語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


枯れる姿も美しく

2013年03月24日 | アトリエから
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東京での花展を彩ってくれた、光の色のチューリップ。

あれからちょうど一ヶ月の姿がこれである。

花は飴細工のように艶々、

主役を支える葉や茎は、衰え知らず。


花展の会場では、毎朝光を浴びたので、

初日から全開、茎は自由にぐんぐん伸びていった。

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わずか3日間だったが、

阿部海太郎さんの音楽が流れる部屋の中で、

たくさんの来場者に見てもらい

褒めてもらって、とてもいい気分で咲いていたのだと思う。

花たちはどんどん元気になっていって、

昼も夜も強い「気」を発していたように感じた。

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花展が終わってから、ほとんどの花たちは

現地でお世話になった人々に差し上げてきたが、

少しだけ渡しそびれた花を持ち帰った。


その中には、会場で生けたものと

予備として、バケツに入れ、涼しい所で保管しておいた花もあったが、

作品として表に出なかったチューリップは、

なんと早々に、枯れてしまった。

その しぼむような枯れ方を見て、少し悲しくなった。


表舞台で役目を果たした花たちの枯れざまは、

息をのむような美しさ。











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それからさらに時間が経って、昨日の花姿。

誇らしげで、幸せそうな表情のまま。


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花たちの命をあずかる身として、

とても考えさせられることだった。

自然界から切り取らせていただいた以上、

花たちの幸せな「居場所」を見つけてあげなければ。


その花の魅力を引き立たせるうつわ

美しく見える場所

ここちよい空気

清らかな水 . . .


やはり大切なのは、愛、なのかな。










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