![Img_1852 Img_1852](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/48/2e202a10fbaa17622cb88b0a53e8a5da.jpg)
霊泉の地、カランガサンへの道中、
深い山のふところに、バリの先住民族が、
今も伝統の暮らしを続ける、テンガナン村がある。
![Img_1380 Img_1380](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/69/426b09a94bbc475fb7ada2a048ac22c7.jpg)
山に包まれるように在るその村は、
まっすぐのびるメインストリートから
規則正しく横道が何本も山に向かっていく。
![Img_1377 Img_1377](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/93/9f1987b8afb83f70cdd2068d37016d12.jpg)
メイン道の中央には、祭事を行う場所や、
家畜たちの管理棟、子供の遊び場などの
公共の建物が、秩序正しく並び、
村人たちが、先祖代々の伝統を粛々と守ってきた
厳かな空気が流れている。
![Photo_2 Photo_2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/81/1df80b929d02e1103ebb2cbd8a71385e.jpg)
この小さな村の女たちが織り続けてきた
美しい絣(かすり)の布は、
縦糸も横糸も、先染めをしてから織るという、
東アジアでは他に類のない織物なのだという。
世界的にみても、数カ所にしかない技法が、
バリ島の中の、小さな村に存在する. . . . .
グリンシンと呼ばれるこの縦横絣は、
信じられないほど難しい方法で作られる。
タテ、ヨコの糸に、先に模様を染めて
あとで織ってきっちり色をそろえるなんて、
超絶した技巧である。
![Photo_3 Photo_3](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/02/426e37ced74d8d60bf90c04f217641a4.jpg)
上の写真が、染める過程の糸。
白い糸をきつく巻いたところは染まらない。
色ごとに巻いたり、外したり、
この糸染めだけで10年かかったという作品も。
さらに織る時は、佳き日だけを選ぶのだという。
そうして気の遠くなるような歳月かけて、
一枚の布が完成する。
![Photo_4 Photo_4](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/da/45b157757865860aa1bbcc5f9ff36ee5.jpg)
魔除けとして、神に捧げる布として、
祭りの時だけ身につける聖なる布。
そして大切に受け継がれる家宝となっていく。