試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

東葉高速1000形12F [1121] 増発予備編成 (1124,1125 FS-502非動力台車復旧:FS-358非動力台車廃止)

2019-06-05 21:54:55 | 5号東西線,営団線
断念。

マイクロエース製東葉高速1000形12F増発予備編成(1121)は交通営団5000系61F(5811)を種車に出場させた。
12Fの原形は交通営団5000系94F(5844)であるが譲渡に備え車両異動が実施された記録が残る。
しかしこの変更が除籍前か除籍後か掴めず12Fを94Fとして扱う要因になっていた。


東葉高速1000形12F 増発予備編成(元交通営団5000系94F)。
12F:1121-1122-1123-1124-1125-1126-1127-1128-1129-1120
元94F:(5844-5320-5682-5292-5662-5920-5289-5660-5330-5044)。

東葉高速1000形は元交通営団5000系を譲受,改造した形式である。
譲渡用の交通営団5000系非冷房車は総勢12本が1991年11月から1994年7月に掛けて除籍され改造を待った。
このうち2編成は増発予備とされ東葉高速線開業後は八千代緑が丘検車区に留置されていた。
11F,12Fを名乗るはずだった元74F(元5824),元94F(元5844)の1000形編入改造は間もなく中止となる。
暫くは交通営団時代の見附を維持していたが後に1110(11F),1120(12F)の前面助士側帯だけ東葉高速色へ変更された。
これは当時交通営団に在籍していた5000系と検車区内で識別する名目だったらしい。
結局11F,12Fは1000形に加わる事無く2005年5月に解体されてしまった。
元94Fは除籍に際し組成変更が行われ5920を除いた9両が戸袋窓付車に改められた。
編成表を遡ると最晩年は戸袋窓閉塞車が4両含まれる組成だった模様である。
◆94F:5844-5320-5682-5364*-5689*-5329-5365*-5690*-5330-5044
当該車両は5364+5689(4,5号車),5365+5690(7,8号車)であった。
10両編成化直前まで7両編成を組んでいた関係で5900形は組み込まれず5329が電装解除されている。
廃車と前後して5364+5689⇔5292+5662(旧63F),5365+5690⇔5289+5660(旧80F)での入れ替えが実施された。
80Fからは5920も移動し元94Fは5920だけ戸袋窓閉塞車が組み込まれる編成に変わっている。
一方63F(5813)は5364以下7両が戸袋窓閉塞車で占められ80F(5830)も戸袋窓閉塞車の間に5329が紛れ込む組成となった。
63F:5813-5225-5621-5364*-5689*-5902*-5234*-5622*-5235*-5013*
80F:5830-5288-5659-5360*-5120*-5329-5365*-5690*-5290-5030
東葉高速線開業までに1000形への編入が間に合わなかった09F(元70F),10F(元71F)は非冷房車のまま運用に就いている。
外観は東葉高速色帯への変更と[S]マークが[T]マークに交換された程度であった。
仮に増発計画が予定通りに進んでいれば東葉高速色帯を纏う11F,12F非冷房車の営業運転が見られたかもしれない。


旧12F。

一時期12Fでは自作ステッカーによる1120の助士側帯東葉高速色化を施していた。
しかし経年劣化で糊面劣化と白帯に変色が発生していまい剥離に至っている。
現在の1120はパンタグラフが撤去された交通営団晩年仕様に近い。
交通営団5000系東西線用は61F非冷房車中期仕様(5811),78F非冷房車後期仕様(5828),83F冷房改造車(5833)の3編成体制を敷く。
ここに元94Fも組成変更前の組成を前提とする非冷房車後期仕様増強策が浮上した。
残念ながら戸袋窓閉塞車3両の増備を要する94Fは12両体制に収められない。
管理都合で94Fの出場は幻に終わり手元には部品取用として確保した5618(61F),5902(東京地下鉄5000系63F)だけが残された。


入工中の5618,1124 (ジャンク車両,12F)。

交通営団5000系78Fと12Fは交通営団5000系61Fの戸袋窓閉塞車を入れ替え組成を行った。
双方で生じた課題は5811(61F)が履くミンデンドイツ式FS-358非動力台車だった。
FS-358台車は交通営団時代からS形ミンデン式FS-502台車への交換が進められている。
特に78Fは後期仕様がプロトタイプでありFS-502非動力台車化が必須項目となった。
検討の結果非営業編成で出場となる12FへのFS-358非動力台車集約に決定する。
しかし1121(12F:元5844)をFS-358非動力台車のまま存置すると編成見附が崩れてしまう。
最終的にユニット間の台車形式を揃える手段を採り1124+1125がFS-358非動力台車装着車化された。




1124(12F:元5992 FS-502非動力台車換装施工)。
※戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持車。


交通営団5000系5228(61F:戸袋窓・側扉窓白Hゴム支持車)。

当初は単純に戸袋窓閉塞車を2両追加するだけで12Fと94Fの両立が可能だと考えていた。
だが94Fの正式出場には1124+1125へ充当したFS-358非動力台車を交換しなければならない。
FS-502非動力台車の入手は難しいと思われた矢先に5618,5902(ジャンク車両)を発見した。
まだ94F晩年仕様の構成を確認する前であり躊躇せずに5618,5902を迎え入れている。
ところが戸袋窓閉塞車2両の追加だけでは留まらないと判明し計画は頓挫してしまった
ただ1124+1125をFS-358非動力台車で残す必要は無く両車ともFS-502非動力台車へ復旧させる。


カプラーアダプター交換にて対応したKATOカプラー化 (FS-358非動力台車,FS-502非動力台車)。

工程は床板を取り外しFS-358非動力台車からFS-502非動力台車へ入れ替えるだけとなる。
KATOカプラー化はカプラーアダプターごとFS-502非動力台車枠に移設し作業を簡略化した。
車輪踏面状態は5618,5902用と1124,1125用で大きな違いが見られなかった。
取り敢えず1121以下7両との走行距離は気にしなくても良さそうに思えた。
室内灯は採用しておらず通電性能に配慮する必要も一切無かった。
そのため台車集電板,集電スプリング,車輪はFS-502非動力台車からの転用となっている。


FS-358非動力台車に交換された5618,5902 (休車,休車)。

1124,1125から捻出されたFS-358非動力台車は5618,5902に取り付けた。
在籍中の61F,78F,83F,東京地下鉄5000系63F(5813)は各々が有する個性から組成変更が難しい。
しかし元交通営団5000系元46新木場CR入換車仕様(5846)を含めた総勢5編成43両の保守部品は全く無かった。
現状での転用こそ難しくなった5618,5902だが各部品は貴重な戦力になると思われる。
FS-358非動力台車も計画だけ存在する61F非冷房車前期仕様白地行先方向幕編成に活用出来る。
調査が遅れ所期の目的には寄与しなかった5618,5902であるが意義のある導入になったと思う。




1125(12F:元5662 FS-502非動力台車換装施工)。
※戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持車。

12Fは実車に倣いマッキーにて戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持化を施工した。
そのため製品原形を維持する61F(白Hゴム支持車)よりもすっきりして見える。
1124+1125は重厚感のあるFS-358非動力台車が如何にも不釣り合いだった。
今入場でFS-502非動力台車への復帰を果たし床下見附に軽快さが戻ってきた。
やはり戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持車にはFS-502台車が相応しいと感じられた。
1124+1125の竣工により12Fは初出場以来続いた齟齬が解消されている。




1123+1124 (12F:FS-502非動力台車装着車+FS-502非動力台車装着車)。

入場に併せ1122,1124,1127,1129へ搭載したTOMIX製PG16形パンタグラフを点検している。
パンタグラフ取付孔はTOMIX製PG16形パンタグラフと合致しており換装には手こずらなかった
その代わり嵌合の甘い車両が出現しゴム系接着剤固定を採り入れている。
普段の昇降では特に不具合は感じられなかったが耐久力を確認するため直接パンタグラフ台を持ち上げた。
2015年5月の施工から約4年1箇月が経過した現在でもぐらつき等の現象は生じなかった。
TOMIX製PG16形パンタグラフへの換装は東葉高速1000形,交通営団・東京地下鉄5000系での共通工程である。
12Fの耐久試験結果に従えば他編成の点検を急ぐ必要は無いと思われる。


12Fサイドビュー(1121:FS-502非動力台車装着車)。


交通営団5000系61Fサイドビュー(5811:FS-358非動力台車装着車)。


交通営団5000系78Fサイドビュー(5828:FS-502非動力台車装着車)。

更に1121,1120の[5844],[5044]前面車両番号板ステッカーも退色度合いを確認した。
1120へ貼付した助士側東葉高速色帯ステッカーでは劣化が顕著に現れた。
ところが前面車両番号板ステッカーは[5844],[5044]標記の滲みも無く対照的な結果が出ている。
僅かに灰色を加えた車両番号表示が効果的だった可能性が高い。
今後プロトタイプが固定される12Fは1120の助士側東葉高速色帯化再施工も視野に入れている。
1120用東葉高速色帯ステッカーは再製作が必要で白帯には灰色を追加した方が良いかもしれない。
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