寒い冬の夜、
古い町家の3階にしつらえた クリスマスの森 で、
ピクニックに出かけるように、その音楽会は始まった。
料理担当のムシャリロさんも、
これは偶然でおどろいたのだが、
色とりどり可愛らしいピクニックBoxを
40人分作って来て下さった。
おいしいお料理と紅茶やワインで
小腹が満たされた頃、いよいよ音楽の時間。
静まった森の中に
アイリッシュハープとギターの音色が
ゆったり 響き渡っていった。
tico moon の音楽は、
森にさしこむ光のように、
木や花々をつたう甘い露のように、
キラキラと森の中をただよい流れ去っていった。
ふと花たちに目をやると、
やはりその音楽に聴き入っているようだった。
ギターの影山敏彦さんは
演奏後、みなさんに書いてもらうアンケートを読むのが
3度の食事ほど大事で大好きだそうで、
そんな思いが伝わったのか、
みなさんが驚くほど真剣に丁寧に書いて下さった感想文を
私も後で読ませて頂いた。
みな 様々な想像の世界で遊ぶことができた様子、
そしていろんな感情や思い出と音楽がつながったようで、
拝読し、あらためて胸が熱くなった。
tico moon の音楽は、
自然のふところに帰るような、そんなあたたかさ。
きっと世代も越え、時代も越えて行くのだろうな。
その音楽が生まれるところにいたことの幸せ。
またいつか、こんなライブを。
その日に咲いた花たちとともに。