高校野球では最も面白いとされる準々決勝4試合が行われました。今大会は良し悪しは別にして、大阪桐蔭の大会と言えます。昨秋の神宮大会、今春の選抜を制し、学校初の三冠を目指す夏でした。
準々決勝の4試合は以下の通りでした。
【12日目】
▽準々決勝
愛工大名電-仙台育英
高松商-近江
大阪桐蔭-下関国際
聖光学院-九州学院
試合は生き物です。どこで何が起こるか分かりません。そして、突然に現れたりするものです。
準々決勝の試合結果です。
愛工大名電 000 000 011│2
仙台育英 122 010 00X│6
(名)有馬・岩瀬・山田-藤山
(仙)斎藤蓉・古川-尾形
高松商 002 010 300│6
近 江 111 011 20X│7
(高)大室・橋崎・渡辺和-大坪
(近)山田・星野-大橋
下関国際 001 011 002│5
大阪桐蔭 200 011 000│4
(下)古賀・仲井-橋爪
(大)別所・前田-松尾
九州学院 100 030 100│5
聖光学院 500 401 00X│10
(九)桑原・西嶋・蔵原・直江-渡辺
(聖)佐山-山浅
「常勝軍団の死角」とか「策に溺れた」とか、いろいろ書かれていますが、恐らく7回裏の無死1・2塁の場面でのバントエンドラン失敗のトリプルプレーを差しているのだと思います。
私はそうは思いません。プッシュバントが小フライになった場面も、僅かでもどちらかにそれていたらオールセーフで大量点という状況だったので、作戦的には良かったと思いますし、少しだけ運に恵まれなかったということだと思います。野球は確率のスポーツですから、より高い確率を目指して作戦を立てます。成功するのも裏目に出るのも時の運ということですね。
結論として、勝った下関国際が強かったということで、それ以上でもそれ以下でもありません。
第2試合、選抜準優勝の近江と最後まで競り合った高松商は惜しくも敗れました。低迷が心配されている「四国四商」の一角である伝統校がここまで勝ち上がったのは、伝統の守りあってのことでした。準々決勝では、その守りの破綻が惜敗に繋がったことになりますが、誰も責めることはできません。よくやったと思います。
東北勢の2校は実力もあり、4強入りも順当だと思います。遂に深紅の優勝旗が白河の関を超えるのか? 可能性は高いと思っています。
まさかの敗戦も自ら敵将と握手 大阪桐蔭・西谷監督の行動に甲子園どよめく ネット称賛
※以下、引用です。
「全国高校野球選手権・準々決勝、下関国際5−4大阪桐蔭」(18日、甲子園球場)
春夏連覇を狙った大阪桐蔭が、九回逆転負けでまさかの敗退を喫した。
試合後、敗れた大阪桐蔭ナインは号泣。その様子を西谷浩一監督も無念の表情で見守っていた。ただ、一塁側ベンチ前で整列して待機していたところで、引き上げようとした下関国際ナインが近づくと、自ら敵将の坂原監督のもとへ歩み寄って握手。甲子園のファンからはどよめきと拍手が起こった。
甲子園では勝者チームが先に引き上げるため、一塁側のチームが敗れると、監督同士が短い時間で頭を下げたり言葉を交わしたりという光景はみられる。ただ、握手まですることは珍しいシーンで、“横綱”大阪桐蔭の西谷監督が取った行動には驚くファンも多かった。
西谷監督は試合後のインタビューなどでも相手に対する敬意であふれる人柄で知られる。ネットでは「試合だけでなく良いものを見させてもらった」、「自ら握手した西谷監督、素晴らしかった」、「ああいう姿勢は人柄なんでしょうね」など称賛の声が寄せられた。
大阪桐蔭は秋の神宮大会、センバツも制していたが、初の“3冠”はならず。西谷監督は「勝ちに結び付けるのが監督の仕事。それができず非常に残念です」と、最後まで無念そうに振り返った。
中1日置いて、準決勝は明日の 8/20(土)に行われます。
組合せは以下の通りです。
【13日目】
▽準決勝
仙台育英-聖光学院
近江-下関国際
4校とも優勝すれば初めてのこととなります。
都道府県別に見れば、優勝経験があるのは山口県のみです。初めてのみちのくへ優勝旗が届くのか? それとも、近畿勢で唯一頂点に届いていない滋賀県勢の悲願が成るのか? 山口県へ久々の優勝旗となるのか?
いずれにせよ、興味が尽きない大会になったと思います。