試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

東京地下鉄5000系深川検車区63F [5813] 冷房改造車 (種別・行先変更,5234 車体高嵩下) ※旧製品

2019-11-17 21:46:17 | 5号東西線,営団線
標準化。

マイクロエース製東京地下鉄5000系63F冷房改造車(5813)の本格入場は2016年9月以来となった。
前回入場では5234(7号車)の動力ユニット整備が名目とされ5813以下9両は仕様変更を受けずに再出場している。
初出場当時の設定を維持したまま現在に至っていたが今回初となる行先変更が実施された。




東京地下鉄5000系63F 冷房改造車。
[63F]:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013]。
※旧製品。
◆種別・行先変更,表示器用プリズム減光方式変更,5234 動力ユニット再整備。

交通営団5000系は1964年から1979年まで6次に渡り製造が続けられた形式である。
1966年8月に登場した63F(5813:7両編成)は大手町開業用の2次車で1次車よりも若干前面行先表示器位置が下げられた。
ベンチレーターは箱形へ変更となった一方で室内にはファンデリアが残り冷房改造直前まで独自の見附を保っていた。
◆63F:5813-5233-5621-5234-5615-5235-5013(1966/8)。
この後も東陽町,西船橋と開業区間が延びる毎に5000系の増備が重ねられる。
4次車は西船橋開業に備え1968年11月から1969年2月に掛け7両編成13本が製造された。
これと同時に編成単位での増備が終了を迎え5次車以降は輸送力増強用に切り替えられる。
63Fの10両編成化は1977年8月に行われ戸袋窓閉塞車が特徴の5次車を中間へ組み入れた。
◆63F:5813-5233-5621-5336-5102-5902-5234-5622-5235-5013(1977/8)。
だが1987年12月の10両編成増強時に5233が電装解除対象車となり編成から外される。
52F(5802)へ異動した5233の代わりには5225(旧60F:5810)が充当された。
1992年11月には東葉高速譲渡用車両の廃車に伴い94F(5844)との車両交換が行われている。
この間にはB修繕も行われたが1986年度施工車より戸袋窓が廃止されたため中野方7両に戸袋窓閉塞車が偏る編成見附となった。
◆63F:[5813]-[5225]-[5621]-5336-5102-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013](1987/12)。
◆63F:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013](1992/11)。
5000系の冷房改造は当初16編成が対象とされたが23編成に変更された。
資料によると初期冷房改造計画には2次車が含まれていなかったらしく63Fは後から追加された7編成の1本だと思われる。
1994年5月に冷房改造を受けた63Fは発熱量相殺のため抵抗制御から界磁添加励磁制御へと改造された。
また2次車の特徴だったファンデリアも首振扇風機へ交換となり3次車との差異は扇風機設置方式に伺えるだけとなった。
◆63F:[5813]-[5225]-[5621]-5364-5689-5902-[5234]-[5622]-[5235]-[5013](1994/5)。
東京地下鉄移行直前には[S]マークが銀色スッテカーで覆われる珍妙な前面見附が見られる。
2004年4月に東京地下鉄が発足するが承継された5000系は僅か8編成でその中には63Fも含まれていた。
しかし活躍期間は長くなく約9箇月後の2005年1月に廃車されその生涯を終えている。


旧63F。

2009年1月に出場した旧63Fは当初マイクロエース製ステッカーによる[51S 中野]表示が採用されていた。
ただマイクロエース製ステッカーは静態時でも視認性が今一つで物足りなさを抱き続けてきた。
そこでクロスポイント製ステッカーへの変更が確定し2015年5月に[33S 津田沼]表示へ改められる。
再出場した旧63Fだったが同月中の作業事故で交通営団5000系63F(5813)へとプロトタイプが繰り上がった。
その後も仕様変更は続き旧5813,旧5013へ簡易改番を施し83F(5833)に改装されている。
既に63Fの導入が決定しており83Fの行先表示類は[65S 快速 東葉勝田台]へ変更となった。


減光方式を試行していた当時の表示器用プリズム (旧5813用,旧5013用)。

たがクロスポイント製ステッカーが入手困難に陥った煽りを受け83Fの表示器用プリズムは63Fと振り替えとなる。
マイクロエース製交通営団・東京地下鉄5000系列は表示器点灯照度が非常に高い製品である。
動態時の表示は判読が不能な程でありクロスポイント製ステッカーへの貼り替え時に減光対策を検討した。
入場順に第一次試作車:旧5013,第二次試作車:旧5813とされ表示器用プリズムの一部を黒色化する方式で一定の成果が得られた。
ステッカー温存策により[33S 津田沼]表示は表示器用プリズムごと63Fへと引き継がれる。
但し旧5013用表示器用プリズムは減光効果が高過ぎる弱点を抱えたまま5013(63F)へ移設された。




5013 [33S 快速 三鷹]:表示器用プリズム間接式減光対策標準仕様化施工車。

間接式表示器減光対策試作編成の名残を一掃するべく5013が入場第一陣となった。
表示器用プリズム前端部は灰Hゴム再現ぎりぎりまでマッキーが塗り重ねられている。
事務用消しゴムではインク除去が進まずペイントリムーバーと極細綿棒で対応するしかなくなってしまった。
しかも存置される表示器用プリズム後端部の黒色化部が内部で屈折するため進捗状況を判り難くした。
そのためクロスポイント製[津田沼]幕ステッカーを剥離し出来る限り成形色への復旧に努めた。
元々[津田沼]表示は運行時間帯が限られる運用であり作業に乗じて63Fの行先変更へと進む。
[33S]表示は流用とし行先方向幕のみクロスポイント製[快速 三鷹]幕ステッカーに貼り替えた。
照度向上と種別変更の相乗効果で5013は新たな雰囲気に改められたように映る。


車体に固定された表示器用プリズムケース(5813)。

5813は旧5813(→5833:83F)との部品交換時に表示器用プリズム前端部へ黒色処理が追加された経緯を持つ。
マッキーを塗布した箇所は5013用表示器用プリズムよりも簡略化されていたが灰Hゴム再現周りの復旧には無関係だった。
また間接式表示器減光対策試行後から安定度を欠く表示器用プリズムケースの接着固定化に踏み切っている。
表示器用プリズムケースの製品仕様は2点嵌合に加え車体中央側が車体天井と溶着固定も併用されていた。
再着脱を考慮し再装着は嵌合のみとした狙いが裏目に出てしまい運行番号,行先方向幕は奥まり易くなった。
更に5013で車体傾斜が発生した事によりゴム系接着剤固定へ切り替えている。


5813 [33S 快速 三鷹]:表示器用プリズム間接式減光方式標準仕様化施工車。


交通営団5000系5833 点灯比較[65S 快速 東葉勝田台]:83F(表示器用プリズム間接式減光対策施工車)。

車体傾斜はライトユニットの引掛式嵌合が台枠TNカプラー取付部へ正しく嵌まっていなかったためだった。
床板の構造を再確認しながら組み立てた5813は従前が維持された状態で竣工する。
固定化した表示器用プリズムケースはライトユニットとの噛み合わせを容易くさせる二次的効果が得られた。
物理的に双方の位置がずれなくなったため床板装着は余計な気を払う必要性が廃された。
点灯試験を経た後に5013にも同様の施工が施され車体傾斜は解消に至っている。
63Fの表示器点灯照度は在籍する交通営団・東京地下鉄5000系列と同等に達し試作仕様だった表示器用プリズムも消滅した。


5234(車体高嵩下試行動力ユニット搭載車)。


5902+5234 (非動力車+動力ユニット搭載車)。

動力ユニット整備時に施した導電両端の角度で全高が上がってしまった5234では車体高嵩下を試行している。
導電板は焼き潰し固定に代わりゴム系接着剤へ改められており製品仕様へ戻せれば御の字だった。
5902(6号車)との初回連結試験結果でも十分だったが更なる車体高嵩下を目指した。
まだユニットカバー裏面と導電板両端には隙間が残っていたため折り曲げ角度を浅くしている。
その結果5234の雨樋位置は5902,5622(8号車)と揃い動力ユニット搭載車だけ全高が上がる悪癖を取り払えた。
駆動試験でも導電板角度変更の影響は露呈せず動力ユニット整備直後と変わらない稼働を示してくれた。


07系73F,63F。

全3編成に限られる東京地下鉄形式は少数派と言え1形式1編成体制が長く続いている。
63F以外はグリーンマックス製05系40F前期仕様(05140),マイクロエース製07系73F東西線仕様(07103)のみに留まり増備予定も無い。
かねてから5000系アルミ車90F(5950)若しくは91F(5951)のリリースに期待を寄せているが未だ製品番号は欠番のままである。
願わくば5000系同士の離合を実現させたいところだが63Fの4~10号車は戸袋窓閉塞車のためプロトタイプ変更が難しい。
旧63Fの改番時に編成表を確認したがこの製品仕様が縛りとなり83Fしか選択肢が残らなかった。
戸袋窓付冷房改造車用金型を活かした57F(5807),58F(5808),59F(5809)の製品化を望みたい。




63Fサイドビュー(5813:表示器用プリズムケース固定化施工車)。


交通営団5000系83Fサイドビュー(5833:表示器用プリズムケース固定化未施工車)。

再出場した63Fは5234への車体高嵩下試行以外基本的に製品仕様の編成見附を承継している。
交通営団・東京地下鉄5000系は戸袋窓閉塞車組込両数以外に編成毎の微妙な差異が存在した。
側扉窓,戸袋窓を黒Hゴム支持化した83Fと灰Hゴム支持で残る63Fは対照的に映るだけにプロトタイプ時差が惜しまれる。
ちなみに一時は屋根上で存在を主張する明灰色のB形防護無線アンテナを濃灰色へ改める計画も浮上した。
しかし塗装変更とKATO製B形防護無線アンテナへの換装で揺れ動き先送りとなった。
加えて90F及び91Fがリリースされる可能性も諦めておらず来たる時まで現状維持が続くと思う。
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