(168)非動力台車 (2801用,2901用)。

SS-167(168)非動力台車のTNカプラーSP対応化は組立にやや時間を要している。
相変わらず車輪装着補助用ウレタンに頼った。
スナップ嵌合式非動力台車の集電板形状が変更されない限り小道具に頼らざるを得ない。
今後リリースされるグリーンマックス製品では必ず付いて回る作業である。
入場車両数を増やした際に進行の妨げとなる事態は防ぎたい。
スナップ嵌合式非動力台車の加工数を捌き慣れるしかない。




2801(TNカプラーSP前進取付施工:床板嵌合猶予抑制)。




2901(TNカプラーSP前進取付施工:床板嵌合猶予抑制)。

SS-167(168)非動力台車の加工で詰まったが総合的には順調に作業を進められた。
モノリンク式台車のため集電板黒色化面積が広くマッキーで塗り潰す際に斑を抑えるのが難しい。
今まで各部の黒色化はマッキー一本槍だった。
金属部品には油性ペイントマーカーも選択肢の一つだと思う。
それでも入場から竣工まで約65分だった。
非動力中間車の初入場だった2401,2501では何も出来ないまま引き返した。
それを考えると格段に効率は良くなったと言えるだろう。


2801+2901 (非動力中間車+非動力中間車)。

2101Fは2801,2901の竣工で中間車全てが出揃った。
整備待ちの2101,2001は再び単独入場に戻る。
東京地下鉄05系05140,05040前期仕様(40F)はTR-200床板の嵌合猶予があり運転台側へ詰めた。
TR-200A床板の例が存在せず先ずは構造確認が必要となる。
これにTNダミーカプラー化が加わるため独自項目が増える。

但しTNカプラーSPの前進取付だけは非動力中間車と同一方式が採用できる。
2701,2801,2901では2101F出場後に備える工程見直しを行った。
その一部は早速活かされると思う。

東葉高速2000系2701[2101F] 現行仕様 TNカプラーSP前進取付施工,SS-167(068)非動力台車集電板黒色化

2017-11-02 21:11:08 | 5号東西線,営団線
抑止。

グリーンマックス製東葉高速2000系2101F現行仕様(2101F)の第二次整備は2501から工期短縮が図れた。
しかし2701は時間的制約により入場させられなかった。
TNカプラーSP前進取付対応化時の取り違えが計算外で作業を押す結果になっている。


東葉高速2000系2701 現行仕様(2101F)。

TNカプラーSPは形状毎に管理していたはずだった。
2601(2101F)での取り違えは密着式TNカプラーSPに密着自動式が紛れ込んでいたためである。
この失策はマウント振替で事無きを得た。
これと同時に密着式TNカプラーSPが1両分不足すると判明した。
2101Fの入場に備え保管品の数量を確認していた。
この時既に密着自動式が混入していたらしい。
現在2101,2701,2801,2901,2001の5両が入場待ちになっている。
ここで不足する密着式TNカプラーSPが補充されるまでの整備順を再考した。
2101,2001(CT1車,CT2車)は非動力中間車と工程が異なりダミーカプラー交換が含まれる。
TNダミーカプラーの取付は東京地下鉄05系05140,05040(40F)以来で連続入場が好ましい。
尚且つ余裕のある日程で施工しないと失策を招く恐れがある。
M1車+M2'車の2801,2901はユニット単位で竣工させたい。
中途半端な状態で作業を止めたくなく無難に2701(T'車)の単独竣工を選択した。


入工中の2701。

2601までの竣工車は何れもTNカプラーSP前進取付後に固着待ち時間を要していた。
40Fの床下機器配置修正を並行した当初はこの時間を有効活用出来ており気にしていなかった。
2201(2101F)以降から単独入場に変更し空き時間が生じた。
限られた作業時間を無駄に出来ない。
再び単独入場となる2701では工程順を改め作業時間の短縮を狙う。
施工内容は20m級非動力中間車共通仕様を踏襲する。
従来はSS-167(168,068)非動力台車のTNカプラーSP対応化を先行させていた。
これはスナップ嵌合式非動力台車の組立に難儀した影響に拠る。
しかし車輪装着補助用ウレタンの活用で先に加工する必要性が薄れてきたように感じられた。
そこでTNカプラーSPの前進取付と順序を逆転する。
固着待ちの間にSS-167(068)非動力台車の加工に取り掛かれば固着待ちは不要になると予想した。


前進取付を終えたTNカプラーSP。

TNカプラーSPの取付前にTR-200A床板を東葉勝田台寄へ詰める。
2601から採り入れたばかりの方式だがこれも無駄に思えた。
非動力中間車のTR-200A床板位置調節は東葉勝田台寄まで移動させるだけでいい。
予め措置を採り入場させれば工程自体が廃止できる。
作業順変更と併せ更なる効率化が図れるかもしれない。
なおTNカプラーSPの取付は東葉勝田台寄→中野寄から変更は無い。
台車が撤去されているため完成線には留置出来なくなった。
車体の天地を逆にし収納ウレタンで保持させている。


最終工程に廻ったSS-167(068)非動力台車のTNカプラーSP対応化。

スナップ嵌合式非動力台車はFS-547から組立に苦労していた。
苦手とする工程は相変わらずである。
しかし2701では先を急ぐ必要が無くなった。
仮に時間が延びてもTNカプラーSPの固着が進む利点に変わる。
落ち着いた環境下でSS-167(068)非動力台車のTNカプラーSP対応化に取り掛かれた。
東葉勝田台寄の集電板は凸部の根元が軽く折れ曲がっていた。
SS-167(168,068)だけではなくFS-383(083),FS-547(047)でも当初から湾曲した個体が存在した。
但し折れ曲がった状態は初で何処でこの様になったかは判らない。
曲がった集電板でもスナップ嵌合式非動力台車は摺動抵抗が増大しない特性を持つ。
意外と見落としやすい箇所かもしれない。


外側へ曲がった1側の集電板(東葉勝田台寄)。

折れ曲がった集電板はクロスで包みクランパーで整形している。
集電板単体で負荷を掛けると返って変形を進めそうな予感がした。
SS-167(068)非動力台車を組み立てた後に梃子の原理を利用し修正を行った。
再分解は見送ったが側梁と集電板が密着しており原形に近付けられたと思う。
当然摺動抵抗も変わっておらず走行性能低下の確率は低い。
集電板黒色化を含めたTNカプラーSP対応化は上記修正を除くと従来の所要時間と変わらなかった。
ここでTNカプラーSPの固着状態を確認した。


SS-167(068)非動力台車装着前の2701。

TNカプラーSPに塗布したゴム系接着剤はSS-167(068)非動力台車の加工中にほぼ固着していた。
微調整はもちろん剥離も容易ではない状態だった。
ここまで固定されれば特に気を使わなくても良い。
集電板修正の時間を差し引いても同様の結果を得られると思う。
よってゴム系接着剤の固着待ちは廃止したい。


[⇦]刻印に合わせ[←]印を記入した車内天井。

2000系も東京地下鉄05系13次車と同じく車体方面が掴み難い。
40FはKATOカプラー化を経てTNカプラーSP化された。
二度の入場で一部車両は車体の嵌合方向を間違えた。
2101Fは第二次整備の主工程がTNカプラーSP化である。
今後の分解機会は殆ど無いと思え40Fで施した車内天井への[←]印は不要と考えていた。
しかし何が待ち構えるか判らず急遽[←]印を記入する事にした。
対象車はM2車系とT車系で竣工済だった2301,2401,2601にも追施工している。




2701(TNカプラーSP前進取付施工:床板嵌合猶予抑制)。

全工程を終え2701が竣工した。
TNカプラーSP前進取付の先発は作業効率化に直結している。
瑕疵無く竣工した2501より入場時間は短かった。
ゴム系接着剤固着待ちの時間が丸ごと削減されたに等しい。
工程順を変更した効果は予想より大きかった。


2601+2701 (非動力中間車+非動力中間車)。

連結面間隔の確認も作業終了と同時に行える。
何故もっと早く気付けなかったのかと思う。
今更無駄に時間を費やした事が惜しまれる。
それだけ手応えを得られた2701の第二次整備だった。

しかし2101Fの整備には再び無駄な時間が生じる。
至急密着式TNカプラーSPを手配しなければならない。
事前の確認及び準備不足は明白である。
最終入場車で気付くよりは良かったと考え切り替えたい。