語りかける花たち

角島 泉(かどしまいずみ) 花日記
 ~石川の四季、花の旅、花のアトリエ こすもす日々のこと


雪の茶屋街

2012年01月28日 | 石川の四季
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休日の木曜日朝、

起きたら街はすっかり雪に覆われていた。

一晩で30センチの積雪。

降るだけ降って、雲は去り、

澄んだ青空が美しかった。


ふわふわの新雪が光を反射して眩しいくらい。

こんな美しい雪景色は、そういつも見られるわけではないので、

浅野川沿いの茶屋街まで散歩に出ることにした。



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ところが家を出て5分もしないうちに、

また雲が流れてきて空を覆いはじめた。

再び白い空。













枯れ木にかかる綿菓子のような雪をたのしみながら、

主計町(かずえまち)茶屋街を歩く。










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雪の白、空の白

明るいところの白

暗いところの白

白色もいろいろ。

他に色彩の乏しい季節だから、

白の微妙なニュアンスが感じ取れる。

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雪が、ちらちらと舞いはじめた。

茶屋街から少しずつ色と音が消えていく。


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間もなく雪は激しく降りてきた。

鳥たちが一斉に飛び立ち、

屋根の向こうへ消えていった。













主計街茶屋街の雪景色。

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橋を渡り、東の茶屋街へ。

雪の中に映える紅。





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格子戸からもれる明かりがあたたかい。

あの紅殻格子(べんがらごうし)の中から見る雪は

さぞかし美しいのだろうなぁ。


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普段は観光客でにぎわうこの街も、

この日は人もまばらで、落ち着きをとりもどしていた。

住む人たちの雪かきの音が響き、

垣間見える生活感に なんとなくほっとする。


雪囲いされた植木鉢の趣き深いこと。

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裏路地の喫茶店でひと休み。

他に客はなく、お茶で暖まりながら、

ゆっくり外の雪を愉しむ。

格子戸越しの雪は、スローモーションのように降りてくる。

昔の無声映画を見ているような、不思議な感じ。

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時が経つのも忘れ、眺めていると、

いつの間にか、最後の一口がすっかり冷めていた。

急いで飲み干し、お店を出た。


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迷路のような路地をさまよううちに、

狭い隙間から、光がさしてきた。

見上げると、雲間からまた青空。


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金沢の天気は「回り舞台」と例えられるが、

まさにそんな一日。

光と影の織りなす摩訶不思議な世界、

泉鏡花の物語の中に、妄想 入り込む。


陽が沈みかけてきた。

帰路は浅野川沿いの雪の小道にした。


東の空には、華奢な三日月。

西の空は、この妖しさ。

相変わらず雲は、めまぐるしく変幻していく。
















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コメント (2)
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