新!編集人の独り言

名無しの悪質なコメントがありコメントはなくしました。
名乗ることもできない奴にコメントする資格はありません。

悪魔のような奴ら

2007-02-14 13:11:56 | Weblog
エピソード2 修行

Tちゃん達の団体はそれなりに地方興行に行ったりもしていました。
当然の事ながら弱小団体なので、リングの設営とか雑用は自分たちで行います。

Tちゃんは運転が好きなので、リングトラックでリングを会場まで運ぶ役目です。

そんなある日の事。

TちゃんやFくんの地元である福岡で興行を行う事になりました。
TちゃんとFくんは宣伝活動の為、一足先に東京を出発します。

海老名で休憩をした後、唐突にTちゃんがFくんに向かって言い出します

「よし、修行すっかぁ」
「は??」
「修行だよ、修行。精神を鍛える事もプロレスラーとして大切な事だからな」
「はあ・・・」
F君の顔が段々厳しいものになっていきます。そりゃあそーだ。

「よし・・・これから次のパーキングまで正座な」
「何ですか、それ」
「バカヤロウ。いいか、正座というのは日本古来からの正式な作法だぞ。精神を鍛錬するなら、やはり日本古来の武士道から始まるだろ。武士道といえば正座だろ。精神を鍛える為には、とりあえず正座だ」

何言ってるんだろう、このタコ助は・・・

「意味ないじゃないですか」
「いいか!正座をして足の痺れに打ち勝ってこそ、本当に強い心が生まれるんだよ。俺はお前に強くなってもらいたい。だから、心を鬼にしてだなぁ」
「いやですぅ」
「・・・そうか。いやなのか。・・・まあな、お前みたいな軟弱野郎には出来ない修行だもんな。まあ、いいよ。俺はお前を買いかぶっていたんだよ。そうかぁ、残念だなぁ。きっと××さんがこの話聞いたら竹刀でお前ボコボコにされるだろうなぁ」

物凄い挑発をしかけるTちゃん。
「わかりましたよ。次のPAまででいいんですよね」
「おう、次のPAまででいいよ」

助手席で正座を始めるF君。
しかし、10分もしないうちに足がしびれ出す。当然です。
プロレスラーであるF君は体重90kg

すると、Tちゃん。ガンガン車線変更をし出します。
体を揺さぶられるたびにF君の足が響きます。

「ちょっ、ちょっと待ってください。車線変更は勘弁してもらえませんか」
「何言ってるんだ。次のサービスエリアまで早く着いて修行から開放してあげたい俺の気持ちがわかんないのか」
「足がしびれて・・キツイです」
「気合だ、今こそ気合を入れるんだ、呪文を唱えるんだぁ」
「なんていえばいいんですか」
「バカヤロウ。そんなこたあ自分で考えろぉぉ」

質問するほうもバカです。ある意味バカ兄弟です。

さて・・・海老名を出発して・・・次のPAで開放されました。
「よくやった。お前は一つ階段を登ったぞ」
Tちゃんは"地元名物明石焼"を頬張りながらF君にねぎらいの言葉をかけました。
「さっさとトイレに行って来い。すぐ出発すっぞ」

F君は既に感覚のない足を引きずりながらトイレに向かって歩いていくのでした。

・・・実話です(笑)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紅夜叉は利用された

2007-02-14 06:29:28 | Weblog
開場と同時に横浜アリーナは物凄いスピードで客席が埋まっていった。
誰もが興奮気味に対抗戦のゴングが鳴るのを待ち焦がれている。
入場式が始まると会場のあちこちから北斗コールや全女コールが起こる。
緊張の面持ちで半田がLLPWの旗を持って先頭を行く。
客席のあちこちから神取に罵声が浴びせられる。
華やかな舞台に慣れている全女勢は余裕の笑顔で声援に応えながら入場する。
神取はセレモニーの最中、誰かの鋭い視線を痛いほど感じていた。
あえて無視する。目が合えば暴れだしてしまう事は自分でわかっていた。
フン、逃げたな、と北斗が唇を歪め笑った。
各団体の代表が宣誓し、入場セレモニーは終了した。

異常に期待の高まる中、第1試合のゴングが鳴る。
長谷川・伊藤が二人がかりで福岡を攻めるが、緊張のせいか中々試合のリズムが掴めない。
一人やけに落ち着いているプラムの関節技にことごとく動きを止められてしまう。
長谷川はWアームの連発を見せるが福岡のムーンサルトで目尻を切ってしまう。
そんな光景を神取は控え室の音の無いモニターで見ていた。
時折遠くで歓声が聞こえるので、きっと会場は盛り上がっているのだろう。
プラムの雪崩式フランケンシュタイナーが長谷川に炸裂しJWPが勝利を飾る。
風間がLLの控え室を出てわざわざプラム・福岡組を出迎える。

その横をFMW控え室から出てきた第二試合に出場する土屋・前泊が通り過ぎた。

FMW軍は左肩にテーピングしたテリーを余裕の試合運びで攻めまくった。
一方的な試合展開に観客の反応が冷え切って来る。
面白い試合を作れないFMW軍に全女ファンが思い切り罵声を浴びせる。
沼田が試合を盛り上げようと奮闘するが、やはり実力的に無理があった。
最後はWインパクトからのツッチーボムでピンフォールを奪われてしまう。
試合を終えた土屋を、今度は気まぐれで神取が出迎えた。
よう、お疲れ、と声をかけるが土屋は鋭い眼光で睨みつけて来る。大きく肩で息をしている。
おい、神取さんだよ、と前泊に肩を突かれて土屋が我に帰り頭を下げる。
「うちの後藤さんが・・・ウォーリーに気をつけろって・・言ってましたよ・・・」
呼吸の乱れた不明瞭な声で土屋が神取に忠告する。ああ、と気にも留めず神取が笑った。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする