ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

秘境駅探訪 札沼線豊ヶ岡駅

2015-07-17 11:16:40 | ホルマリン漬け北海道 秘境編
(2009年取材 当時の文に加筆・修正)

 札幌市から石狩平野を通って新十津川まで延びている札沼線(愛称・学園都市線)。札幌~石狩当別間は、住宅街の中を走るので通勤・通学などで使う人が多く、にぎやかである。しかし石狩当別を過ぎると、列車は広大な田園地帯の中を走り、利用者は格段に少なくなる。そして終点の新十津川まで行く列車は1日3本と、かなり少ない。
 そんな石狩当別~新十津川間にある「豊ヶ岡」駅は、辺りに何もない「秘境駅」としてマニアにはかなり有名。秘境駅ブームの火付け役、牛山隆信氏の「全国秘境駅ランキング」でも21位にランクインしている。
 豊ヶ岡駅、札幌からそれほど遠くはないので、訪問することにした。

2009年10月18日早朝。日曜日で客もまばらな札幌発普通列車に乗って石狩当別駅にやってきた。ここで新十津川行きに乗り換える。向かいのホームに停車していたその列車はなんと

1両編成!!ワンマン!!
JRにもめったに乗らない僕にとって、1両編成に乗るのはもちろん初である。いや~ワクワクしてきた。
列車内には乗客がわずか3人。エンジン音を響かせながら、田園地帯の中を快調に進んでゆく。

石狩当別駅で15分ほどの停車時間の後、再び出発。いよいよ次が豊ヶ岡駅だ。

さっきまで田園地帯の中を走っていた列車だが、ここに来て林の中へずんずんと入ってゆく。人家が全く見えなくなったところでようやく豊ヶ岡駅に到着。切符を運転手さんに見せる。
「なんでこんなところで降りるの?」と変な目で見られると思ったが、運転手さんは笑顔で「ありがとうございました。」

降りたのは言うまでもなく自分一人。
ドアが閉まり、列車はゆっくりと駅から遠ざかって行った。次の列車は1時間36分後。ゆっくり探索できる。


さて、あたりを見回してみると、ホーム周辺は林だけで、何もない。ポツンとホームだけがそこにあるといった感じだ。さすがに有名な秘境駅だけある。ときどき遠くの方から車の音が聞こえるが、かなり静か。虫の声だけが響く。



ホームから少し離れたところに、ちっぽけな木造の待合室があるが、そこは後で入ってみることにして、待合室横の砂利道を登ってみる。
数分登ったところで、小さな道路に出た。この辺は家が数件あり、人の気配もある。
跨線橋があったので、そこから駅を見下ろしてみると、なんともすごい光景だ(下の写真)。ホントに林の中にぽつんとホームだけがある事がわかるだろう。

この場所、有名な撮影場所らしく、跨線橋の金アミには写真を撮りやすいようにご丁寧に穴が開けられていた。おそらくマニアの人が無理やり壊して作った穴だろう。
う~ん・・・、アミを壊すのはよくないことだが、僕もこの穴から写真を撮らせていただいた(←オイ!)


駅に戻り、次は待合室に入ってみることにする。外観からして、かなり昔からある待合室だろう。入り口の上に掛かっている札には木彫りで「豊ヶ岡駅」。良い雰囲気。


滑りの悪いガラス戸をガラガラとあけて足を踏み入れると、昭和の香りがモワ~ン。かなり小さな内部には小さな机と、木製のベンチが2つ。ベンチには手作りの座布団が2つ置いてあった。しかしベンチはホコリっぽく、クモの巣だらけだったので、座る気にはなれなかった。また、そこらじゅうを何匹ものハエが飛び交っているので、居心地はよろしくない。
壁には、いろいろな人が撮った豊ヶ岡駅の写真がずらりと貼ってあった。

机の上には、秘境駅には定番の「駅ノート」があった。駅ノートとは、その駅に訪れた人が自由に書き込みのできる、その駅備え付けのノートの事である。もちろん僕も書き込みをした。

列車が来るまでまだまだ時間があるので、ノートを読む。有名な秘境駅だけあって、道内はもちろん、本州からわざわざやってくる人も多いようだ。そしてみんながこの駅の雰囲気やロケーションに感動した、ということを書いている。そして驚いたのは、デートとしてカップルで訪れる人も多いということ。
ノートの中には、秘境駅訪問家・牛山隆信氏の書き込みもあり、感動であった。

列車が来るまで残り30分。ホームに戻り、子供みたいに線路を渡ったりして遊んでいると、あっという間に残り3分。


ホームに上がって待っていると、ようやく遠くからライトの明かりが見えてきた。新十津川で折り返してきたさっきの1両編成だ。運転手さんもさっきと同じ方。列車に乗り込むとき、運転手さんにはなんだか少し恥ずかしかった。

豊ヶ岡駅での1時間30分弱。特になんにもしなかったが、、妙に充実した時間であったと感じた。

完。
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