中村です。
研修、特に新入社員など若手社員対象の研修の際、
「振り子の幅を広げる」
「問題解決の引き出しを増やす」
の話を必ずする。今日は「振り子の幅を広げる」について
たとえば、声出しの場面。思いっきり大きな声を出して自分自身の
MAXを知る。
自分の中で限界の声=自分自身のMAX
↑をレベル10とする。
実際の社会生活では状況や相手との距離感を考えて、
「この状況ならレベル2」
「展示会場で遠くにいるお客様に声をかけるのでレベル8」
とその場に応じた声の大きさを使い分ける。
日常生活で生じる様々な場面で柔軟に対応するためには振り子
の幅はできるだけ大きい方がいい。
「大きな声が出せる自分」
を確立した上で、状況に応じてレベル0~10まで調整すればいい。
ここで問題なのは自分自身のMAX=基準をどこ
に置くか?
自分自身がMAXだと思っている声は、ほとんどの場合本当のMAX
よりかなり小さい
それだけ、私たちは自分に甘い
ちょっと頑張ればできるレベルに限界を置いて、すぐに「もう無理です」
「限界です」と音を上げる。声に出さずともそれが態度に現れる。
その方が、しんどくないし、格好悪い自分をさらすこともないから嫌な想
いもしなくて済む。
でも、レベルをそこ(=自分で感じる限界レベル)に置いてしまうと、
自分の現在出せる声の範囲内
でしかコミュニケーションがとれない。
だから、
「『限界』『もう無理』と思ってからが腕の見せ所やぁ~」
とプレッシャーをかけまくる。と、ほとんどのメンバーが軽~く当初の
限界を超えるやればできるやん
不思議なもので、(研修で)自分で限界だと思っていた以上の声を出して、
「こんな声が出るなんて自分でもびっくりしています」
同時に、
「自分に自信が持てました」
とコメントする受講者も多い。
だから、研修では、振り子の幅を広げる重要性を説く
もちろん、「声だし」に限ったことではない
対人関係も同じ。
対人関係において、
「穏やかな人間関係」「楽しい人間関係」「緊張感のある人間関係」
「シビアな人間関係」「カジュアルな人間関係」「けじめある人間関係」
など・・・。いろんな人間関係がつくれる=振り子の幅の広い人。
いざという場面ではきちんと『対峙』できるけど、
この場では『しない』のと、したくても『できない』のとは
全然違う。
常に、穏やかにニコニコ笑って仕事ができるにこしたことはない。
しかしながら、現実問題として「世間」も「仕事」もそんなに甘くない。
責任もって仕事をしようとすれば、たとえ相手から疎まれようともや
らなければならないこともある。にらみをきかしながら仕事をしなけ
ればならないこともある
管理職にもなれば「嫌われてナンボ」的要素も強い
いざという場面でその場にふさわしい対応をしようとすれば、自分の
中に「厳しさ」「穏やかさ」「優しさ」「冷静さ」「楽しさ」などなど・・・
いろんな対人エネルギーが必要。しかも立ち向かう課題の難易度や
相手のタイプがさまざまなだけに、それぞれのエネルギーがたくさん
あるほうがベター
いろんな対人エネルギーを持っていて、その量が多い(=振り子の幅
が広い)から、状況や相手に応じて必要なエネルギーを求められる量
使って対応できる
振り子の幅は広い方が、いろんな仕事をし、いろんな人と出会い
成長するチャンスが多い、当然それに伴う報酬も高い
ただし、振り子の幅を広げるのは簡単ではない
なぜなら、
そもそも苦手なことが多いため「やろう」という気になりにくい
に加えて、
(なんとか自分を奮い立たせて取り組んでも)上手くいかなかった
りすぐに結果が出ずに、取り組む過程で不格好な自分をさらすこ
とも多い。
だから多くの女性、特に周りから「彼女は優秀」だと思われている
女性ほど自らに制限をかけて(振り子の幅を広げることに)ブレー
キをかける。
結果、無難な自分を演じることに落ち着きそのことがやりがいが
見いだせないにつながることもある。
そのブレーキは、
「言い訳」「前置き」「知ったかぶり」「敵前逃亡」「閉じこもり」
など自己防衛的な言動として表現される。
「私は、そういうタイプじゃないんで・・・」
「そんなふうには聞いていません・・・」
「そこまでとは思っていませんでした・・・」
「やってみようとは思ったんですが・・・」
「~さんがやっておられるので・・・」
「私の仕事は~なんで・・・」
「~ができるようになったら、チャレンジしてみたいと思います」
これらの多くは、「そらどう考えてもこの状況では無理やろ」という
場合を除いて自己防衛をしているという自覚が本人にないまま生
まれ、セルフトーク(心の中の独り言)でどんどん深化していく・・・
次に続く
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