春、黄色の水仙が咲き終わった頃、
私の小さな庭は、青い花の園となる。
さまざまな青色の花を、何年もかけて、
少しずつ増やしてきた。
20年以上も前、小さな駅のホームに咲き広がっていた、
十二単衣(じゅうにひとえ)という花。
駅長さんに、分株をお願いすると、
「増えて困るから、欲しいならいくらでもどうぞ。」
その時、10株ほど頂いたものが、
今では家の周りに じゅうたんのように広がっている。
その濃い青紫をベースにして、
水色のフロックスをたくさん植えた。
フロックスという花は、とてもきゃしゃで、
風に揺れる姿が美しい。
そして、ひっそりと、西洋おだまき や
シレネー、ひょろひょろのヒヤシンスなど。
ムスカリの小道は、石けんのようないい香り。
紫花菜は、たくさんの種をつくり、
ほったらかしで好きな場所に増えていく。
アネモネは吸い込まれるような魅力。
青の庭、春の女王様。
これから青の庭に、白やピンクの花が加わり、
初夏の彩りに移っていく。
それでもこの庭の、基本の色は、いつも青色。
鮮やかな花の色を引き立てる役でありながら、
青い花たちは、いつも心を穏やかにしてくれる。
青の庭、初夏編へつづく。