新!編集人の独り言

名無しの悪質なコメントがありコメントはなくしました。
名乗ることもできない奴にコメントする資格はありません。

悪魔のような奴ら

2007-02-09 13:14:01 | Weblog
時間があるので、エピソード0という事で(笑)

自分は以前某団体のビデオ上映会を開催した事があり、その時のシークレットゲストとしてその団体の選手を呼ぶことにしました。

そこで、このエピソードの主役が登場。極悪のTちゃん。

「俺行きたい。ギャラは出るんでしょ」
「うーん・・・もう決まってるんだよねぇ・・・」
「誰?」
「×と××」
「つまんないじゃん。あいつらの話じゃ盛り上がらないよ」
「でもねぇ、悪いね。次にやる時お願いするから」
「なんでぇ。つまんねえの」

いや、別にTちゃんでもよかったんですけどね。彼の場合エピソードが強烈すぎて客が退く可能性が・・・(苦笑)


さて、ビデオ上映会の当日。
ゲストできた選手の顔色がすっげー悪い。
「どしたの」
「はあ、昨日ちょっとぉ」

話を聞いて、笑ってしまいました。
以下はこの若手(今や某龍の門で現場監督ですよ、こやつ。出世したもんだ)の話から想像。
「おう、お前達、明日ビデオ上映会だろ」
「はい」
「ギャラ出るんだってな」
「はい」
「だったら前祝いだ。飲もう」
「いや、明日のこともあるんで、早く寝たいんですけど」
「バカヤロー。プロレスラーってえのはな、いかなる状態でも客の前で醜態をさらしちゃいけねえんだよ。いいか!俺はこれからお前達に酒を飲ませる。これは、お前達に気合を入れると同時に、やっとギャラをもらえる立場になったという祝福と、その甘えた根性を叩きなおす為なんだ。いいから、飲め!飲みやがれ」

「えええっ」
「バカヤロウ、先輩が飲めといったら飲むんだよ」

そして、Tちゃんに今朝方まで飲まされて、散々プロレス自論を聞かされたそうです。

「編集人さん。寝ててもいいですかぁ」
「一睡もしてないの?ひょっとして」
「はい、Tさんが、これも修行だっていって寝かせてくれないんですよ」
「で、そのTちゃんは」
「出発時間になったら『じゃあ俺は寝る』っていって自分の部屋に帰られました」
「わかったわかった、じゃあ部屋暗くしておくから間際まで寝てなよ。2時間くらいは寝られるよ」
「ありがとうございますぅ。感謝しますぅ」

ヤロー、明らかに後輩潰しを仕掛けてきやがった。

何とか前半を終わって休憩時間。いよいよ後半に彼らが登場するんですが、彼らの様子がヘン。
「どした」
「30分毎にTさんが携帯鳴らすんですよ。たまりませんよ」
「切っとけばいいじゃん」
「そんな事したら、帰ってから何されるかわかりません(泣)」

その後、Tちゃんと話す危害かあり、その事について問い詰めると・・・
「何言ってるの。あいつら、飲んでたから、トークショーの最中に寝たらまずいなという事で30分毎に『起きろ』コールをしただけだよ。これは俺の後輩に対する優しさだって」

・・・・本当か?????・・・・・

このTちゃん。色々やってくれてます。
さあ、来週より短期連載開始の「悪魔のような奴ら」ご期待ください。

ちなみに・・・・
これ、まだやさしいほうです(笑)






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紅夜叉は利用された

2007-02-09 04:23:44 | Weblog
興奮の表情で事の成り行きを見つめていた宍倉が慌てて神取を追った。
「神取さん、神取さん!何か北斗に他に言いたい事は無いですか?」
「なんだテメェ!まだ記者会見終わってネェだろ!来るんじゃネェよ!」
物凄い剣幕で神取が怒鳴り、遠巻きに目黒雅叙園の一般客が怪訝そうに見つめる。
風間とイーグルが回りに頭を下げ、一旦神取を用意されていた控え室に押し込んだ。
宍倉が会場に戻ると会場は平静さを取り戻し、今度は大阪大会のコメントが続けられていた。
大阪でアジャと組んで神取・イーグル組と戦う北斗はウンザリした表情で語った。
「また神取とやるのかよ。横浜で試合に出られなくならないように気をつけろよ」
全記者会見が終わると、風間と神取は全女・松永会長の部屋に通された。
今日はどうもお騒がせいたしました・・と頭を下げる風間に松永は笑顔で首を横に振った。
「いえいえ、みんな対抗戦を楽しみにしてるんです。熱くなるのも無理ありませんよ」
神取は照れ臭さそうに笑いながら頭を下げた。
「おかげで素晴らしい全女25周年記念大会が行えそうです」
松永は機嫌良さげに目を閉じ、なにやら今までの苦労話を語り始めた。
なぜ自分達が呼ばれたのか理由のわからない神取は少し困った表情で聞いている。
不意に松永が目を見開き、神取と風間に向かって呟いた。
「全女の選手は最強です。これはファンもマスコミもわかってるはずです」
この言葉に神取は少しムッとしたように表情を強張らせた。
「何といっても貴方達とは圧倒的に試合数が違う。そして積み重ねて来た歴史の重みが違う」
風間が不安げに神取を見ると、今にも切れそうな表情でうつむいている。
そんな神取に向かって、松永は淡々と語る。
「特にブル・北斗・堀田達ベテランは最強の域に達して試合を組むのさえ苦労させられます」
そのまましばらく松永の全女選手の自慢話が続いた。
とうとう耐え切れなくなった神取が顔を上げ、いい加減にしろよ、と言いかけた。
・・・松永の目が潤んでいた。
神取は意外な松永の表情に動揺し、思わず風間と顔を見合わせた。
そんな二人に松永は時折言葉を詰まらせ、振るえるような声で語った。
「神取さん・・お願いです・・・。北斗に勝ってあげて下さい・・・」
神取は動揺しながら訳もわからず頷いていた。
「このまま最強のつもりでいて、後は引退するだけなんて・・・あまりにもかわいそうです。
 北斗を倒して・・彼女等の目標になってあげて下さい・・・
 全女最強という慢心を打ち砕いてやって下さい・・・」
松永会長の意外な注文に神取は掛ける言葉も見つからなかった。

目黒駅のホームで電車を待つ宍倉の肩を不意にたたく男がいた。
宍倉が振り向くと北斗-神取戦のサブレフェリーを勤めるウォーリー山口が立っていた。
軽く挨拶を交わすと山口が妙に馴れ馴れしく話しはじめた。
「あなた、週プロの記者さんでしょ?ずいぶん北斗-神取戦を煽ってるみたいだね」
   「ええ、あれだけの大一番、当然力が入りますよ」
「ふふふふ。そうですね、私も今から楽しみで仕方無いんですよ・・・」
「やっぱりあの二人なら男顔負けの激しい試合になるでしょうね・・・」
反対側のホームに電車が入って来た。山口が体の向きを変え、話を続ける。
「そう、きっと血で血を洗う、プロレスの原点みたいな試合になるでしょ う」
   「う~ん・・・流血戦ってのはどうなんでしょう・・・」
電車のドアが開き、山口が乗り込む。振り返り笑いながら宍倉に語りかける。
「もちろん、私もこの世紀の一戦、全力で演出させてもらうつもりですよ、ふふふふ・・」
ベルが鳴り、ドアが閉まり始める。
「演出って・・ちょっとアンタ、変な事考えて無いだろうね、山口さん!」
ドアが閉まりきり、ガラスの向こうで山口が笑ってる。
電車が動き始め、宍倉は不快な気分で山口を見送った。

そして運命の日1993年4月2日・・・・場所は横浜アリーナ・・・・

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