試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

東京地下鉄5000系5813[63F] 冷房改造車 表示器類減光方式変更施工 (5013[63F] 車体傾斜修正同時施工) ※旧製品

2019-11-15 21:45:50 | 5号東西線,営団線
元第二次試作車。

マイクロエース製東京地下鉄5000系旧63F冷房改造車(5813)は間接式表示器減光対策試作編成だった。
旧5813,旧5013(旧63F)では減光措置方法が異なっていたが63Fとの表示器用プリズム振替えを迎える。
この際旧5813用表示器用プリズムは旧5013用表示器用プリズムと仕様を揃えた上で5813(63F)に取り付けられた。


東京地下鉄5000系5813 冷房改造車(63F)。
※旧製品。

間接式減光対策第二次試作車の旧5813は結果的に本格施工第一陣を飾る車両となった。
旧63Fから63Fへの表示器用プリズム移設時に行った追加施工は作業簡略化を狙った結果である。
施工方法の異なる旧5813,旧5013用表示器用プリズムをそのまま転用すると63Fは編成前後で点灯照度に差が出てしまう。
第一次試作で厳重に塗り潰された旧5013用表示器用プリズム前端部を復旧するには一手間が掛かる。
点灯照度均等化への近道は5813を5013(63F)に合わせるのが合理的選択だと考えた。
敢えて手を加える必要の無かった旧5813用表示器用プリズムは第一次試作車仕様へ逆戻りし5813に廻されている。


入工中の5813。

この時の判断は完全なる誤りで今になって第二次試作当時の遮光方式へと回帰する羽目になった。
5013は表示器用プリズム前端部を復旧させるだけで作業時間の半分以上が奪われた。
追加施工が悔やまれるが5813の点灯照度を復元するにはインク除去は避けて通れない道である。
ペイントリムーバーの使用方法さえ間違えなければ表示器用プリズムに塗布したマッキーは除去できる。
第一工程は表示器用プリズムのインク除去としもう一つの課題である床板装着問題解消へ移る算段とした。
入場させた5813はライトユニットが床板へ固定された状態で分解に至る5013とは異なる滑り出しとなった。


一部が省略されていた黒色化追加施工。

5813用表示器用プリズムケースも車体に溶着固定されていたため全体を抉って取り外した。
取り付けは接着剤を使用しない嵌合脚頼みであり床板の取り外しと同時に車体から脱落した。
表示器用プリズムもただ嵌合させただけでありすべてがばらばらになっている。
やはり表示器用プリズムケースの安定性を高めるには何処かを固定する必要があると思わされた。
何もしないまま単体部品になった表示器用プリズムは移設時の手抜きが発覚する。
似たような措置に見えたが塗り潰した範囲は狭く裏面には成形色の露出した箇所が多く残っていた。


大半が成形色に戻った表示器用プリズム前端部。

一瞬インク除去作業が捗ると思えたものの灰Hゴム支持再現周囲の状況がこれを否定する。
運行番号,行先表示器部だけは漏れなくマッキーで覆われており5013での作業と大して変わらなかった。
とにかく灰Hゴム支持再現の保護が最優先とされペイントリムーバーを浸した極細綿棒でインク除去に当たった。
やや複雑な成形が成されている運行番号表示器部は折妻に合わせた後退角がある。
そのためプリズム折り返し部と平行に極細綿棒を当てられず線路方向へ向けて捌いた。
溶解したインクは運行番号,行先表示器直後の僅かな段差に溜まってしまうため都度ティッシュペーパーで吸い上げた。
最後にインクを除去した箇所を事務用消しゴムで擦り成形色と同等まで持ち上げている。


車体中央側の嵌合脚と固定した表示器用プリズムケース。

分解直後の状況に懲り表示器用プリズムケースは車体と固定する方向へ梶を切った。
先ず表示器用プリズムとケースの間に微量ゴム系接着剤を塗布し一体化を図った。
次にゴム系接着剤を表示器用プリズムケース車体中央側の嵌合孔に埋め込む。
製品仕様ではケース後端部へ流し込み接着剤が投入されていたが意図的に車体中央寄を選択した。
側板寄は側面窓セルも表示器用プリズムケースを支えており支持点の少ない車体中央寄が安定化に有利だと判断した。
また着脱性にも優れているため今後の仕様変更も対応可能となっている。


失念していた4点嵌合式のライトユニット。

ひとまず点灯照度向上と表示器用プリズムケースの安定化は終着点が見えた。
続いて5013を組み立てた後に発症した車体傾斜の抑止策を検討する。
車体傾斜は表示器用プリズムケースとライトユニットの嵌合が関係していると思われた。
分析にはライトユニットの構造確認が必要だと考え床板からの撤去を試みた。
しかし垂直方向に引き上げるだけではライトユニットが取り外せなかった。
ライトユニットは4点で台枠のTNカプラー取付部及び表面へ嵌まり込む形状だった。
TNカプラー取付部の嵌合は引掛式で本来なら簡単に脱落しないはずである。
この構造は完全に頭から抜け落ちており5013で採用した取付方式ではライトユニットが台枠から浮いてしまうと気付いた。




5813 [33S 快速 三鷹]:行先表示変更施工。


交通営団5000系5833 [65S 快速 東葉勝田台]:83F(クロスポイント製行先方向幕ステッカー貼付車)。

結局床板とライトユニットを分離して車体を組み立てる方法は断念に追い込まれた。
ライトユニット組み付けはライト基板集電脚の反力が強く引掛式嵌合爪の噛み合わせに注意を払った。
車体の組み付けも表示器用プリズムケースとの嵌合箇所を重視するよう変更している。
どうやら表示器用プリズムケースの固定化が機能したらしく運行番号,行先表示器に引き込みは現れない。
車体傾斜は発生せず連結器高も交通営団5000系5833(83F:5833)と大凡同一位置に収まった。
TNカプラーSP胴受上辺と前面車体裾の幅は入場前よりも狭まっておりライトユニットを再装着した二次的作用が働いている。
また5813でもクロスポイント製[津田沼]幕ステッカーの剥離に成功し今後の充当が可能になった。




5813 点灯試験[33S 快速 三鷹]:前照灯(表示器用プリズム減光方式標準仕様化施工)。


5813 点灯試験[33S 快速 三鷹]:尾灯(表示器用プリズム減光方式標準仕様化施工)。


交通営団5000系5833 点灯比較[65S 快速 東葉勝田台]:83F(表示器用プリズム間接式減光対策施工車)。

表示器用プリズムに残されたマッキー塗布箇所は傾斜した後端部及びその両脇となった。
減光方式を標準仕様へと改めた効果は大きく5833も運行番号,行先表示器の視認性が改善された。
5013での点灯試験結果と同じく[33S]表示は飛躍的な照度向上を果たせたと思う。
運行番号,行先表示器窓を黒Hゴム支持に改めた5833とは若干雰囲気が異なるが点灯具合に不満は無い。
なお在籍する交通営団・東京地下鉄5000系列では静態時の表示が見難かったマイクロエース製ステッカーを廃止している。
そのためこの減光方式をマイクロエース製ステッカー貼付車に採用しても表示が飛ぶ現象は解消されないと思う。


嵌合が甘かった前照灯用プリズム(5013)。

5813での結果を受け車体傾斜が生じている5013の修正へ取り掛かった。
前回入場時に転がり落ちたライトユニットは床板と一体のまま取り外せている。
但し引掛式嵌合爪が全く機能していない状態で引き上げるだけで撤去出来た。
そもそも台枠から外れ難いはずのライトユニットが何故脱落したのか不可解に思えた。
ライトユニットにも何らかの問題があるように感じ各部を点検している。
すると前照灯用プリズムが嵌合孔に嵌まっておらず2pcs式のライトユニットケース前端部を押し広げていると判明した。
歪んだライトユニットは台枠のTNカプラーSP取付部への嵌合を難しくしていたと思われる。




5013 [33S 快速 三鷹]:表示器用プリズム固定化,車体傾斜修正施工。


5013 点灯試験[33S 快速 三鷹]:前照灯用プリズム,ライトユニット再装着施工。

前照灯用プリズムを再装着したライトユニットは台枠にしっかりと嵌合された。
続けて表示器用プリズムケースも5813と同一方式で車体へ接着固定している。
所定の対策を施した5013は車体傾斜が収まりTNカプラーSP胴受上辺と前面車体裾も等幅に揃えられた。
車体が傾斜した直接要因はライトユニットにあると思われるが表示器用プリズムケースの安定度も関わっていたと思う。
点灯試験でもライトユニットを組み直した影響は無くちらつき等の発症には至っていない。
間接式減光対策試作車の名残を払拭した5813,5013(63F)が竣工し点灯照度差異は解消となった。
今後は表示器用プリズムケースの固定化を他編成に水平展開する予定である。
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