巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

歴史的悲劇は子供にいつどうやって伝えるべきなのか?

2008年03月10日 07時04分40秒 | Weblog
 毎週の乗馬クラブ通いで、近ごろは馬の容姿の違いもわかってきました。人間と同じで、美的な顔も個性的な顔も、ユニークな顔もいろいろある。今日、娘が騎乗したイディルは、中間馬の中では最高のイケメンなんですよ。
 と、写真の解説はここまでにして、今日はちょっと真面目なお話。

 去る2月13日、サルコジ大統領は在仏ユダヤ人審議会が主宰する夕食会の席で、今年の9月の新学期からCM2(日本の小学5年)の生徒に、ホロコーストで犠牲になった子供の名前を覚えさせ、ホロコーストについて学ばせることを明言。が、これに対して教師や親たちが反発し、教育界でも政界でも大議論を呼び起こしています。
 実際にアウシュヴィッツに収容されていた人々の中にも、その経験を家族や友人に語ることさえ難しいのに、たった10歳の子供たちにその悲劇を押し付け、背負わせることは正しくないという声があります。トラウマを引き起こす危険があるのでは……、と多くの人々は懸念しているのです。
 で、話は飛んで昨日の深夜、娘の就寝後、パリの知人から回ってきた日本のテレビ番組を収録したビデオを観ました。夏の終戦記念日のあたりの特番だったのかスタジオ・ジブリの『火垂るの墓』が入っていて「ああ、これは娘に観せるのにちょうどいい」と思ったんですが、とりあえずその前に自分で観てみました(ジブリ作品は好きなんですが、これだけ観てなかった)。戦争孤児たちが餓死してしまった悲劇、それは決して忘れてはいけない歴史の事実だけど、さ~て今、それをアニメになっていたとしても娘に押し付けるのは、ちょっとキツイかなぁと思ってしまったのです。11歳にもなれば大丈夫よ、と人は言うかもしれないけど子供の性格で、悲劇を淡々と受け入れられる子もいれば、そうじゃない子もいる。
 ウチの娘は感受性がかなり強いほうなので、トラウマまではいかなくても、かなりのショックを受けることは確実。(……だってマルシェの馬肉屋の前で、死んだ馬を思ってかわいそうで泣く子ですから)さらに、こっちのテレビ番組はその内容によって「10歳以下禁止」「12歳以下禁止」「16歳以下禁止」のマークが表示されるんですが、11歳になったのに“-10”が出ると、怖いと思って慌てて自分でテレビ消しちゃうほどだし……。
 で、結局、この作品を娘に観せるのはもうちょっと先にすることに決めました。
 日本の戦争の悲劇も、ヨーロッパのホロコーストの悲劇も世界中の人々が決して忘れてはいけないことだけど、それを子供たちに、何歳のときにどうやって伝えるかは、それぞれの親が決めることかなぁ、って思いますね。成長度は子供によってまちまちですもん。

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