讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

夏の怪談12 「多摩霊園」

2013-08-12 20:00:00 | 日記
 これは、ラジオで聞いた話である。夏になると、TVやラジオで良く怪談番組をやっている。稲川淳二なんか、夏の人だしな。

 東京都府中市にある多摩霊園は、128万坪の広大な敷地を有する。昼間はどうってことないが、夜になると様子は一変する。そりゃそうだ、日が落ちてから霊園を訪れる人は、そういないだろう。

 近くに住むある青年が、自転車で夏の夜中に家路を急いでいた。バイト帰りか、どこかに遊びに行っていたのかは定かではない。普段なら多摩霊園を迂回するのだが、その日はあまりに遅くなったので、早く帰りたかった。多摩霊園を突っ切れば、かなりの近道になっているのは知っていた。気は進まなかったが、突っ切ることにした。

 その日も蒸し暑かったが、霊園に入るとひやっとした空気に包まれていた。木々が多いので、涼しいのだろう。暗闇だったが、昼間に走ったことがあるので、道は知っていた。ゆっくりと走っていたら、どこからか声が聞こえた。

 遊ぼう、遊ぼう・・・・

 と聞こえた。子供の声のようだった。

 少し、ペダルに加える力を強めた。

 遊ぼう、遊ぼう・・・ 後ろから聞こえた。

 遊ぼう、遊ぼう・・・ だんだんと声が大きくなってくる。近づいてくるのだ。

 ついに、背中で聞こえ始めた。もう必死で自転車をこいでいた。やがて出口が見えてきた。

 そっちに行っちゃだめ、そっちにいっちゃだめ・・・ と聞こえた。
 
 無視して、必死にこいだ。出口までもう少しだった。

 「引き返せ~」と、背中で野太い大きな声が叫んだ。

 最後の力出し切って、ゲートを超えた瞬間ころんだ。気がついたら、東の空が白み始めていた。



 学生時代、N村は小金井に下宿していた。学生援護会で紹介して貰った、安宿だった。学生ばっかり、4~5人住んでいたが、たまたま隣に同じ学校のH松がいた。どちらもあまり裕福ではなかったので、駅前のスーパーでバイトをしていた。やつは、別の売り場にいるバイトの女子大生に手を出して、彼女にしていた。さらに飽き足らず、彼女の親友である別の売り場にいる正社員のS子ともつきあうことにしたらしい。

 ある日、バレて地獄のような日が始まった。女の友情なんて、ぶっとんでしまい、激しい争奪戦を演じていた。H松、お前モテるなぁ。しかし端から見ていると、なんと恐ろしい光景だったことか。

 小金井から府中は近かった。N村は、原付の免許を持っていた。H松は、自動二輪の限定解除を持っていた。乗っていたのはN村がパッソル(まぁ妥当)とH松がモンキーだった。(大型じゃないのかよ)

 夜中、ラーメンを食べに出かけようということになった。少し走ると多摩霊園が見えてきた。この中を突っ切ると、近道だが・・ 夏の夜だったが、その一帯だけ少し涼しげに感じた。しかし、入るのをやめてまっすぐ走って行った。

 パトカーが数台停まっていた。夜中の検問みたいだ。

H松「おぃ、検問だ、どうする?」
N村「どうって、ここで引き返したら、検問突破と思われて追っかけてくるやろう」
H松「行くか」
N村「別に免許持ってるし、スピードだけ注意すればいいんじゃない」

 当時は、原チャリにはヘルメット不要だった。夜中に2台連なって走っていたら、停められるのは確実に見えた。そうじゃなくても、バイクは目をつけられて良く停められる。

 とろとろとろと、30Kmちょうどで走って行った。パトカーの横に近づいた。警官はちらっと、こっちを見たが動かなかった。あ~、何も悪いことしていないけど、何となく恐ろしかった。ふ~。

 江川亭という、美味いラーメン屋に行った。

Yぽん「そろそろ、ネタ切れですか?」
N村「ま~な」

 
コメント
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