東京での花展を彩ってくれた、光の色のチューリップ。
あれからちょうど一ヶ月の姿がこれである。
花は飴細工のように艶々、
主役を支える葉や茎は、衰え知らず。
花展の会場では、毎朝光を浴びたので、
初日から全開、茎は自由にぐんぐん伸びていった。
わずか3日間だったが、
阿部海太郎さんの音楽が流れる部屋の中で、
たくさんの来場者に見てもらい
褒めてもらって、とてもいい気分で咲いていたのだと思う。
花たちはどんどん元気になっていって、
昼も夜も強い「気」を発していたように感じた。
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花展が終わってから、ほとんどの花たちは
現地でお世話になった人々に差し上げてきたが、
少しだけ渡しそびれた花を持ち帰った。
その中には、会場で生けたものと
予備として、バケツに入れ、涼しい所で保管しておいた花もあったが、
作品として表に出なかったチューリップは、
なんと早々に、枯れてしまった。
その しぼむような枯れ方を見て、少し悲しくなった。
表舞台で役目を果たした花たちの枯れざまは、
息をのむような美しさ。
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それからさらに時間が経って、昨日の花姿。
誇らしげで、幸せそうな表情のまま。
花たちの命をあずかる身として、
とても考えさせられることだった。
自然界から切り取らせていただいた以上、
花たちの幸せな「居場所」を見つけてあげなければ。
その花の魅力を引き立たせるうつわ
美しく見える場所
ここちよい空気
清らかな水 . . .
やはり大切なのは、愛、なのかな。
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