讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

夏の怪談7 「日本兵」

2013-08-07 20:00:00 | 日記
 実際に経験した人から聞いた話である。

 K県に出張があった。H氏と、その先輩のT氏で行くことになったそうだ。T氏の実家は熊本市内にあるので、彼は実家に泊まると言った。H氏はしかたないので、ホテルを探したのだが、直前だったこともあり、どこも満室だった。今のようにネットで簡単に空きが探せる時代じゃなくて、一軒一軒電話をして探したのである。

 何かイベントでもあるのだろうか、市内のホテルはどこも断られた。少し郊外に行った、民宿に電話をしたら空いているという。

 その日、H氏はとある民宿で下ろされて、一人で泊まることになった。

H氏「お世話になります、2泊でお願いします」
おば「いらっしゃい、2階の○○の部屋へどうぞ」
H氏「なんか、静かですね」
おば「今日は、お客さん一人だけだね」

 
 何故、こんなに空いているのか不思議に思ったが、便利が悪いせいだくらいにしか思っていなかった。食事をすませたら、やることもないので、缶ビールを買ってきて飲みながらテレビを見ていた。夜中に、何故か窓の外を見たくなって、窓をあけた。



 人が歩いている。



 こんな夜中に歩いている人がいるなんて・・



 よく見ると、帽子をかぶっている。変な帽子だ。服もへん・・・ちゅうか旧日本軍の軍服のようにも見えた。



 暗闇の中に、すっと消えた。



 次の日、消えたあたりに行ってみたら、柵があって人は通れそうもなかった。




H氏「あ゛ー、すんません。今日は、T氏の実家に泊めて下さいよ」
T氏「なんで?」
H氏「だって、出るんですよ。絶対人じゃないですよ」
T氏「だって、2泊予約してんでしょ」
H氏「キャンセルしますよ」
T氏「いや~だね。明日、また教えて」



 夕方、その宿に下ろされた。今夜も自分一人のようだ。近くのコンビニで、500mLの缶ビールを3本買って夕食後に飲むことにした。

 酔っ払って、自分を見失う戦略をとることにしたらしい。缶ビール3本の威力は、絶大だったらしい。たぶん地震があろうが、台風が来ようが、火事があろうが、気がつかなかったであろう。そのかいがあって、見知らぬ人の姿を見ることは無かったそうだ。

 この現象は、宿のおばちゃんには聞けなかったそうだ。また、聞いたとしても「そんなことはないよ、酔っ払っていたんじゃないの」と言われるのが関の山だろう。

 ほんとに酔っ払って、見えないものを見たかもしれないが、真実は定かではない。



 日本兵が見られる宿が、沖縄にあるらしい。1年のうち、ある特定の日に姿を現すといわれている。その日になると全国から人が集まってくる。その日の予約は、かなり前からしていないと取れないらしい。

 食堂には、常連が集まって酒を飲んでいる。みんな幽霊が目当てだそうだ。廊下に出たぞ、という声がすると、どどどどっと走って行く。庭に出たぞというと・・・・

 毎年、こんなことやっているんかなぁ。出る方も出にくいやろうと思うのだが。
コメント
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