![Photo Photo](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/83/c8e25220ec9767c24a0af3311c8a2daf.jpg)
椰子(やし) は、食用にできる実だけでなく
葉も木もあますところなく活用されている。
バリ島は、ヒンズー教徒の割合が高い。
上の写真は、そのお祭りの時に、村中で一斉に作る飾り。
太い竹に、椰子の葉で細工した飾りをつけて、
お寺を中心に、メインストリート沿いに何本も立て飾る。
下の写真も、お寺に飾る祭事用の飾り。
![Photo_2 Photo_2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/02/daccccc4d376e7f9dcd38e2c8cf970f5.jpg)
バリ ヒンズーの人々は、
毎日、椰子の葉やバナナの葉で小さなかごを編み、
お米や豆や小さな花などをのせて、
土、水、木. . . . やおろずの神々にお供えをする。
その数、1日に30個とも。
天然素材の器だから、中身もろとも
生物が分解して、すぐに自然界に還っていく。
![Photo_3 Photo_3](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/c3/815687b2b8eb4b864b61d058575e8cac.jpg)
小さい時から、丁寧に、毎日繰り返していること。
![Img_1671 Img_1671](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/83/f887717d17381cef18ed442682b21da1.jpg)
知り尽くされた椰子の葉は、その指の動きに逆らわず、
目にも留まらぬ速さで、美しい立体形に生まれ変わって行く。
![Img_1690 Img_1690](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/a7/12fcbae33b4eef7764e79d8898f791eb.jpg)
椰子は、木材としても大変重宝されている。
家の柱をはじめ、さまざまな建材としての用途、
くりぬいて、器としても使われる。
これは、海塩を干すための容器。
![Jpg Jpg](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/6e/4713672f23b6ded72f562ff2975004e6.jpg)
さて、最後に、椰子の実を食べたあとの殻の話。
まず、外側のモケモケの繊維は、日本でおなじみの
亀の子たわしの材料である。
椰子は、殻さえ いろんな活用方法がある。
ここに書くのは、一週間の滞在中、私が見た限りのこと。
秦泉寺さんに教わった、ココナツ染めの行程
![Img_1669 Img_1669](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/eb/46fc9a6d1a1f95d60fd52e0db3aa5e24.jpg)
殻を2時間ほど煮出す。
美しい色を抽出するには、直火の強い火力が必要。
燃料として、椰子の葉も大胆に。
![Photo_4 Photo_4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/90/fd8637a7c6aadd1da27cf845916146e6.jpg)
煮出した染め液に布を入れ、
回しながら、じっくり色をしみ込ませていく。
![Photo_5 Photo_5](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/ea/9df187b97551a1bab702a086ae6b923b.jpg)
染まったら、何度も水にさらして
色をととのえる。
![Photo_6 Photo_6](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/ba/09e385c0ab0b9e11ccba3179a438a16f.jpg)
太陽の下で乾かして、
ココナツ染の布が完成。
少しえんじ色かかった、ピンク色。
![Photo_7 Photo_7](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/9c/884eb529053f3bcaa4496043ab1842bf.jpg)
あの椰子の木のどこに入っていたのだろう、
こんなにきれいなピンク色。
さて、出がらしの椰子の殻は、
最後に燃料として活用される。
その熱量で、おいしい地鶏を焼いて頂いた。
ついに灰となった椰子は、土の栄養となり、
次の椰子につながっていく。
![Photo_8 Photo_8](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/e3/2533154b539ef6545e06b9299de4610e.jpg)
ひとつの命が、あますところなく燃焼する。
自然のいとなみの中に、人間が在る。
そこに文化を作り出し、
生活の中に愉しみを取り入れる。
共存と創造のすばらしいバランス。
生まれてきて、朽ちていく
作り上げて、放出する(あるいは破壊される)
![Img_1544 Img_1544](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/2c/d64042024d5888c800e1372da3fdf502.jpg)
くりかえす、くりかえす、
なんていさぎよいのだろう。
この創造と崩壊のくり返しが、
やがて美しい姿となって現れてくるということを
バリ島は教えてくれた。
バリ島の話、おわり