原作は,監督自身による1938年の小説。背景は第一次世界大戦。アメリカが参戦。「ジョニーよ,銃をとれ」の歌(この歌のタイトルが映画の原題である)に駆り立てられて戦地に動員された主人公ジョー(ティモシー・ボトムズ)は,戦死した敵のドイツ兵を埋葬しているさなか,攻撃をうけ,逃げこんだ塹壕で爆弾に吹き飛ばされた。
身元不明戦傷兵第407号としてアメリカ国陸軍医療部隊に運び込まれたジョーは,ティラリー大佐(エドワード・フランツ)の指揮のもとで治療を受けた。ジョーは,目,耳,鼻,あご,歯,両腕,両脚を失なった。頭の一部と胴体がのこり,包帯で全身ぐるぐるまきにされ,病院の暗い一室に横たわっているだけであった。延髄は正常,脳も働いていた。このため,心臓と呼吸中枢が機能し,思考をすることができた。
ジョーは奇跡的に命をとりとめていた。
ジョーは次第に周囲の状況に気付くようになる。過去のことを思い出したりする。しかし、治療室で、このまま生き続けるということはどういうことなのか・・・。頭に去来するものは、絶望でしかない。