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『プロパガンダ』新版 エドワード・バーネイズ 中田安彦訳解説2010 成甲書房 1-1

2016年03月06日 | プロパガンダ

       ▲ 『プロパガンダ』新版 エドワード・バーネイズ 中田安彦訳解説2010 成甲書房 定価1600円+税

 

『プロパガンダ』新版 エドワード・バーネイズ 中田安彦訳解説2010 成甲書房

 

しばらく前から、私のブログでは、プロパガンダの項目を作って独立させていたのだが、諸般の事情で、この項目に入れる本の追加紹介をしていなかった。このほど、『プロパガンダ』新版 エドワード・バーネイズ 中田安彦訳解説2010 成甲書房を入手したので掲げておきたい。

 

▼エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 目次1

 

▲ エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 目次1

▼ エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 目次2

 

 

▲ エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 目次2

▼ エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 目次3

 ▲ エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 目次3

エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』は原著1928年の刊行。

プロパガンダということばは、20世紀後半には否定的ニュアンスを帯びてしまった。その理由は、ナチスによる宣伝技術のあからさまな現実が横たわっているからだ。

翻訳者の中田安彦は、まず、著作の翻訳に先立って、プロパガンダの意味の変遷をたどり、このことばの意味の歴史をふりかえっている。

この著書を読む理解を助けると思われるので、気になる部分をまず紹介。

著者、バーネイズは1923年初の単著となる『世論の覚醒化』出版。ニューヨーク大学ジャーナリズム学部で、パブリック・リレーションズ(日本語では「PR」)の講座もつ。自伝を含め、20冊の単著・共著を発表。

なぜか、日本ではこれまでバーネイズの著書は1冊も翻訳・紹介されたことがなかったという。

ナチスのプロパガンダを通して、戦後は、否定的な意味を帯びることになった。中田安彦も言っているように、「おまえの言っていることはプロパガンダにすぎない」というのは、情報の発信者に対する最大の罵倒」なのだから。

「バーネイズ本人は、本書刊行当時の1928年、そのように批判されることを自ら望んでいなかった、むしろ逆であった。」 (訳者前書き13頁)

 

 第1次世界大戦および第2次世界大戦後に帯びる決定的・否定的なニュアンスを「プロパガンダ」のことばが含意するようになったのはなぜなのだろうか。

中田は、まず、オックフォード英英辞典を使って、次のような説明を引く

プロパガンダ

1 政治的目的や、ものの見方を推し進めるために利用される情報。とりわけ偏りがあったり誤解を招くような性質を持つものをいう。

2 「布教聖省」海外伝導を目的にローマ法王グレゴリウス十五世が1622年に設立した枢機卿らによって構成される委員会のこと。

 これから、派生して、「偏った情報や、誤った情報を特定の団体や人物、多くの場合権力者や企業が大衆洗脳のために流布する行為」、サイコロジカル・ウォーフェア、ターゲットに対して行われる「心理戦」。しかし、もともとは「カトリック教団の伝統団体」という意味があり、「教義を宣伝する側が自らを称して使うことばだった」

必ずしも、マイナスイメージではなかった。それが

「枢機卿の委員会」

     ↓

「教義や制度を普及させることを目的にした組織」

     ↓

「意見や方針に国民の支持を得るための運動」

     ↓

「その運動によって広めさせようとされる内容」

 

これが第一次世界大戦・第二次世界大戦を通して、「戦時宣伝」(ウォープロパガンダ)となり、著者バーネイズも、ジャーナリストのウォルター・リップマンと一緒に、アメリカの戦時宣伝に関わっていき、プロパガンダのことばには、否定的なニュアンスが伴うようになる。

 バーネイズがプロパガンダを あえて使ったのは、「戦争宣伝によって薄汚れてしまったけれども、この行為自体は、、現代社会、民主社会、ひいては人類社会の発展にとって、必要不可欠なものであると主張する意図があったから」     (中田安彦 前書き17頁)

など・・・・・説明を繰り広げていく。

 

 

 ▲エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 の帯文

プロパガンダの仕組みを通して、コントロールすることのできる人々こそが、「目に見えない統治機構」を構成し、真の支配者として君臨している。(エドワード・バーネイズ訳書本文32頁)

エドワード・バーネイズ 『プロパガンダ』新版 その1-2は次回近日中up

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 



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