語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


モノクロームの世界で

2011年02月05日 | 旅日記
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あらゆる色彩が雪の下に眠る頃、

その白と黒の世界では、

見慣れたはずのものの 造形のすばらしさが

浮き彫りになってくる。


子供の頃、寂しさしか感じなかった雪景色が、

究極にソフィスティケイトされた光景として、

目に映るようになってきた。

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先日、日本一の豪雪地帯を旅した。

新潟県の松代町、十日町、六日町 . . .

鈍行列車に乗って、

気の向くままに途中下車してみる。

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金沢の雪は積もっては解け、を繰り返すが、

この豪雪の地は、冬の間、解ける暇もなく

積もり続けるようだ。

この日も激しい降雪で、

2m50㎝を越えていた。

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積もった雪の なだらかな曲線は、

有機的でありながら、

完璧なるバランスを保ち続ける。


建造物や、工業製品など

人間の作り出すカタチに、

ひとひら、ひとひら、雪が降り積もる。


無機質で、冷静なラインに、

有機的な息を吹きかけていくように。

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色彩が乏しいからこそ、

有機的なものと無機的なものの

カタチがくっきりと浮かび上がり、

それぞれの美しさを、

またはその対照的なものの組み合せの妙を、

味わえるのも、この季節の醍醐味だ。



.


金沢、尾山神社の庭で

昨冬、撮影した雪の光景もそうだった。

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.


シャープな人工のラインに、

映し出される有機的なものの美。

それをねらって作られたと思われる

美しい場所を見つけた。



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松代の駅のそば、

「農舞台」と呼ばれる不思議なかたちの建物で、

三年に一度、大地の芸術祭が行われるアートの拠点。


冬に訪れるのは初めてだったが、

夏の、緑の棚田や木々の光景は

真っ白な雪にすっぽり包まれて、

室内の鮮やかな色彩が、より際立って感じられる。


一方、色彩と組み合わせても、

白と黒、モノクロームの世界は

たじろぐことなく、力強い。

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水色のカフェの、鏡のテーブルには、

外の雪景色がそのまま映る。

暖かい室内の小さなテーブルの中に、

静かに雪が降り続けている。


シンプルなものの美しさは、

まっすぐ心の琴線に触れてくる。


その質感や触感とともに、

しっかりと、心に残る風景。




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