それでもギブアップしない北斗を神取は更に力任せに絞り上げる。
・・・・相手がマイッタしないんだから仕方無いよね・・・・
たまらずレフェリーが神取を止め、北斗の肩の状態をチェックする。
北斗の左腕は後ろに回ったまま小刻みに震えていた。
完全に左肩が抜けているのを確認するとレフェリーがゴングを要請する。
神取が勝ち誇った様に苦しみもがく北斗を見下ろした。
ゴングが打ち鳴らされアジャが血相を変えてマイクを握った。
「ふざけんな!北斗がダメでもアジャがいるだろうが!2対1だ!
それが全女のルールだろ!神取!1対1でもいいぞ!」」
変則タッグでの試合続行を狂った様にアピールする。
勝ちは勝ちだ、とばかりに神取はアジャを一瞥すると花道を去って行く。
後を追うアジャを一斉に全女のセコンド陣が止めに入った。
北斗は呻き声を上げながらリング外へと運び出された。
荒れ狂うアジャはレフェリー等を口汚く罵るとリングを後にした。
最悪の結末に全女ファンが落胆の声を上げ、既に姿の無い神取にブーイングを送った。
「神取さん・・あれで良かったんですかねぇ?」
「ごめんね、イーグル。せっかく良い試合してたのに・・・」
インタビュールームに向かう途中、神取はイーグルの目を見ずに謝った。
あれだけの極め方をして既に落ち着きを取り戻している神取は恐ろしい人だ・・・
神取の背中を見つめてイーグルは大きく溜息をついた。
「あのまま折ってやりたかったね。殺るか殺られるか・・・だよ。
もう一度、シングルで北斗を倒さないと気がすまない」
北斗の左肩を破壊してもなお、神取の意識は北斗との決着に固執していた。
控え室に戻ったアジャは怒り心頭で報道陣にまくし立てた。
「こういう時のために2対1でやらせるときがあるんでしょ?ウチは!
このまま神取を生かしておいたら先に進めない!北斗選手だって納得いかないでしょ」
陰惨な結末を払拭するようにリング上では全女-JWPのメインが行われていた。
前年の川崎大会の再戦となる山田・豊田組-関西・尾崎組のタイトルマッチである。
いきなり飛び出した関西が山田を通天閣に捕らえ一本目を先取した。
僅か12秒の速攻に敗れ後の無い全女軍は二本目も苦戦を強いられた。
モニターに見入る神取を急かすように風間は帰り支度をしていた。
「そんなに急がなくたって・・・受賞式だってあるんだし・・・」
「お客さんに見つかったら騒ぎになっちゃうでしょ・・・」
全女ファンの憎悪の対象となった神取を風間は心配していた。
全女ファンに見つかれば、きっと怒号が飛び交い大騒ぎになるはずである。
そこで問題が起きれば今後の対抗戦にも悪影響が出る可能性も有る。
渋々帰り支度を始める神取を見てイーグルが小声で笑った。
JWPの猛攻を耐え切った全女軍が二人がかりで関西を捕らえた。
関西の巨体をダブルのサンダーファイアーでマットに突きつけた。
すかさず豊田がジャパニーズ・オーシャン・サイクロンでダメ押しの一撃を加える。
聞こえて来る大きな歓声にモニターを見ると横たわる関西の姿があった。
クソ!と神取が声を漏らしイスを蹴り付けた。
・・・・相手がマイッタしないんだから仕方無いよね・・・・
たまらずレフェリーが神取を止め、北斗の肩の状態をチェックする。
北斗の左腕は後ろに回ったまま小刻みに震えていた。
完全に左肩が抜けているのを確認するとレフェリーがゴングを要請する。
神取が勝ち誇った様に苦しみもがく北斗を見下ろした。
ゴングが打ち鳴らされアジャが血相を変えてマイクを握った。
「ふざけんな!北斗がダメでもアジャがいるだろうが!2対1だ!
それが全女のルールだろ!神取!1対1でもいいぞ!」」
変則タッグでの試合続行を狂った様にアピールする。
勝ちは勝ちだ、とばかりに神取はアジャを一瞥すると花道を去って行く。
後を追うアジャを一斉に全女のセコンド陣が止めに入った。
北斗は呻き声を上げながらリング外へと運び出された。
荒れ狂うアジャはレフェリー等を口汚く罵るとリングを後にした。
最悪の結末に全女ファンが落胆の声を上げ、既に姿の無い神取にブーイングを送った。
「神取さん・・あれで良かったんですかねぇ?」
「ごめんね、イーグル。せっかく良い試合してたのに・・・」
インタビュールームに向かう途中、神取はイーグルの目を見ずに謝った。
あれだけの極め方をして既に落ち着きを取り戻している神取は恐ろしい人だ・・・
神取の背中を見つめてイーグルは大きく溜息をついた。
「あのまま折ってやりたかったね。殺るか殺られるか・・・だよ。
もう一度、シングルで北斗を倒さないと気がすまない」
北斗の左肩を破壊してもなお、神取の意識は北斗との決着に固執していた。
控え室に戻ったアジャは怒り心頭で報道陣にまくし立てた。
「こういう時のために2対1でやらせるときがあるんでしょ?ウチは!
このまま神取を生かしておいたら先に進めない!北斗選手だって納得いかないでしょ」
陰惨な結末を払拭するようにリング上では全女-JWPのメインが行われていた。
前年の川崎大会の再戦となる山田・豊田組-関西・尾崎組のタイトルマッチである。
いきなり飛び出した関西が山田を通天閣に捕らえ一本目を先取した。
僅か12秒の速攻に敗れ後の無い全女軍は二本目も苦戦を強いられた。
モニターに見入る神取を急かすように風間は帰り支度をしていた。
「そんなに急がなくたって・・・受賞式だってあるんだし・・・」
「お客さんに見つかったら騒ぎになっちゃうでしょ・・・」
全女ファンの憎悪の対象となった神取を風間は心配していた。
全女ファンに見つかれば、きっと怒号が飛び交い大騒ぎになるはずである。
そこで問題が起きれば今後の対抗戦にも悪影響が出る可能性も有る。
渋々帰り支度を始める神取を見てイーグルが小声で笑った。
JWPの猛攻を耐え切った全女軍が二人がかりで関西を捕らえた。
関西の巨体をダブルのサンダーファイアーでマットに突きつけた。
すかさず豊田がジャパニーズ・オーシャン・サイクロンでダメ押しの一撃を加える。
聞こえて来る大きな歓声にモニターを見ると横たわる関西の姿があった。
クソ!と神取が声を漏らしイスを蹴り付けた。