讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

夏の怪談5 「鵜戸神宮の女」

2013-08-05 20:00:00 | 日記
 ある人から聞いた話である。鵜戸神宮ではないのだが、その近くであった出来事だそうだ。

 その時は九州に大型台風が上陸し、広範囲に被害が出た。宮崎方面も台風の進路にあたり、あちこちで川が増水したり、電線が切れたり、看板が飛んだり、人が飛んだり(かどうか分からんが)したらしい。あなどれんな、宮崎県。

 鵜戸神宮の近くといっても、ちょっとした山の中腹にある施設の修理に行ったときの話である。

 台風一過であったが、ちょっとどんよりとした天気であった。車で山を登り、ある施設に入った。一人は建物の中に入り、一人は外周を点検していた。建物にはエアコンがあるのだが、あまりの強風で室外機の中に葉っぱやら、砂やらが入り込み、少しファンが回りづらそうだったので、カバーを外し清掃していた。

 そしたら、女の人の声がするのである。

おんな「すいません、この道の先行けますか?」
社員A「えっと、福岡から来ていて、この先には行ったことがないので、すいませんが分かりません」
おんな「そうですか・・」

 なんか、申し訳ない気になったが、仕事で来ているので、これ以上つきあってはいられない。女の人は、一人で山道を歩いて行った。

社員B「あれ、今声がしてなかった?」
社員A「いや、女の人が一人で歩いてきてね」
社員B「ちゅうか、こんなとこ車でしかこないでしょう。下の道からだと、たいがいありますよ」
社員A「あ~、そうだけど歩いていたし」
社員B「変でしょ、どこ行ったの?」
社員A「ん~、この先に行くって」

 点検と修理を終わって帰ろうとしたが、さっきの人が気になって、少し山道を歩いて見に行くことにした。

 未舗装の山道は、台風の後でぬかるんでいた。少し上ると、その道は行き止まりになっていたが、誰もいなかった。

社員A「あれ~、誰もいないし」
社員B「ここで行き止まりだね」

 ふと見ると、その道の脇に小さな石があった。近づいてみると墓石のようだった。

 彼は、その日たしかに女の人を見て、話をしたと言った。同行者は、その姿を見ていない。





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