試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5828[78F] 非冷房車 後期仕様 車体傾斜緩和対策施工 (ライトユニット固定化)

2019-12-02 21:36:37 | 5号東西線,営団線
同類。

車体傾斜解消入場だったはずのマイクロエース製交通営団5000系78F非冷房車後期仕様(5828)だが早くも壁にぶつかった。
種車に起用した61F非冷房車(5811)から続く5828(78F←5811),5028(78F←5011)の車体傾斜は急展開で修正へと至る。
だが東京地下鉄5000系5813,5013冷房改造車(63F:5813)での部品嵌合改善方式を踏襲した5028は車体傾斜緩和に留まった。


交通営団5000系5828 非冷房車 後期仕様(78F)。
※FS-502非動力台車装着車。

2015年5月に導入した61F(二代目)の回着整備を振り返ると元5811は傾斜が生じていなかった。
しかし直後の出場記録では5028と共に山側への傾きが見られ整備中に余計な症状を引き込んだらしかった。
5828に於ける疑わしい施工は表示器用プリズムケースの着脱だけではない。
非冷房車後期仕様を再現するには製品仕様のFS-358非動力台車が似つかわしくなく思えた。
そこで同時投入となった61F(三代目→東葉高速1000形12F増発予備編成:1121)とFS-502非動力台車を相互交換した。
5828の車体傾斜発症はFS-502非動力台車装着車へ改めた作業が起点だと思われた。


入工中の5828。

5028では長年負荷が掛かり続けた床板の湾曲が疑われライトユニット固定化を第一工程とした。
78Fが初出場した後の動向は5828,5028とも同様であり当然5828用床板の状況も芳しくないはずである。
更にFS-502非動力台車の装着が怪しい5828は床板関連項目が第一工程になるはずだった。
ところが車体を分解した途端に表示器用プリズムケースが丸ごと転がり落ちてきた。
車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚を失った5028の直後でもあり作業順が入れ替えられる。
急遽表示器用プリズムケース固定化を先行した後に床板整備へと移る慌ただしい滑り出しとなった。


製品原形を維持する車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚。

脱落した表示器用プリズムケースは車体中央寄表示器用プリズムケース取付脚の折損を連想させた。
真っ先に運転台側天井を確認し車体中央寄,側板寄嵌合爪双方とも折損の恐れは無いとの確信を得ている。
流し込み接着剤投入痕は表示器用プリズムケース後端部に相当する位置が中心であった。
しかも引っ掻いた様な傷跡が残るのみで直接ラプロス#8000にて平滑化を施した。
同一LOT品の5828と5028であるが流し込み接着剤の投入箇所には個体差があった模様である。
5028は止むを得ず表示器用プリズム天面へゴム系接着剤を塗布したが5828の状況を考えると強ち外れではない様に思えた。


ゴム系接着剤で固定した表示器用プリズムと表示器用プリズムケース。

表示器用プリズムは間接式減光対策が施工済であり表示器窓黒Hゴム支持再現の補修だけを行った。
なお自作[快速 中野 地下鉄経由 KAKANO]幕ステッカーには若干の劣化が確認された。
自作行先方向幕ステッカーが傷む事例は殆ど存在しておらず5828用ステッカーは珍しい個体と言える。
新たなステッカーへの貼り替えも考えたが以後の作業が詰まっているため見合わせとなった。
嵌合精度の高い表示器用プリズムと表示器用プリズムケースだが多少のずれを受け入れてしまう。
そのためゴム系接着剤で一体化を図りライトユニットと正確に噛み合う状態が保てる構造とした。


分解に苦戦した5828用床板。

表示器用プリズムケースの固定は5813,5013を基本としながらも側板寄嵌合脚部へのゴム系接着剤塗布も追加している。
5813,5013よりも車体傾斜が激しい5828では十分な固着力を得られないと考えた。
尚且つ5028では直接固定を施しても傾斜解消には至らなかったため支持点の増加に踏み切っている。
固定箇所の増強より表示器用プリズムケースは取り外しに手間が掛かるようになる。
傷みが出始めた[快速 中野 地下鉄経由 KAKANO]幕ステッカーは何れ交換を要する。
その際は表示器用プリズムケースを撤去せず車体前面から直接貼り替える方式になると思う。
側面窓セルを取り付け床板の分解に取り掛かったが5828用床板は一癖ある個体であった。


傾斜するライトユニット。

勝手に脱落した5013以外ライトユニットは台枠裏面の嵌合孔から押し出して撤去していた。
ところが5828用ライトユニットの海側嵌合爪にはこの方式が通用しなかった。
座席部品,ライトスイッチ部品,ウエイトを先行して取り外し台枠を撓ませて引き抜いている。
懸念された台枠の湾曲は発生しておらず座席部品,ウエイトも整形を必要としなかった。
後はFS-502非動力台車の締結に注意を払うだけと思われたがライトユニットは取り付けまでも苦しくさせる。
如何なる装着方法でもライトユニットの山側が浮き上がってしまい運転台側部品を平行に持ち込めない状況が続いた。


引掛式嵌合爪にも塗布したゴム系接着剤(山側)。

一向に状況は改善されずライトユニット装着を後回しとしFS-502非動力台車の締結へ移行している。
皮肉な事に座席部品と台枠の平行を確認しながら締結するにはむしろ都合が良かった。
改めてライトユニットを組み付けたが山側が浮き上がる症状に変化は見られない。
ライト基板集電脚は海側,山側が同一角度で揃い下手に手を加えられない状態だった。
止むを得ずライトユニットの台枠天面用嵌合爪に加え山側引掛式嵌合爪部にもゴム系接着剤を塗布した。
この対策によりライトユニットは傾斜が抑えられ5028用床板と類似の形態に辿り着いた。




5828 [96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工。


東京地下鉄5000系5813 [33S 快速 三鷹]:63F(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工車)

5828にも一通り5813,5013と共通の施工が行われ車体を組み立てた。
だが嵌合の結果は今ひとつで終わり5813,5013ではなく5028に通ずる車体傾斜緩和が精一杯だった。
対策効果は浅くなった傾斜角度となって現れたが5828もTNカプラーSPと前面車体裾が平行に揃っていない。
戸袋窓付車の5813ではライトユニット固定化だけでTNカプラーSPは前面車体裾と合致してくれた。
冷房改造車と非冷房車の違いこそあるが基本構造は共通なはずで運転台側嵌合部に解決策が隠されていると思われる。
なお床板単体に不具合は無くFS-502非動力台車装着車への改装自体は車体傾斜発症と無関係だったらしい。


5828 点灯試験[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:前照灯(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工)。


5828 点灯試験[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:尾灯(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工)。


5028 点灯比較[96S 快速 中野 地下鉄経由 NAKANO]:78F(表示器用プリズムケース,ライトユニット固定化施工車)。

前尾灯点灯時にちらつきが発生していた5828だが点灯試験で改善が確認された。
恐らくライトユニットの固定化が安定点灯に結び付いたと推測している。
5028に続き冴えない結果で竣工を迎えた5828(78F)であるが編成見附だけは向上したと思う。
長期に渡り製品仕様と決め付けていた車体傾斜が廃され施工したなりの答は得られた。
同様の理由で修正を見送ってきた61F非冷房車中期仕様(5811),東葉高速1000形12Fも修正対象に浮上した。
出来れば運転台側台枠湾曲の解消を実現させ78Fにその結果を返したい。
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