それまで、白を染めるということは
染色の世界では不可能、という常識があった。
「本当にそうなのだろうか. . . . 」
ある日、秦泉寺由子さんは、疑念をいだく。
そして、あらたな探求の旅に踏み出していく。
熱帯に存在する、様々なニュアンスの白。
様々な質感をもつ白。
様々な植物を染めていった。
でも、白に染まらない。
なにかしら色が染まってしまう。
長い試行錯誤の日々が続いたある日、
天から降りてきたようなひらめきがあった。
スタジオの中にうっそうと茂る、竹。
「竹をまだ試していない。もしかしたら. . .」
あらゆる方法で竹を染めてみた。
ある日、太陽の光を浴びて乾いた布が、
光のような白色になった。
それは白なのに、見る方向で、
オレンジが見えたり、ピンクが見えたり
光のプリズムのような白だった。
奇跡の白い布は、光に透かすと
あたたかみのある、それは美しい色に輝く。
その陰影もまた、すばらしい。
秦泉寺さんの白い布の世界、
現在、東京都/目白にある古民家のギャラリー
「ゆうど」で見ることができます。
2月20日(土)まで。
http://blog.yu-do.noor.jp/